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    tetsu

    ロバ耳

    MOURNING死んだ譲介があの世でKAZUYAに会う話

    !譲介がTETSUより先に死んでます。
    !KAZUYAさんがめちゃくちゃ出てきますが喋りません。
    この2点を筆頭に全体的に注意です。何でも許せる人向け。
    こんなん書いちゃっていいのか……?と何度も迷ったのですが、マァ私が読みたいんだからしょうがねーなと思い書くことにしました。
    さよなら大怪獣 やってしまった!

     譲介は頭を抱えていた。やってしまった、とんだ大失敗だ。もっと慎重であるべきだったのに。
     アメリカは銃社会だということは言われるまでもなく知っていた。格差があり治安の悪い地域もあり、アジア人への差別も決して少なくないと覚悟していた。財団の方からも度々注意するよういい含められていたのだ。学校や病院にほど近い住居を与えられ、どのエリアに立ち入らない方がいいかもしっかり説明を受けていた。譲介はKから託された大切な客人として、そして一人の学生として、たくさんの人から守られていた。だから自分でも、己の身をもっとしっかり守らなければならなかった。
     けれど。
     我慢できなかったのだ。いつものスーパーマーケットから帰る途中、真昼の往来で突如鳴り響いた発砲音。比較的治安のいい地域のはずだった。数年暮らして来て今までこんなこと一度もなかった。一瞬で頭が真っ白になって、それでもなんとか姿勢を低くして身を守ろうとした時、崩れるように倒れた女性の側で呆然と立ち尽くす少女の姿が目に入ったのだ。それでもうダメだった。助けることしか考えられなくなってしまった。無我夢中で飛び出して、被さるようにして少女を床に屈ませ、倒れている女性の脈を測ろうとした。
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    ロバ耳

    DOODLE脳直出力したら当然のような流れでTETSUが元裸族になってしまいました(パジャマを着ている姿が想像できなくて……)
    抱き合って眠って欲しい欲に正直になった結果また譲介くんの情緒がぐにゃってますが、概ね幸せそうなのでいいかなと思っています。冷静に説得するより泣いて駄々こねた方がTETSUには効きそうだしね。
    時限爆弾との生活 あの人と再び同じ部屋に暮らし始める上で、お互いのプライベートスペースに鍵をつけることはしなかった。
     かつて二人で暮らしたマンションでもそうだったからだ。あの人の部屋にも僕の部屋にも鍵はなく、彼はよく勉強中の僕を部屋の入り口から眺めていた。覗き見というには些か堂々と。おそらく僕が部屋でまずいこと(社会的もしくは物理的な意味で)をしていないか都度監視するためにあえてそういう部屋を選んでいたのだろう。
     今度は全く逆で、彼が部屋の中でまずいこと(生命の危機的な意味で)になっていないか逐一確認するために僕がそういう部屋を選んだ。本来ならば告知されていたであろう余命を十年近くぶっちぎって生きている重病人と一つ屋根の下、返事がないとわかれば5秒で駆けつけられるようにしておきたいのは至極当然の運びだと思う。
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    ザリガニ見習

    DOODLE【譲テツ】同居時代にソファに並んでピザ食ってる譲介とTETSUの小話。体裁を整えた作文ではないので読みづらいです。20230401
    『TETSUとピザ』 誰からの便りも送られてこない二人のおうちのポストを、普段の“仕事”として覗いた譲介がピザの広告を発見。ちょうど家主不在時でもあったのでカレー味のピザを頼む。生地の耳にソーセージも入れちゃう。やがてインターホンが夕飯の到着を告げる。オートロックを解除して玄関で待機していると、外から聞き慣れた杖の音が耳に届いた。和久井さんですか?と初めて聞く声が尋ね、聞き慣れた声がそうだと応じる。配達と帰宅が重なったのだ。開けるに開けられなくなったドアが向こう側から叩かれる。この場にいなかったふりは通じないだろう。いま開けますと大きく返事をして鍵と鎖を外せば、玄関扉は恭しく主人の帰還を迎えいれた。
     片手に杖、片手に八角形の平たい箱を抱えたTETSUの前に、靴を脱ぐに使う腰掛けを用意する。椅子を放した両手は、ほらよと渡された箱で満たされた。ほかほかだった。すんなり引き渡されたことに驚き、却って言葉に詰まる。座って屈んだ背中に、お金を、と声をしぼり出す。もう片方の靴に取りかかり、振り向かぬ背中が坦々と、てめぇの食費はもともとオレ持ちだ。杖を支えに膝が立つ。仕事を果たした椅子を廊下の隅へ。それからTETSUは洗面所に。譲介はドアを開け放ったままリビングのテーブルにピザを置き、蓋を開け、ほのかに立ち昇る熱を嗅いで、ようやくピザが一枚しかない事実に気がついた。それもMサイズである。生地のふちに包み込まれたソーセージがカロリーを補うと言えど、はたして自分より体格のいい大人が半分で間に合うだろうか?
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