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    kapiokunn2

    REHABILI二人は俺の推しCP。的な感情の至視点の同棲丞紬です。
    春も嵐も。 遊びに行くのは二回目だった。一回目は、二人が引っ越してすぐ。あの時はまだ開けていない段ボールがいくつかあったけど、あの二人のことだから今はすっかり片付いているだろう。シンプルで無駄なものがなくて、でも所々にグリーンやちょっと独特のセンスな雑貨が置いてある、それぞれの譲れないところがよくわかる部屋。駅からの道は何となく覚えている。わからなくなっても地図アプリ使えばすぐわかるし、と俺は記憶を頼りにぶらぶらと歩いた。ぶら下げた保冷エコバッグの中には大量の差し入れ。ここに来る電車の中では、カレーのにおいが車内に充満してしまわないかとちょっと不安だった。
     確かコンビニがあったはず、と角を曲がった。記憶は間違っていなかったようで、すぐ先にコンビニがあって、そこからまた少し進んだところのマンションの前で俺は足を止めた。エントランスの脇に小さな花壇があり、カラフルな花たちがそこを彩っていた。片手に持っていたスマホで電話をかけた。着いたよ、と伝えてエレベーターで三階へ。三階くらい階段上れ、と誰かさんには言われそうだが俺はなかなかに重い差し入れを持っているのだ。許されたい。廊下の突き当たり、一番奥の部屋。思えばもうそれなりに付き合いの長い友達の家なので緊張するのもおかしな話なのだが、インターホンを押すのはちょっと勇気が必要だった。そういえば俺、友達の家に行くとかもほとんどなかったし、一応付き合ったことのある彼女の家なんて一度も行ったことない。きっとここに住んでる二人は、お互いの家もまるで自宅みたいに行き来していたんだろうな。よし押すか、と俺は人差指でインターホンのボタンをロックオンした。するとだ、押してないのにドアが勝手に開いた。俺もついに不思議な力に目覚めたのかと思いきや、ドアの向こうから現れたのは家主の紬だった。
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