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    山中

    流浪 @阿七おいしい

    DONE遙か7 阿七 √ED後、旅途中やむなく山中で野宿することになった話。

    最初に出たCD「運命の絆」手に入れて、そういえば七緒ちゃんが火怖い話書いたことないなぁって思い立って勢いで書いてみた。
    料理IH派なら戦国結婚後は大変だろうな…。

    CD色々新しい発見もできたし、阿国さん版風雲の時空も歌い方一人だけクソ可愛くて和んだし、一旦満足です(*´ω`*)ホクホク

    2021.10.5
    山の一夜 ──しくじった…。
     日没も近く、木々を通して辺り一面長い影と夕焼けの橙に染まる山中、足許に落ちる乾いた枯れ枝を選んで拾い集めながら、阿国は嘆息した。
     ──これまでさんざ気を付けていたのに、仕方ないとはいえあれさえなけりゃ…。
     忌々しく枝葉の隙間から覗く、夏より短くなった秋の夕空を睨む。どこからか山に帰ってくる鴉の鳴き声が聞こえる。それで改めてまざまざと日没を知らされて、諦念半分、しかしいつまでも消えない口惜しさに鬱々としてしまう。
    「…まぁとにかく、早く戻らないとね。いつまでも一人待たせておくのは危険だ」
     空から視線を切って溜息をこぼすと、それで一旦後悔は横に置いて、一抱えほどの十分な量になった枯れ枝を小脇に抱え直すと、阿国は来た道にならない道を目的の場所に向けてまた引き返した。
    4418

    視力検査のC

    PAST散策(修正版)

    DIOショタジョナで山中を散策して神隠しに遭う話。パロです
    散策(修正版)

    DIOショタジョナで山中を散策して神隠しに遭う話。パロです

     その日はよく晴れて湖は碧く凪ぎ、雨上がりの湿気が何とも言えず心地よかった。風が枯葉を撒いて頬を掠めるのに少々倦みつつも、砂利混じりの腐葉土を踏みしめ、僕は知り合いの男に手を引かれながら木々の合間を回(めぐ)っていた。山中の白樺林を通り抜け、頭上の鳥の囀りに暫し耳を傾けていたが、ふと、羽虫が目の前を横切ったのに驚いて意識を自身へと引き戻した。

     そういや、男はどこへ向かっているのだろうか。集落からは随分離れてしまったように思うが……
     とても一人では帰れそうにない道程を思うと些か不安めいたものを感じずにはいられない。夕暮れまでには帰ってこい、との弟の言いつけを自分は果たして守れるだろうか。

     白んだ秋空の下、紅葉林へと差し掛かる。木漏れ日が山道に点描をつくっていた。陽射しはまだ暖かく柔らかい。しかし、歩を進めていくうちに、影が濃くなり始めたのが分かった。何とも言えない不安に男の手を強く握れば、優しく握り返される。しかし立ち止まってはくれないらしい。
     男の様子を伺おうと頸を上へと傾けると、光を帯びた紅葉 2879