Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    父親

    干し②

    DONEジュノヨルジュノSS
    除隊後、ジュノの家で一緒に食事しながら、ジュノの父親の通夜に参加した時のことを回想するホヨル。左右表現なし。暗いです。
    ウェブアンソロ参加のために用意しているSSの途中に書き入れていた場面ですが、雰囲気が違いすぎるので分けました。タップで全文表示されます。
    ニューゲーム 鍋の底にある伸び切った麺をよけながら、赤く染まったトックやネギをつまみにソジュを煽る。ハン・ホヨルがアン・ジュノの家で食事をご馳走になるのはこれが初めてではなかった。最初はサムギョプサル、次はカルグクス。ジュノの母親が痩せ身のホヨルを心配して、二人の除隊後は頻繁に食事に誘ってくれた。断った後の悲しそうな反応が耐え難く、ホヨルは都合がつく時には簡単な手土産を持ってジュノの家の食卓に混ざるようになっていた。

     ジュノの家の居間には黒い額縁がかけられている。額にはジュノの父親の写真が収められていて、不満げにこちらを睨んでいた。彼は一年ほど前、飲み屋から帰る途中で川に落ちて、翌朝まで見つからずに川底で息を引き取った。ホヨルは自分以外の弔問客が帰った後も、通夜振る舞いのユッケジャンを匙でつつきながら残っていた。隣に腰掛けてきた喪服のジュノは、ホヨルにだけ聞こえるような小さな声でぽつりぽつりと言葉を溢した。
    958

    泡沫実践

    DONEドフラミンゴさんの話。

    原作通り、当時子供であるドフラミンゴによる父親の殺害描写など暴力描写が含まれます。ご注意ください。
    祝え呪え王の生誕ごめんな、と言って眉を下げ微笑い、ドフラミンゴの父は残して行く家族に命を差し出した。最早他にできることはないと腹を据えたようにも、銃を突き付けてきた息子に対し取るべき行動を何も考え及ばなかっただけの愚鈍にも思える姿だった。差し出された命の貨幣をドフラミンゴは受け容れ、ロシナンテは拒絶した。撃ち込んだ鉛によって与えたのは赦しである。死体となった頭を切断する糸に震えは無かった。銀盆に載せられた首は強張りの隠せぬ、併し柔らかな微笑を湛えている。ドフラミンゴは銃をヴェルゴに手渡すと、伏せられた瞼の端に滲む水を己の熱い指で拭い、最期の言葉に謝罪を選んだくちびるから流れる血の筋や、頸から滴り、溢れ出した血液が、ひたひたと、満たすように銀の大地に広がっていく様を凝と見詰めている。ドンキホーテ・ホーミングは赦された。罪は死によって赦される。犯した罪は己の血によってのみ灌がれる。哀苦に眉を歪ませ、肩で息を切らせながら、ドフラミンゴは冷静だった。頭の半分は激情に浸っていたが、残りの半分は恐ろしいほどに冷めたく、それが眼になり父を見詰めていた。
    1162