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    ルナサ

    yotou_ga

    TRAINING少年アルジュナくんとバイオノイドなカルナさんの出会い。導入だけ書いて満足した。続かない。永遠の白

     機械が生み出す重低音が幾重にも反響する中を、幼いアルジュナは父親に手を引かれ歩いていた。
     廊下は静かだ。緑色のリノリウムの上に足音を残すのは、アルジュナとその父だけである。だから余計に、ごうんごうんという、肺の底に響くような音が恐ろしく、知らずアルジュナは繋いだ手に力を込めた。父が笑う。
    「緊張しているのか? 大丈夫だ」
    「はい、父上。ですが、今日はどうして私をここに連れてきたのですか?」
     ここは父の会社が運営する研究機関のひとつだ。一般には公開されていない施設である上に、最奥部へは研究者と一部の経営層しか入ることが出来ない。アルジュナはちらりと後ろを振り返る。父のIDパスで通り抜けた厳重なドアが、まだ遠くに見えていた。本来なら、アルジュナのような子供が来る場所ではないのだ。
    「見せたいものがあるんだ」
    「見せたいもの……」
     父の言葉を口の中で反芻する。一体何だろう。子供が見て分かるようなものが、こんな研究所の、こんな奥深くにあるというのだろうか。不思議に思いながらも、アルジュナは父に従って歩く。父がそうすべきと言うのなら、そうすべきなのだろう。
     迫り来るような両 3910