tetsu
フカフカ
MENU2024/03/17 命のK譜おしながき(文章系)①ドクターTETSU&和久井譲介『全く傷ひとつない』(A5/全体34頁/300円)
スペース:東7 I05a カステラハウス
おしながき(文章系)①・ドクターTETSUと和久井くんがときどき会っては会話をして、解散するのを繰り返す短編集(WEB再録+加筆)
・T先生がそれなりに元気
・和久井君が医者として日本国内にいる
・カップリング要素なし
白い石で出来ている 真田が午前中のうちから空港などに足を向けたのは、そうした避けがたい、しかし気乗りのしない用事のためであって、何もロビーに屯する人々の中から、懐かしき若者の顔を見つけるためではなかった。それでも、見つけてしまったのだから、しようもなかった。
全く傷ひとつない 向かいに座った人影が勿体ぶって手元の本を閉じ、殊更に時間をかけて真田を見上げた。
「どうも」
若い唇が皮肉げに、それでいて待ちわびたように動いた。見ようによってはまだ学生とも言い張れるような格好の青年が、窓辺からの陽の光を浴びて、真田を迎え入れた。
1197・T先生がそれなりに元気
・和久井君が医者として日本国内にいる
・カップリング要素なし
白い石で出来ている 真田が午前中のうちから空港などに足を向けたのは、そうした避けがたい、しかし気乗りのしない用事のためであって、何もロビーに屯する人々の中から、懐かしき若者の顔を見つけるためではなかった。それでも、見つけてしまったのだから、しようもなかった。
全く傷ひとつない 向かいに座った人影が勿体ぶって手元の本を閉じ、殊更に時間をかけて真田を見上げた。
「どうも」
若い唇が皮肉げに、それでいて待ちわびたように動いた。見ようによってはまだ学生とも言い張れるような格好の青年が、窓辺からの陽の光を浴びて、真田を迎え入れた。
BMB_hatomaru
TRAININGクエイドに行った譲介×TETSUのゆるいBLです。バレンタインの話。譲介がTETSU大好きで、チョコを上げる側ですが攻です。
譲介くんの素敵なバレンタイン道路脇のベンチに背中を預けて、和久井譲介は息を吐いた。
視線を上げると、爽やかな水色の空を形どるように地面から生える数多の背の高いビル陣。夜勤明けの目に沁みる鮮やかな景色である。
道ゆく人々から聞こえる話声は異国の言語で、大通りを走る車やバイクも母国とは違う勢いがある。
アメリカに住んで半年ほど、驚くことも大分減ったが、少し気を抜くと『ここはロサンゼルス。初めて住む異国の街』という、渡米したての頃の感覚が五感を介して蘇る。
「ンッ」
固く縮こまった肩をほぐすべく、譲介は長い手足を空へ向け、身体を伸ばした。
昨晩から今朝にかけて、長時間の手術があった。緊急性も難易度も高い症例で、気を張る仕事だった。手術自体は明け方には終わったが、術後管理等々している間に昼近い時間になり、退勤時間になった。
3679視線を上げると、爽やかな水色の空を形どるように地面から生える数多の背の高いビル陣。夜勤明けの目に沁みる鮮やかな景色である。
道ゆく人々から聞こえる話声は異国の言語で、大通りを走る車やバイクも母国とは違う勢いがある。
アメリカに住んで半年ほど、驚くことも大分減ったが、少し気を抜くと『ここはロサンゼルス。初めて住む異国の街』という、渡米したての頃の感覚が五感を介して蘇る。
「ンッ」
固く縮こまった肩をほぐすべく、譲介は長い手足を空へ向け、身体を伸ばした。
昨晩から今朝にかけて、長時間の手術があった。緊急性も難易度も高い症例で、気を張る仕事だった。手術自体は明け方には終わったが、術後管理等々している間に昼近い時間になり、退勤時間になった。
kidd_bbb_g
DOODLEドクターTETSUにバニーさんの格好をさせるハッシュタグの正確な表記がわからないのであったドクターTETSUバニーなんだっけ部 いつもの白いコート姿に違和感を覚え、僕はドクターTETSUを見た。ここ数日続いている寒さからか、コートの前を閉じている。年中ノースリーブで平気な人が、コートの前を? 玄関で彼を出迎えた僕は、体調でも崩したかと身構える。
だからドクターTETSUが変なカチューシャを頭につけていることなんて認識から外すべき些細なことだったのだ。
ドクターTETSUはコートを脱ごうとした。僕はその背後に立って、ドクターTETSUの肩からすべり落ちるコートを受け取った。
ドクターTETSUの整った背中の筋肉がむきだしになった。
「なんで裸なんですか!」
「変質者みてえに言うんじゃねえ」
くるりと振り向いたその姿を見た僕はコートを取り落とした。
2243だからドクターTETSUが変なカチューシャを頭につけていることなんて認識から外すべき些細なことだったのだ。
ドクターTETSUはコートを脱ごうとした。僕はその背後に立って、ドクターTETSUの肩からすべり落ちるコートを受け取った。
ドクターTETSUの整った背中の筋肉がむきだしになった。
「なんで裸なんですか!」
「変質者みてえに言うんじゃねえ」
くるりと振り向いたその姿を見た僕はコートを取り落とした。
miao_drew
INFOカセットテープカズ徹本歌詞カード(後書き&解説のようなもの)たいしたこと書いてないのでPWいらんやろとも思うんですが読んでない人にとってはマジ意味不明なのと語りすぎてて普通に…恥ずかしいので…
PW: P23のTETSU先生のひとつめの吹き出しのセリフ
(ローマ字8文字すべて小文字) 6
フカフカ
DONEK2/ドクターTETSUと和久井くんの話/ちょこちょこ一人前和久井くんと会っておしゃべりしてるらしいT先生/高層ビルの展望室は景色がいいね/養い子の望みがなんなのか分かんないなと思っている闇医者がいるヴェイパーウェイヴ エレベーターの小部屋はすばやく天上を目指す。扉を閉じ切り、和久井をひっそりと世界すべてから隠し、隔てて、ごうごうと音を立てて階を上がっていく。室内に和久井の他に人はなく、ひとつ階をすぎるごとに、階数表示ボタンが橙に光る。壁にもたれて、ガラス張りの窓から外を眺めやる。真珠色の空、雲の八重垣、塵屑の如くに他愛なく小さな街並み、人々、ほんの数センチばかりをのろのろと這う自動車の群れ、それぞれがずんずんと和久井から離れていく。すべてが和久井から剥がれていく。
地上四十階を過ぎてはもはや、何も見えない。過去に暮らした塔のような住まいよりもずっと高いところへ来た。
急な高所への移動のせいで一時的な聴力の鈍麻を覚える。ふ、と目の前が翳る。次いであえかなベル音が響いて、扉が左右に裂けた。和久井は壁から背を浮かせ、意識して幾度か唾を飲みながら小部屋を後にする。踏み出した右足がやけに柔らかな絨毯に沈む。エレベーターホールはどこか無機質な匂いに包まれている。背後で、和久井を吐き出したばかりの小部屋がしるしると地上目指して降りていく気配がある。
3399地上四十階を過ぎてはもはや、何も見えない。過去に暮らした塔のような住まいよりもずっと高いところへ来た。
急な高所への移動のせいで一時的な聴力の鈍麻を覚える。ふ、と目の前が翳る。次いであえかなベル音が響いて、扉が左右に裂けた。和久井は壁から背を浮かせ、意識して幾度か唾を飲みながら小部屋を後にする。踏み出した右足がやけに柔らかな絨毯に沈む。エレベーターホールはどこか無機質な匂いに包まれている。背後で、和久井を吐き出したばかりの小部屋がしるしると地上目指して降りていく気配がある。
evigth555
MAIKINGhttps://poipiku.com/6445754/8705528.html412話から10年くらい経ったTETSUと譲介の漫画軸のやりとりです。
いきなりはじまっていきなり終わる
TETSUは元気.
fmt
PROGRESS方向性が固まってきたので切りのいいところまで上げる。二人が再会するまでの話が描きたいなって思ってます。
11/3 TETSUというか真田兄弟パート追加。
一等星へ続く轍・進捗兼サンプル/1995・運命の子・譲介
一九九五年。阪神淡路大震災、それから間もなく地下鉄で毒物を用いた無差別テロで多くの人が亡くなるなど、波乱に満ちた年であり、人類初の完璧なクローンが生まれたのもまたこの年であった。
その完璧な「ドクターK」こと西城KAZUYAのクローンである黒須一也、彼と同じ高校の同級生だった宮坂詩織。受験を控えた高三のタイミングで彼らの高校に編入してきた和久井譲介。進学してもなお同じ時間を重ねて道を共にし、研修医として邁進する一也と詩織、異国の地で医学を学び、研鑽を積み上げ憧れの人を追う譲介。道はそれぞれ違えども、今でも長く続く高校生同士の友情を体現している、といっても過言ではない。
2835一九九五年。阪神淡路大震災、それから間もなく地下鉄で毒物を用いた無差別テロで多くの人が亡くなるなど、波乱に満ちた年であり、人類初の完璧なクローンが生まれたのもまたこの年であった。
その完璧な「ドクターK」こと西城KAZUYAのクローンである黒須一也、彼と同じ高校の同級生だった宮坂詩織。受験を控えた高三のタイミングで彼らの高校に編入してきた和久井譲介。進学してもなお同じ時間を重ねて道を共にし、研修医として邁進する一也と詩織、異国の地で医学を学び、研鑽を積み上げ憧れの人を追う譲介。道はそれぞれ違えども、今でも長く続く高校生同士の友情を体現している、といっても過言ではない。
ぼちぼち
PASTついたもといえくすであげてたK2のTETSUとあさひ学園の先生が付き合ってるやつです。描いた時期が6月だったのでフォトウェディング感。
衣装はセンス無いのでベルエクラという写真館サイトとあと検索してでたドレスを真似しました。
ぼちぼち
PASTついたもといえくすであげてたK2のTETSUと譲介が付き合ってるやつです。特殊な設定しかないです。
1・2枚目 TETSUが猫になってかまってほしくなっちゃたやつ
3・4枚目 色々あってふたりとも還暦ぐらいのTETSUと譲介と通常譲介
衣装はセンス無かったのでベルエクラという写真館サイトからパーツバラバラに真似しました。 4
kidd_bbb_g
PAST同居しはじめたばかりの頃の譲介とTETSUの会話。 pixivに置いてたやつ。カレーにおける福神漬けの その人は医者だと言った。およそそうは見えない、もっと胡乱な空気を纏っていたが。だから一緒に暮らすことになった最初の日、この人が改めて自己紹介をしたときに、僕はこう尋ねた。
「それ、本名なんですか」
「偽名使ってもしょうがねえだろ」
そうして僕は真田徹郎――ドクターTETSUと呼ばれる闇医者の弟子になった。高校に通う傍らで、違法行為の徒弟として医学を学ぶのだ。
ようやく患者が帰ったあとの深夜の食卓。僕はカレーの皿を、ドクターTETSUはコーヒーを注いだマグカップを持って席に着いた。
今日の夕食はドライカレーだ。挽肉と野菜を香辛料で炒め、米の上に載せている。
カレーを食べながら、僕は今日の患者について尋ねた。
1647「それ、本名なんですか」
「偽名使ってもしょうがねえだろ」
そうして僕は真田徹郎――ドクターTETSUと呼ばれる闇医者の弟子になった。高校に通う傍らで、違法行為の徒弟として医学を学ぶのだ。
ようやく患者が帰ったあとの深夜の食卓。僕はカレーの皿を、ドクターTETSUはコーヒーを注いだマグカップを持って席に着いた。
今日の夕食はドライカレーだ。挽肉と野菜を香辛料で炒め、米の上に載せている。
カレーを食べながら、僕は今日の患者について尋ねた。
kidd_bbb_g
TRAINING譲テツ。ダッシュボードに手紙を残してから何年も後、譲介がTETSU先生を迎えに行く話。※追記:加筆修正した同人誌をとらのあなさんにて通販しています
https://ec.toranoana.jp/joshi_r/ec/item/040031113228/
パパゲーノのゆくえ※パパゲーノ:オペラ「魔笛」の登場人物。恋人と引き離されて絶望し、自殺を試みるが思いとどまる。
「今日じゅうにT村まで帰るのは無理だろ。宿を取ってあるなら、そこまで送るぜ」
「それが、まだ。日本に着いてから探せばいいかと思って」
譲介は助手席の窓から、夜の東京の街を眺めていた。話しながら運転席へ向き直る。
「あのう、たとえばあなたの――」
「オレんとこは駄目だ」
TETSUが間髪入れずに拒否すると、譲介は声のトーンを落とした。
「まさか、廃病院とかに住んでるんじゃないでしょうね」
「……」
信号で車が停まる。ハンドルを握るTETSUは沈黙し、横目で譲介を見た。譲介は眉間に皺を寄せてTETSUを見つめている。
4693「今日じゅうにT村まで帰るのは無理だろ。宿を取ってあるなら、そこまで送るぜ」
「それが、まだ。日本に着いてから探せばいいかと思って」
譲介は助手席の窓から、夜の東京の街を眺めていた。話しながら運転席へ向き直る。
「あのう、たとえばあなたの――」
「オレんとこは駄目だ」
TETSUが間髪入れずに拒否すると、譲介は声のトーンを落とした。
「まさか、廃病院とかに住んでるんじゃないでしょうね」
「……」
信号で車が停まる。ハンドルを握るTETSUは沈黙し、横目で譲介を見た。譲介は眉間に皺を寄せてTETSUを見つめている。
フカフカ
DONEK2/ドクターTETSUと和久井くんの話/和久井くんがほぼ一人前になったくらいっぽい/二人がファミレスでおしゃべりしたり、おすすめのメニュー聞いたり、悪戯したり「こいつ大きくなったなあ」になったりする話/カップリング要素なし/このT先生は老けにくい種類のT先生/ふんわり全く傷ひとつない 天は明るく、地は冷たい空気に撫で清められている。
全く傷ひとつない、美しい昼下がりだった。真田はひとり、歩行音の隙間に杖音を混ぜながら幹線通り沿いをほとほとと歩いた。澱みなく、出来うる限りに姿勢良く、商店の陳列窓にだって居丈高に映るほどの歩みの強さで、道をそぞろ歩く他の連中を次々に追い越していった。履き込んだブーツの底に枯葉やら梢やらが硬くぶつかる。秋は気まぐれに移ろうが、木々はよほど素直に冬支度を始めている。
日向をしばらく行って、木漏れ日を浴びた。立ち止まると、足元にファミリーレストランの背高き看板の影が触れた。この地域にありふれて、人々の生活にうまく溶け込んだらしい、少しばかり草臥れた佇まいのレストランの扉を、真田はまた居丈高で、ひどく姿勢良い態度でえいと押しあけ、中へ滑り込んだ。
3478全く傷ひとつない、美しい昼下がりだった。真田はひとり、歩行音の隙間に杖音を混ぜながら幹線通り沿いをほとほとと歩いた。澱みなく、出来うる限りに姿勢良く、商店の陳列窓にだって居丈高に映るほどの歩みの強さで、道をそぞろ歩く他の連中を次々に追い越していった。履き込んだブーツの底に枯葉やら梢やらが硬くぶつかる。秋は気まぐれに移ろうが、木々はよほど素直に冬支度を始めている。
日向をしばらく行って、木漏れ日を浴びた。立ち止まると、足元にファミリーレストランの背高き看板の影が触れた。この地域にありふれて、人々の生活にうまく溶け込んだらしい、少しばかり草臥れた佇まいのレストランの扉を、真田はまた居丈高で、ひどく姿勢良い態度でえいと押しあけ、中へ滑り込んだ。
ザリガニ見習
DONE【譲テツ】USで医者やってる譲介が病気から回復したTETSUとの再同居を賭けてコイントスをやっては負け続けている話。フォロイーさんの設定が元になっています。20230920『ダイム・スイート・ダイム』 この店のドーナツも一通り食べきってしまった。
そもそも味が五つしかない。シュガー、シナモン、チョコスプレー、カラーチョコスプレー、青色の何か。最後のだって、最初に口にしたとき、TETSUは対面の、今はむすっと機嫌を斜めがけにした若いのと声を揃えてチョコだな、チョコですねと品評し合った。チョコ味であった。つまり厳密には味のバリエーションは三種類だ。けれど仕方がない。ここはダイナーであって、ドーナツショップではなく、しかもアップルパイが絶品なのだ。
二十二時を回って売れ残るドーナツの穴を眺めながら、TETSUがよしなしごとを考えるのは、会話相手の口がひん曲がっているからである。むくれている。コーヒーのお代わりを注ぎにきた亭主に、どう思う、と若者を顎でさしながら尋ねた。
2361そもそも味が五つしかない。シュガー、シナモン、チョコスプレー、カラーチョコスプレー、青色の何か。最後のだって、最初に口にしたとき、TETSUは対面の、今はむすっと機嫌を斜めがけにした若いのと声を揃えてチョコだな、チョコですねと品評し合った。チョコ味であった。つまり厳密には味のバリエーションは三種類だ。けれど仕方がない。ここはダイナーであって、ドーナツショップではなく、しかもアップルパイが絶品なのだ。
二十二時を回って売れ残るドーナツの穴を眺めながら、TETSUがよしなしごとを考えるのは、会話相手の口がひん曲がっているからである。むくれている。コーヒーのお代わりを注ぎにきた亭主に、どう思う、と若者を顎でさしながら尋ねた。