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    新田

    nktu_pdu

    DOODLE大学三年くらい、先輩×新田(新泉前提)。
    甘えてくるかわいい新田を書きたかった。
    ※名前だけ、ライカさんのところの小泉光をお借りしてます
     その映画は俺にとってひどくつまらないものだった。好きな女優が主演だからという理由で借りてきた映画であったが、安っぽい恋愛観が当たり障りのないストーリーに乗せられて語られるだけの内容で、なんというか、知人の惚気話をファミレスで永遠と聞かせられている気分になった。俺は開始三十分も経たずにその映画に飽きていた。現在お付き合い中の「彼女」と観ていれば映画の中の恋愛と比較して自分たちの愛を語ることもできるだろうが、隣で一緒に映画を見ているのは、同じ山岳部の後輩だった。
     彼はすでに飽きている俺よりは熱心に映画を鑑賞していたが、その真剣さは義務的な空気を含んでおり、恋愛映画の鑑賞時に相応しいものでなかった。彼もこの映画のつまらなさをわかっていて、それでもなお、作品として語れる部分を探そうと躍起になっているのだろう。「先輩が選んだ映画なのだからちゃんと見ないと」という生真面目すぎるその姿勢に、俺は逆に加虐心をくすぐられて、彼へと手を伸ばした。テレビからの明るい光で照らされる横顔に触れ、鍵状に曲げた人差し指の背で撫でる。彼はさすがにテレビ画面から目をそらして、戸惑いの生じた瞳でこちらを見上げた。俺はにこりと笑って、ペットを愛玩するように彼の頬を数度撫でた。すると彼は俺の指に応えて、指の背だけでなく手の甲にも触れるよう、擦り寄ってきた。彼は普段、積極的に他人とコミュニケーションを取る人間ではなかったが、俺が触れるとそれなりに反応してくれた。
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    nktu_pdu

    DOODLE小泉光(ライカさんPC)と新田明朗(自PC)の落書きSSです。
    先輩が死んで葬式が終わったあと、つまりアラサーんの二人の話。(霊山も名前だけ出る)
    シナリオのネタバレは特にありません。
    小泉くんと新田の落書き。もしかしてわたしたちははじめからずっとこうだった?





     葬式に出席するため袖を通した喪服をクリーニング屋から引き取ってきた帰り――共通の友人である霊山から、スマートフォンに連絡があった。
    『新田と連絡がとれない』
    『落ち込んでるのは間違いないから様子を見てきてくれないか』
    『俺よりもお前の方が、あいつと仲がいいだろう?』
     そんなメッセージの並ぶ画面を、俺は玄関で、透明のビニールに包まれた喪服を片腕に抱えたまま無表情で眺めていた。すぐに返事を送れなかったのは、突然の連絡に戸惑ったからではなかった。
     最後のメッセージ――『お前の方があいつと仲がいいだろう』という問いかけに、何と答えるべきか、わからなかったからだ。新田明朗は確かに大学時代からの『知り合い』であり、知り合った当初は仲の良い友達、と呼べる間柄だったのだろうが、今はもう違う。彼は俺を置いて先へ行ってしまった。不器用な生き様に似つかわしくない才能でもって、俺を置いてどんどんと文字通り高いところへ――行ってしまった。
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    nktu_pdu

    SPOILERあいがみるゆめ(新田明朗版)のネタバレあり。
    新田が20代前半くらいのときの、細やかな幸福の景色。いつも通り間が悪い新田明朗。
    日常掌編!新田明朗と新田明音ちゃん(ライカさんPC)の会話落書き。

     ただいま、という声がして、明音は元気に玄関の方を振り返ると、軽やかな足取りで駆け出していった。伸ばした髪が走る明音の動きにあわせてしゃらしゃらとなびく。
     今日、明音の双子の兄・明朗が、久々に家に帰ってくるのだ。彼は山を愛する彼は、山小屋バイトや登山で数週間家に帰ってこないことがしばしばあり、今回もアメリカにあるデナリ山頂を目指す登山隊に参加しており、一ヶ月ほど家を空けていたのだ。
    「メイ、おかえり!」
     明音が玄関にたどり着くと、明朗がその背中を覆う大きさの登山リュックを下ろすところだった。出発時に持っていったスーツケースは、荷物として送ったから明日届く、と言っていたのだったか。雲より高い場所を歩いてきたせいか、夏もそろそろ終わるというのに彼の顔は家を出るときより少し日に焼けていた。しかし一ヶ月ぶりに見る彼の姿は、それ以外に変わったところはなかった。怪我の連絡は受けてなかったとはいえ、実際に無事な姿の明朗に心の底から安心する。その気持ちを明音が、ニカッと明かりがつくような笑顔に変換すると表情の乏しかった明朗の顔に僅かな変化が生じた。
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    ちこり

    TRAININGお題「1日手が離れなくなった日六」の小話

    新田視点→紫視点→日々人視点と変わります
    一日手が離れなくなった六太と日々人


    休日の買い物に出た新田の前を歩く見慣れたもじゃもじゃ頭。
    そして、隣を歩く同じくらいの背の高さのキャップを被った男は多分彼の弟だろう。相変わらず仲のいい兄弟だなと新田は思う。
    日本にいる弟との関係も多少は改善しているがああはいかない。
    日々人の手にはリードが握られており、足元には愛犬姿がチラチラ見える。二人で愛犬の散歩中なのだろう。
    いつか弟がアメリカに来たら、一緒に歩けるくらいにはなりたい。
    いや、でも猫には散歩は必要ないか、などと余計なことを考えている間に少し距離が離れてしまった。せめて挨拶くらいはと前を追いかけようとしたその時、南波兄弟の手に気が付く。
    六太の右手と日々人の左手が掌を合わせて握られている。
    あれは…所謂手を繋いでるというものではないだろうか。
    さすが南波兄弟。まだまだあの域に達するのは難しい。
    新田は畏敬の念を持って二人を見送った。

    ***

    たまたま休日に出歩いていたら、お気に入りの人物を見かけた。
    紫はもじゃもじゃ頭の後輩にご執心である。
    とは、言っても恋愛感情でとかではない。
    あくまでも悪戯の相手という意味でだ。
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