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    Asahikawa_kamo

    PASTリプきたセリフで一コマ描く のタグでなうさん(@.nau_bookshelf)から頂いたセリフ「ねぇ僕たちはどこから来たんでしょうね」で書きました。
    大分前に書いた現世終焉idの続き、終了した現世で一人生きているmcの話です。前作読んでなくてもふんわり分かると思います。

    前作はこっち☞https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=21141522
     ゆるやかにつま弾いた音に、歪みを感じる。調律がずれていると気付いたのは、何も考えずに指先が弦をいくつか弾いた後の出来事だった。チューナーを探すために立ち上がった剣持は、ぎいと鈍く軋んだ椅子を置き去りにしながら車の中を歩き出した。
     ──現世の終焉というものは、今回顧するならば思っている以上にあっさりしたものだったと、剣持は記憶していた。始まったものはいつか終わりが来るだろうとは確かに思っていたものだが、それがまさか隕石の衝突や環境破壊によるものではなく、未知の化物によって荒廃する羽目になるとは剣持も思ってはいなかった。とはいえ特段何かが大暴れしていたわけではなく、それこそ前述の通り隕石の衝突から始まり、その衝撃による地盤沈下と大津波、異常気象から引き起こされた環境破壊による地球荒廃が直接的な原因ではあったのだが。結局のところその諸々が一番最悪な形で噛み合ってしまったのは、聞く話によると桜魔皇国で言う「魔」と呼ばれる未知の化物のせいだった、らしい。ただその辺りのことを剣持本人は色々説明された割にはうまくピンとこなかったので、自分の意識範囲外で何かしらされて、この世界は滅びに向かっているのだなということだけは判断出来ている。
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    gnsnmta

    DONEレイチュリワンウィーク
    お題:「筆跡」
    収集癖のあるアベンチュリンがちまちまと処方箋になりうるものを集める話。
    ピクシブにも同じものを投稿しています。
    https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=23389333
    よすがとなりうるささやかな紙屑 いくらインターネットの普及によりクラウド化やデータでのやりとりが増えたとはいえ、スターピースカンパニーであっても紙を用いた資料のやり取りは未だ健在だ。特に社外の相手とのやり取りを比較的多く行う部署である戦略投資部では、定期的にシュレッダーや溶解処理が行われていた。
     期日の迫ったプロジェクトも、月末に提出しなければならない請求書や人材奨励部に送る予定の申請書も今は抱えていない。今日は絶好の事務作業日和であった。

    「あっこれ、」
     プレゼン資料と思われるグラフ付きのモノクロの資料に貼られた付箋紙が目に留まる。
    カラフルな付箋紙には流麗な字が書かれていた。

    『作為的な図表、留意するように』

     内容をざっと読み込むとピノコニーに向かう前に行った案件のようだった。相手は特に問題のなさそうな気の良いその星所属の官僚で、このまま合意をしようとした際に念のため向こうの用意した資料を技術開発部に精査してもらおうとレイシオに渡したものだった。
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