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    yotou_ga

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    PROGRESS五月の新刊になる予定のもの。ひょんなことから現代の北欧に向かうことになったジュナカルとマスターとマルタ姐さん(裁)がわちゃわちゃする話。1.5部時空と思われる。Oollt

    1.

    「と、言うわけでだ立香ちゃん。君には北欧に行ってもらうことになった。それも特異点のじゃない、現代の北欧だ。じゃ、グッドラック!」
    「待って? まってダ・ヴィンチちゃん、ちゃんと順を追って説明して!」
     人理保証機関フィニス・カルデア。その管制室に藤丸立香の叫び声がこだました。
     何しろ管制室に呼び出され、一も二も無く告げられたのが冒頭の台詞である。というわけも何もない。人理修復からこちら、確かに微小特異点やら亜種特異点やらの修復に駆り出されてはいるが、流石に説明なしで北ヨーロッパに送り込まれる理由などさっぱり分からないのである。しかも特異点ではないと来た。
     狼狽える立香に、カルデア技術顧問、レオナルド・ダ・ヴィンチは悪戯げに微笑んでみせた。
    「勿論冗談さ。ちゃんと説明するよ」
    「よ、良かった……」
     ほっと胸を撫で下ろす立香。たまたま管制室にいたサーヴァントたちは呆れ顔でダ・ヴィンチを見るが、当の天才はまるでどこ吹く風である。
    「さっきも言ったけど、今回の任務は特異点修復ではない。実は魔術協会からの依頼でね」
    「協会から……?」
    「そうだ。まあつまるところ、どう 9968

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    TRAINING少年アルジュナくんとバイオノイドなカルナさんの出会い。導入だけ書いて満足した。続かない。永遠の白

     機械が生み出す重低音が幾重にも反響する中を、幼いアルジュナは父親に手を引かれ歩いていた。
     廊下は静かだ。緑色のリノリウムの上に足音を残すのは、アルジュナとその父だけである。だから余計に、ごうんごうんという、肺の底に響くような音が恐ろしく、知らずアルジュナは繋いだ手に力を込めた。父が笑う。
    「緊張しているのか? 大丈夫だ」
    「はい、父上。ですが、今日はどうして私をここに連れてきたのですか?」
     ここは父の会社が運営する研究機関のひとつだ。一般には公開されていない施設である上に、最奥部へは研究者と一部の経営層しか入ることが出来ない。アルジュナはちらりと後ろを振り返る。父のIDパスで通り抜けた厳重なドアが、まだ遠くに見えていた。本来なら、アルジュナのような子供が来る場所ではないのだ。
    「見せたいものがあるんだ」
    「見せたいもの……」
     父の言葉を口の中で反芻する。一体何だろう。子供が見て分かるようなものが、こんな研究所の、こんな奥深くにあるというのだろうか。不思議に思いながらも、アルジュナは父に従って歩く。父がそうすべきと言うのなら、そうすべきなのだろう。
     迫り来るような両 3910

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    MOURNING途中まで思いついたは良いけどオチまでたどり着けなかったファンタジーパロのメモ月しかない世界に遣わされた太陽のこどものはなし

     夜しかない世界。虫食い穴のような星が点々と煌めく夜空には、ぼんやりと丸い機械が浮かんでいる。人工照明である「月」は、かつてこの世から太陽が失われる際に造られたもので、代々の王族が管理している。地上の人々は、月が放つ幽かな光をレンズで集め、細々と作物を作っている。高地ほど月の恩恵を受けやすいので、地位の高い者ほど高い場所に住み、大型のレンズを屋敷に備えている。高所では電力も賄える。
     アルジュナは次の王の候補。月明かりのいちばん良く照る屋敷で生活している。下に住む民との格差を憂いていたり、そもこんな世が続いたところで何の意味があるのか、いずれは月の光も枯れるのに、とか世を儚んでいたりする。
     ある日、何処からともなくひとりの少年が下の町に現れる。今の今まで誰もその少年を見たことはなく、一体どこから来たのか、何者なのかも不明だったが、それ以上に彼が人々の関心を惹いたのは、彼が放つ光だった。
     正確には、カルナと名乗る少年、その人が光っているわけではなく、はたして如何なる原理なのか、彼が居る周囲は不思議な暖かな光が充ちるのだ。光源も見当たら 2778