Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    山瀬屋

    MAIKINGずっと考えている救いの書きかけ、錦桐なのかひまわり兄弟なのかなかなか自分にも分からないですが製造者は錦桐が好きな人なので滲んでいるかもです…
    正史の後に、救われてほしいという願いを込めているもの、あの錦の最期の表情をずっと考えてしまう
    無題轟音が、遠くで聞こえる。
    一体、何だ。
    ああ、それは、…水か?
    そうか、水が叩き付けられる激しい音がするのだ。


    ―覚醒。


    桐生が目を開くと、視線の先に大きな滝があった。
    苔生した堅牢な岩。流れる水は飛沫を上げて流れていく。どこから来て、どこへ行くのか。滝の向こうも、流れ落ちた川の先も、霧に巻かれているかのように白んで見えない。何とも不思議なものだ。桐生は横たわる身体を起こす。柔い草の感触。背の低いその碧達に混ざって、すうっと一本、伸びている緑。座り込んで視線だけ先を追うと、そのてっぺんに太陽のような大輪の花を一つ、戴いているのが見えた。花は桐生に背を向けて、つまりは滝の方を向いて咲いている。よく見知った向日葵は、この空間に異質だった。風も無いのにたなびく草の合間から、小さな花が咲いているのも見える。同じ花だ。淡い黄色や、水色のそれだって可憐で美しい。それなのにどうしても、その絢爛な橙に惹きつけられる。うねる草原に、何にもなびくことなく、一人そびえ立つその花に。
    3251

    yayosan_P

    PASTFE覚醒12周年おめでとうございます! 干支が一周した……。
    大昔に出していた、ジェロームとマークちゃんが兄妹設定の絶望の未来のお話です。
    DLCぜつみらのマークちゃんがドラゴンマスターでさ……私はさ……嬉しかったんですよね、へへ……ッ。
    10年以上前のお話ですが楽しんでもらえたら嬉しいです。
    【FE覚醒】いとしき望んだ世界の子 一人ぼっちにはなりたくない。
     それが、少女が口にした悲痛な叫びだ。
     ぱちり、ぱちり。
     数度、彼女はその大きな瞳の開閉を繰り返す。視界が一度黒に染まり、そして再び空を映せば、桃色の睫毛が揺れていった。
     横たえていた体を起こし、周囲を見渡す。
     広がる空は、青くはない。
     新緑の生い茂る大地もどこにもない。
     枯れ果て、痩せこけた、悲しい色をした世界。
     それを視界に収めながら、少女は何を思うでもなく。ただ茫然とその場に佇み続けるのだ。

     神竜ナーガの声を聞いた。
     それは、遠いようで、つい先ほど彼女が経験したばかりの出来事である。湧き上がる数多くの屍兵と戦い続け、命からがら生き長らえることを日常としていた世界にやっと見出す事のできた光明。それは、神竜ナーガに対してやっとの思いで捧げる事のできた、覚醒の儀のことである。
    25437

    リノリウム

    DONE※左右とくに定めてませんが製造元は🐺🦇の幻覚を見がち

    もし🐺の日常が🦇ごと全部ひっくり返ったら?
    イマジナリー兄弟回の🦇一歳弟妄想から着想を得ている
    BLかもだいぶあやしい🐺のサイケデリック話ですが、肉体関係あり前提なので_Bタグです。
    とある木曜日のイマジナリー そりゃあ俺だって一人よりは二人のほうがいいと思うさ。
     一人じゃ抱えきれない強烈な不安が目の前にあったとしても、誰かと折半して互いに勇気づけ合えるならどうにか堪えられる。それに同じ楽しみも誰かと共有できるなら、その喜びは何倍にも膨れ上がっていく。
     〝自分ではない誰か〟という存在は何にも代えがたいものだ。かつての狼のコミュニティでは言わずとも当然の共通認識であったし、東京というコンクリートジャングルに出てきてからもその恩恵に何度何度も救われていた。
     コーサカという男が俺にとってのその最たる存在なのは事実だ。何やかんやでずっといちばん近くでつるんでいる。彼を経由して俺自身も知人友人が増えていく。
     そんな毎日が楽しくて仕方ない。刺激に溢れている。飽きる気もしない。それでいて安心して背中を預けられる。感性が一致している。自分の生き様に誠実だ。言葉交わさずとも深く信じている。
    7763