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    120

    おひさま牧場

    CAN’T MAKEただの欲望
    変なことはしてません(キスだけ)(糖度120パーセント)
    岸辺露伴は笑わない
    それは薄い皮で包まれた、薄紅色をし、ふわりとした柔らかな感覚の人間にあるものだ。口を囲み、その人の人相を表すにも重要なものであるだろう。
    薄っぺらかったり、分厚かったり。前者なら少しクールに見え、後者ならセクシーに見える。ほら、意外にも大事なものだろう?

    唇に色を付ける人も少なくはない。むしろ成人女性達はまるで生活習慣かのように毎朝リップを唇に着色する。ぼくもそのうちの1人だろう。赤なら大人な女性、桃色なら可愛らしさを。黒や紫なら怪しさを。その人物のイメージをさらに増すものである。

    漫画で女性の表情を描いている際にふと思ったことだった。チラリ、と目線を紙から逸らすとぼくが学生の頃から愛用している緑色のリップグロスが目に入る。ブランドやら色味やら大してこだわりはないが、何年も変えずにこのものを使っている。何故なのかと言われてしまえば似合うから、その後の口は止まってしまうが確かに一風変わった色味だろう。同じようなメイクをしている女をぼくはあまり、否、殆ど見たことがない。不思議と言われてしまえばそれで終わりだ。
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    あらうみ

    DONE※ご注意です

    猗窩煉ワンドロ、お題は「注射」。
    おにたいじの猗窩煉に娘がいます。煉獄先生40歳、猗窩座くん34歳、娘ちゃん6歳(年長さん)。モブだらけです。「おにたいじの話」製本化のおまけ「120の質問」に少し書いていた、ふたりの未来エピソード。
    若く危険な座くんがお好きな方は読まないほうが良いかもですが、いつまでも仲良しな二人が見られます。
    桜の娘 冬はつとめてと言った清少納言はどこかおかしいのではないか。寒くて暗くて気が晴れないし、いいアイデアなど浮かぶべくもないと思うのだが。

     ぶつぶつと脳内で愚痴をいいながら、杏寿郎は早朝のキッチンで湯を沸かしている。しゅんしゅんと軽い音がしてガスをオフにする。

     この家に引っ越して五年目。いったい何回ここでコーヒーを淹れたことだろう。千回は超えたと思うのだが……という益体もない考えに逃げつつ、一枚の紙を片手に、慎重にドリップしていると。

     軽い鍵の音がして、一、二、三。いつもどおりきっちり三秒で、リビングにアッシュピンクの頭が現れた。黒のコンプレッションウェアの上下。真冬だというのに、白い頬が紅潮している。室温がふんわりと高くなった気がして杏寿郎はそっと微笑んだ。体温の低い男なのに、彼がいる場所はいつも暖かいように感じられる。
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