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    感謝祭

    nagareboshi_ss

    REHABILIThanksgivingの🐑🔮立ち絵から ご飯食べさせたいなって 一応感謝祭について調べたけどよくわかんなかった( )ので雰囲気だけ なんでも許せる方向け
    「はい、どーぞ」
    テーブルの上にはずらりと並んだ料理たち。オムライス、パスタ、ドリアなど主菜になるものからサラダやグラタン、ポテトなどの副菜系なんかも他に数種類。極めつけはショートケーキやリンゴのパイ、俺の好きなチョコのケーキまで並んでいる。

    これらすべてを作ったのは一緒に住んでいる恋人の浮奇。珍しく午前中から起きたと思ったら朝食もそれなりにせっせと料理を作り始めた。何事かとキッチンに立つ浮奇を後ろから覗いてみれば「ランチには間に合うだろうからリビングで待っててね」となにやらいつも以上に集中していた。せっかくだし邪魔しちゃ悪いかと思い、大人しくリビングのソファでゆっくり本でも読もうと腰掛けたのが数時間前。あっという間に時間は過ぎていたらしく時計の針はてっぺんを越え短針が1を指しているところだった。手に持っていた本から視線を上げ、腰を上げようとしたところで食欲を刺激する匂いが漂っていたことに気がついた。だいぶ読書に集中してしまっていたらしい。ソファから立ち上がりキッチンを覗きに行こうとしたところでパタパタとスリッパの音が近づいてきた。
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    SSS

    DOODLEセージとソフィア
    カラフルな旗が風に揺れ、空には誰かが手放してしまった風船が舞う。嘲笑うような花火の破裂音。誰もそんなものは気にも留めない。だって今日は年に一度の感謝祭!(タイトル)
    だって今日は年に一度の感謝祭!深い考え事の最中は周囲に目を向けられなくなる。僕の悪い癖だ。だがしかし、本日は非常に幸運。一通り思考が落ち着いた時、僕が存在していたのは、華やかな祭事の真っ只中であった。

    色とりどりの衣装を身に纏った踊り子が、美しい笑顔を街に振りまき、露店には選りすぐりの菓子や果物、軽食が並ぶ。道の端には酒を飲み陽気に騒ぐ者、何やら難しい顔をして話しこむ者、屈託無くはしゃぐ乙女達。

    ふと、一番近くの露店を覗く。恰幅の良い主人が

    「見ない顔だね、旅の人かい?おいしいよ!食べてきな!ほれ、味見して味見して!」

    とまくし立てながら揚げたばかりの商品を眼前に突き出す。手袋を外し、いただきますと一言。一口サイズのそれをぱくりと口に入れる。歯ごたえのあるサクサクの衣に、ふわふわとした魚介類の具の絶妙なバランス。程よい塩気の甘みにじわりと唾液が口に溢れる。脳内の情報が、これがクロケージャという料理だと告げた。一部の地方に伝わる、伝統的な祭事用の食べ物。
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