noa/ノア
DONE[FengQing✈] パイロットAU。春のフォンチン祭りのお題「日差し」(と「窓辺」)で書かせていただきました。まだ副操縦士のころの風信と慕情が日焼け止めを買いに行く話です。
自室の窓から差し込む陽の光。風信はぼんやりと窓の外に視線をやる。
いつもなら、休日ともなれば春の陽気に誘われるように特に用事がなくてもふらりと外に行くところだが、今年はそうはいかない。
目が上滑りするほど何度も読んだ資料に目を戻し、溜息をつく。
機長昇格訓練。
肩の線を一つ増やすそれが簡単なものだとは全く思っていなかったが、何か月もの期間、集中力と精神力を保つ大変さは半端ではない。
ここまで、座学やシュミレーター試験は順調にこなし、ついに終盤の実際のフライトでの訓練までたどりついた。だがすでに消耗してきた最後での、このステップはやはり楽ではない。
席が左側の機長席に変わるだけで、こうも勝手が違うものだとは。いつもは絶対にしないようなミスをしそうになりひやりとしたこともある。
3833いつもなら、休日ともなれば春の陽気に誘われるように特に用事がなくてもふらりと外に行くところだが、今年はそうはいかない。
目が上滑りするほど何度も読んだ資料に目を戻し、溜息をつく。
機長昇格訓練。
肩の線を一つ増やすそれが簡単なものだとは全く思っていなかったが、何か月もの期間、集中力と精神力を保つ大変さは半端ではない。
ここまで、座学やシュミレーター試験は順調にこなし、ついに終盤の実際のフライトでの訓練までたどりついた。だがすでに消耗してきた最後での、このステップはやはり楽ではない。
席が左側の機長席に変わるだけで、こうも勝手が違うものだとは。いつもは絶対にしないようなミスをしそうになりひやりとしたこともある。
noa/ノア
DONE[風信&南風✈️] パイロットAU。モブ機長の代わりに風信機長が助けに入る話のその後、一緒に食事する二人。ある曲がこの二人にぴったりな気がして書きたくなりました。
※あんなにくっついてたのに進展はしません……たぶん。
※ワンクッションしていますが特に深い意味はありません 5232
noa/ノア
DONE[FengQing] 春のフォンチン祭りの企画のお題「花」で書かせていただきました。※慕情をいじめる仙楽モブがいます
春の訪れを告げる黄色い花。
迎春花と呼ばれるその眩い黄色に、大抵の人は冬の終わりと春の予感を感じて胸を躍らせる。
だが、風信は違った。
八百年、毎年その木が花をつけるたびに蘇る苦い記憶と後悔──まるで、永遠に解けぬ呪いのように、その花は風信の胸に暗い影を落とした。
仙楽国の華やかなりし頃。
皇極観にもその木は植わっており、春を待つ人々の表情をほころばせていた。
花やら美やらには疎い風信も、黄色い花をいっぱいにつけるその木に、思わず足を止めた。手を伸ばし、手近な枝からそっと花を折り取る。そのまま歩きながらくるくると手の中の花を眺めた。
綺麗だな。素直にそんな感想が浮かぶ。黄色は嫌いじゃない。
だが一通り眺めたところで、ふと思った。
3537迎春花と呼ばれるその眩い黄色に、大抵の人は冬の終わりと春の予感を感じて胸を躍らせる。
だが、風信は違った。
八百年、毎年その木が花をつけるたびに蘇る苦い記憶と後悔──まるで、永遠に解けぬ呪いのように、その花は風信の胸に暗い影を落とした。
仙楽国の華やかなりし頃。
皇極観にもその木は植わっており、春を待つ人々の表情をほころばせていた。
花やら美やらには疎い風信も、黄色い花をいっぱいにつけるその木に、思わず足を止めた。手を伸ばし、手近な枝からそっと花を折り取る。そのまま歩きながらくるくると手の中の花を眺めた。
綺麗だな。素直にそんな感想が浮かぶ。黄色は嫌いじゃない。
だが一通り眺めたところで、ふと思った。
noa/ノア
DOODLE[風信&南風✈️] 空港の片隅で桜を見る二人。マリモさんの桜の下の二人が素敵だったので…🥰
少し霞んだ青空に、白に近い薄桃色の花が揺れる。
「綺麗ですね」
眩しそうに見上げるその横顔に、風信も目を細める。
フライト先の空港の隅に綺麗な桜の木が植わっている場所があるらしいので、折り返し便までの間に見に行きませんか? そう南風に聞かれて断るわけはなかった。
仲間に聞いた穴場だと言っていたが、確かに立派な枝ぶりに満開の花をつけた木々は見事なのに、人もおらず、静かに花が揺れている。
「写真だと色が上手くうつらないですね」
花をつけた枝の間に腕を伸ばし、スマホを掲げながら南風が残念そうに言う。花弁の後ろで、南風の袖口の黄色い三本線が見え隠れする。
「これだけ技術が進化しても、自然にはまだ叶わないよな」
1645「綺麗ですね」
眩しそうに見上げるその横顔に、風信も目を細める。
フライト先の空港の隅に綺麗な桜の木が植わっている場所があるらしいので、折り返し便までの間に見に行きませんか? そう南風に聞かれて断るわけはなかった。
仲間に聞いた穴場だと言っていたが、確かに立派な枝ぶりに満開の花をつけた木々は見事なのに、人もおらず、静かに花が揺れている。
「写真だと色が上手くうつらないですね」
花をつけた枝の間に腕を伸ばし、スマホを掲げながら南風が残念そうに言う。花弁の後ろで、南風の袖口の黄色い三本線が見え隠れする。
「これだけ技術が進化しても、自然にはまだ叶わないよな」
noa/ノア
DOODLE[風信&南風✈️] 空港でみたパイロットさんを風南のネタにさせていただきました。※大部分は捏造です
コックピットに入ってくる人の気配に、南風は振り向いた。
「長かったですね、機長。何か異常でもありましたか?」
出発前の機体の外部点検を終えて戻ってきた風信は、いや、と首を振った。その顔は、まだこれからフライトだというのに、すでに若干疲弊していた。
「外部は何も異常なかったんだが、戻ろうとしたら中に入る扉が開かなくてな」
左側の席に入りながら外を顎で指す。機長席の窓の外に見えている飛行機と搭乗口を繋ぐボーディングブリッジ。その飛行機側の部分に繋がるように、地上から上がるタラップが横づけされている。南風もそちらをちらりと見た。
「ここって、かわったロック方式でしたっけ?」
風信は首を振った。
「いや、別にそうじゃないんだが……なんか調子が悪かったのか押しても引いても全然開かなくて」
2856「長かったですね、機長。何か異常でもありましたか?」
出発前の機体の外部点検を終えて戻ってきた風信は、いや、と首を振った。その顔は、まだこれからフライトだというのに、すでに若干疲弊していた。
「外部は何も異常なかったんだが、戻ろうとしたら中に入る扉が開かなくてな」
左側の席に入りながら外を顎で指す。機長席の窓の外に見えている飛行機と搭乗口を繋ぐボーディングブリッジ。その飛行機側の部分に繋がるように、地上から上がるタラップが横づけされている。南風もそちらをちらりと見た。
「ここって、かわったロック方式でしたっけ?」
風信は首を振った。
「いや、別にそうじゃないんだが……なんか調子が悪かったのか押しても引いても全然開かなくて」
noa/ノア
DOODLE[風信&南風✈️] 前の話の次の日、帰りの便で南風に待っていたサプライズ。 飛行機の自分の座席に腰をおろした南風は、早々にアイマスクをしてシートに身を埋めた。
残念ながら今日の便のパイロットは風信機長ではない。機長は今日の午前のフライトで戻っている。
一日、街をぶらぶらして、風信機長のオススメの店で美味しいジェラートを堪能し、久々に気分転換が出来たが、明日はまた朝から操縦席だ。今のうちに出来るだけ体を休めたかった。
誰かが隣のシートに座る気配がした。昨日確認した時はまだ空席だったはずだ。平日のすいている機内、わざわざ隣に人がいる席に直前で滑り込んでくるなど、面倒な客に違いないと寝たふりを決め込む。
安全のビデオが始まったのが聞こえ、そしてゆっくり飛行機が動き出すのを感じる。
1705残念ながら今日の便のパイロットは風信機長ではない。機長は今日の午前のフライトで戻っている。
一日、街をぶらぶらして、風信機長のオススメの店で美味しいジェラートを堪能し、久々に気分転換が出来たが、明日はまた朝から操縦席だ。今のうちに出来るだけ体を休めたかった。
誰かが隣のシートに座る気配がした。昨日確認した時はまだ空席だったはずだ。平日のすいている機内、わざわざ隣に人がいる席に直前で滑り込んでくるなど、面倒な客に違いないと寝たふりを決め込む。
安全のビデオが始まったのが聞こえ、そしてゆっくり飛行機が動き出すのを感じる。
noa/ノア
DONE[風信&南風✈️] パイロットAU。風信機長の便に乗客として乗る南風。 雪原のような白。ぼんやりとした境界線の上に広がる薄青の空。
毎日のように見ているその光景だが、今日はコックピットの窓の外に広がるパノラマではなく、小さな窓に切り取られている。南風が今日座っているのは飛行機の操縦席ではなく、客席だ。
客として搭乗することは珍しくはない。移動であったりプライベートであったり。
だが今日は少し違う。
雲を抜けて少し揺れたが、今は止まっているのかと思うほど安定している。だがたとえ悲鳴が聞こえるほど揺れたとしたって、不安は微塵もないだろう。なぜなら──
アナウンスが聞こえ、南風は顔を上げる。
『……本日の機長は風信──』
南風の顔に笑みが広がる。
久々にちょっと旅行に行きたかった。だがこれといって行きたい所がない──そのとき、ふと思いついたのだ。
2353毎日のように見ているその光景だが、今日はコックピットの窓の外に広がるパノラマではなく、小さな窓に切り取られている。南風が今日座っているのは飛行機の操縦席ではなく、客席だ。
客として搭乗することは珍しくはない。移動であったりプライベートであったり。
だが今日は少し違う。
雲を抜けて少し揺れたが、今は止まっているのかと思うほど安定している。だがたとえ悲鳴が聞こえるほど揺れたとしたって、不安は微塵もないだろう。なぜなら──
アナウンスが聞こえ、南風は顔を上げる。
『……本日の機長は風信──』
南風の顔に笑みが広がる。
久々にちょっと旅行に行きたかった。だがこれといって行きたい所がない──そのとき、ふと思いついたのだ。
noa/ノア
DONE[風信&南風✈️] モブ機長とのフライト中にトラブルに見舞われる南風。そこに現れたのは──。※たぶん実際はこんなことにはならないですが風南するためになってもらいました。
※くっついてますがくっつきません。
鏡を見なくても、南風はいま自分が青い顔をしているのがわかった。
横目で見た視線の先では、もっと青い顔を引きつらせ冷や汗を流している姿がある。
食事のあとしばらくたってから機長が腹痛を訴えた。痛み止めも一向に効かないどころか酷くなっているようで、すでに左のシートで腹を抱えて体を折っている。操縦席に座っていなければ、床でもんどりうっていただろう。
すでに南風が操縦を代わっていたが、じりじりと着陸体勢に入る時間が近づいている。この様子では着陸も南風がやるしかないだろう。
着陸時にやることは多い。普通は二人がかりで分担してやっと安全に着陸できる。だが、補助は可能か尋ねると、案の定、機長は首を振った。
南風はゴクリと唾を飲み込んだ。
4081横目で見た視線の先では、もっと青い顔を引きつらせ冷や汗を流している姿がある。
食事のあとしばらくたってから機長が腹痛を訴えた。痛み止めも一向に効かないどころか酷くなっているようで、すでに左のシートで腹を抱えて体を折っている。操縦席に座っていなければ、床でもんどりうっていただろう。
すでに南風が操縦を代わっていたが、じりじりと着陸体勢に入る時間が近づいている。この様子では着陸も南風がやるしかないだろう。
着陸時にやることは多い。普通は二人がかりで分担してやっと安全に着陸できる。だが、補助は可能か尋ねると、案の定、機長は首を振った。
南風はゴクリと唾を飲み込んだ。
noa/ノア
DONE[風信&南風✈️] パイロットAU。今度はぱったりと出会わなくなって、しんなりしちゃう南風と、しょんぼりしちゃう風信機長。 神様はいったいなにがしたいんだろう。
風信機長のことが気になりだしてから、やけにその姿を見つけてしまい動揺していたら、今度はぱたりと、すれ違うことすらなくなった。フライトの予定も見事にずれている。とはいえ変わりやすいパイロットのスケジュール、ひょっこり出会うこともあるかもしれないと、空港のロビーを心持ちゆっくり歩いてみたり、社内の共有スペースを意味もなくウロウロしてみたりしてしまう。そして、そんないじましい自分に溜息が出てしまう。その姿を見ることすらないだけで、自分はこんなに気落ちしてしまうのかと。
南風の気持ちを映したかのように、このところ、どんよりとした天気が続いていた。
「今日も雨か……」
5171風信機長のことが気になりだしてから、やけにその姿を見つけてしまい動揺していたら、今度はぱたりと、すれ違うことすらなくなった。フライトの予定も見事にずれている。とはいえ変わりやすいパイロットのスケジュール、ひょっこり出会うこともあるかもしれないと、空港のロビーを心持ちゆっくり歩いてみたり、社内の共有スペースを意味もなくウロウロしてみたりしてしまう。そして、そんないじましい自分に溜息が出てしまう。その姿を見ることすらないだけで、自分はこんなに気落ちしてしまうのかと。
南風の気持ちを映したかのように、このところ、どんよりとした天気が続いていた。
「今日も雨か……」
noa/ノア
DONE[風信&南風✈] パイロットAU。様子がおかしすぎる南風の、風信さんSideバージョン。こっちもだいぶ拗らせてます。
自分でもおかしいという自覚はある。
「キャプテン?」
隣の副操縦士の視線に我に返る。
「あ……失礼。そうだな、その場合は少し高めの高度をリクエストして——」
急いで頭をフライトに戻す。
その見慣れた姿が横を通っていく前に感じたのは、いうなれば一種の気配のようなものだった。
パイロットとして勘が鋭い自信はある。だが、運行中のそれとは違うものだった。
通っていった横顔は、その予感通り南風だった。南風は、斜め前のパソコンの前に立った。やってきたキャプテンと確認を始めるその後ろ姿を、見るともなく視界のすみに捉えてしまう。キャプテンが頷く。どうやら、いつも通り有能にこなしているらしい。教官でもないのに、どこか誇らしく感じてしまう自分に驚く。
3143「キャプテン?」
隣の副操縦士の視線に我に返る。
「あ……失礼。そうだな、その場合は少し高めの高度をリクエストして——」
急いで頭をフライトに戻す。
その見慣れた姿が横を通っていく前に感じたのは、いうなれば一種の気配のようなものだった。
パイロットとして勘が鋭い自信はある。だが、運行中のそれとは違うものだった。
通っていった横顔は、その予感通り南風だった。南風は、斜め前のパソコンの前に立った。やってきたキャプテンと確認を始めるその後ろ姿を、見るともなく視界のすみに捉えてしまう。キャプテンが頷く。どうやら、いつも通り有能にこなしているらしい。教官でもないのに、どこか誇らしく感じてしまう自分に驚く。
noa/ノア
DONE[風信&南風✈] パイロットAU。風信さんを意識しちゃって、だいぶ様子がおかしいなんぽん。
ウラとして風信さんバージョンもある予定。
自分でもおかしいという自覚はある。
たまに、不意に感じとってしまうのだ——風信機長の気配を。
その日もそうだった。フライト前、ブリーフィングに向かうために廊下を歩いていると、不意に感じた。数分前に風信機長が通った気配を。
部屋に入った途端に見つけた。テーブルの前に立ってコンピューターの画面を前に副操縦士とフライトの確認をしている後ろ姿を。あの長い脚とがっしりした肩と腕、少し明るい色の髪、南風にとっては見間違うことのない後ろ姿。
向こうもブリーフィングの真っ最中だ。声はかけず横を通り過ぎ、そして斜め前の席のコンピューターのスイッチを入れる。いつも通り、気象状況やルートの確認をする。時折後ろから漏れ聞こえる風信機長の声に気を取られないようにしながら。同乗するキャプテンが現れ、一緒に今日のフライトの確認が始まった。
2341たまに、不意に感じとってしまうのだ——風信機長の気配を。
その日もそうだった。フライト前、ブリーフィングに向かうために廊下を歩いていると、不意に感じた。数分前に風信機長が通った気配を。
部屋に入った途端に見つけた。テーブルの前に立ってコンピューターの画面を前に副操縦士とフライトの確認をしている後ろ姿を。あの長い脚とがっしりした肩と腕、少し明るい色の髪、南風にとっては見間違うことのない後ろ姿。
向こうもブリーフィングの真っ最中だ。声はかけず横を通り過ぎ、そして斜め前の席のコンピューターのスイッチを入れる。いつも通り、気象状況やルートの確認をする。時折後ろから漏れ聞こえる風信機長の声に気を取られないようにしながら。同乗するキャプテンが現れ、一緒に今日のフライトの確認が始まった。
noa/ノア
DONE[南風&扶揺✈] パイロットAU南扶ちゃんたち。珍しく雪が積もった日、ある出来事のせいで傷心の扶揺の家にやってきた南風。 朝、窓を開けた扶揺は小さく息をのんだ。
見慣れた窓の外の景色が、どこも真っ白く覆われている。雪が積もるかもしれないという天気予報は当たったらしい。この暖かい地では珍しい雪景色は、いつもなら淡泊な扶揺の心すら躍らせる。だが、今日はそんな景色すら、心の重しを軽くしてはくれなかった。
冷気に肩をすくめ、窓を閉める。もう一度ベッドに潜り込んだところで、枕の脇に置いたスマホにメッセージの通知が表示される。南風だ。
『雪、すごいな。欠航だし午後休みとっちゃった。お前は?』
欠航になったからって休むか? と白目をむく。扶揺は今日は元から休みだ。そう返すとすぐに返信が返ってくる。
『じゃ、午後にお前のとこ遊びにいく。なんか食べたいものとかあるか?』
4509見慣れた窓の外の景色が、どこも真っ白く覆われている。雪が積もるかもしれないという天気予報は当たったらしい。この暖かい地では珍しい雪景色は、いつもなら淡泊な扶揺の心すら躍らせる。だが、今日はそんな景色すら、心の重しを軽くしてはくれなかった。
冷気に肩をすくめ、窓を閉める。もう一度ベッドに潜り込んだところで、枕の脇に置いたスマホにメッセージの通知が表示される。南風だ。
『雪、すごいな。欠航だし午後休みとっちゃった。お前は?』
欠航になったからって休むか? と白目をむく。扶揺は今日は元から休みだ。そう返すとすぐに返信が返ってくる。
『じゃ、午後にお前のとこ遊びにいく。なんか食べたいものとかあるか?』
@rkgk_xw
DOODLEピンポイントなお題が出たので三郎🦊オマケ①
バナナのリアクション🍌がおもしろくてらくがきです笑
オマケ②
誰です?ナス🍆🍼置いて行ったのは?笑
笑わせて貰いました笑😂
リアクションありがとうございました🙌
続きです↓🔞
https://poipiku.com/9882810/11613641.html 7
noa/ノア
DOODLE[FengQing✈] 風信&慕情パイロットAU。バレンタイン風南のおまけ後日談。根回しのお返しを要求される風信機長。
夜、家に帰った風信は、コートを脱ぐのも早々に鞄のチャックに手を伸ばした。
いつもは、その日のレシートやら買った菓子やらすべて入れっぱなしのまま鞄を開けずに床に置いてそのままだが今日は違った。
鞄から箱を取り出し、ソファに腰かけて見つめる。口元が緩む。
ロンドンに彗星のごとく現れた若いショコラティエ。ベルギー仕込みの確かな技術とユニークで斬新なアイデアの融合——。ネットの記事の特集で読んでからずっと気になっていたそのチョコレートが今、自分の手の中にある。だが、そのショコラティエには悪いが、風信の心を今躍らせているのはその中身だけではない。
南風が自分に買ってきてくれたチョコレート。蓋を開けると甘い香りが誘うが、食べるのが勿体なくて蓋を戻す。しばらくその表面をぼんやりと指で撫でたあと、風信はチェストの上にそっと飾るようにその箱を置いた。
2193いつもは、その日のレシートやら買った菓子やらすべて入れっぱなしのまま鞄を開けずに床に置いてそのままだが今日は違った。
鞄から箱を取り出し、ソファに腰かけて見つめる。口元が緩む。
ロンドンに彗星のごとく現れた若いショコラティエ。ベルギー仕込みの確かな技術とユニークで斬新なアイデアの融合——。ネットの記事の特集で読んでからずっと気になっていたそのチョコレートが今、自分の手の中にある。だが、そのショコラティエには悪いが、風信の心を今躍らせているのはその中身だけではない。
南風が自分に買ってきてくれたチョコレート。蓋を開けると甘い香りが誘うが、食べるのが勿体なくて蓋を戻す。しばらくその表面をぼんやりと指で撫でたあと、風信はチェストの上にそっと飾るようにその箱を置いた。
noa/ノア
DONE[風信&南風✈] パイロットAU。バレンタインデー。とある仕事で一緒になったあと、はからずも(?)プレゼントを渡しあうみたいな流れになった二人。※バレンタインなのに、くっつきません
「座談会……ですか?」
怪訝な顔で聞き返す南風に、広報担当職員がにこやかな顔で頷く。
「はい、今度、機内誌の記事用にいろんな職種の人たちで集まって座談会をすることになりまして。副操縦士として抜擢されました、おめでとうござ……」
「いや、あの、なんで僕……話なんてできないですけど」南風がおもわず遮る。
「そりゃあ、若手の有望株ですし、それに——」ぐっと南風の耳元に口を寄せる。「見栄えも、しますしね」
「は……?」思わず身を引いた南風の頬が赤くなる。
「あ、そういえば、風信機長にも声かけてますので」
風信の名を出せば南風が断らないと知っているのだろう。だがどちらにしろ南風に拒否権はなかった。
「では、再来月の14日、よろしくお願いします!」
6239怪訝な顔で聞き返す南風に、広報担当職員がにこやかな顔で頷く。
「はい、今度、機内誌の記事用にいろんな職種の人たちで集まって座談会をすることになりまして。副操縦士として抜擢されました、おめでとうござ……」
「いや、あの、なんで僕……話なんてできないですけど」南風がおもわず遮る。
「そりゃあ、若手の有望株ですし、それに——」ぐっと南風の耳元に口を寄せる。「見栄えも、しますしね」
「は……?」思わず身を引いた南風の頬が赤くなる。
「あ、そういえば、風信機長にも声かけてますので」
風信の名を出せば南風が断らないと知っているのだろう。だがどちらにしろ南風に拒否権はなかった。
「では、再来月の14日、よろしくお願いします!」
noa/ノア
DONE[FengQing] 慕情なきあと、ある鬼を倒しにいく風信のお話。※原作軸ですが、原作とは連動していません。
「将軍……! もう無理です!」
悲痛な声に風信は振り返った。南陽殿の優秀な神官たちが地面に倒れ込んでいる。意識がない仲間を背負って自らも体を引きずるように後ずさる者。刀でなんとか体を支えている者。どの神官の顔も恐怖と諦めに歪んでいた。
風信は前を見ずに一気に二本の矢を射ながら叫んだ。
「わかった! 一旦、上天庭へ戻って援軍を——」
放たれた矢を受けて、鬼が叫び声を上げる。
「逃げるぞ!」神官の一人が風信の後ろを指さした。風信はくるりと振り向くともう一度矢をつがえながら後ろへ叫んだ。
「お前たちは戻れ!」
「将軍!」
神官たちの叫び声を置いて、風信はひらりと空中へ飛び上がった。
逃がしてなるものか。
こいつは俺の手で仕留めるのだ。
6656悲痛な声に風信は振り返った。南陽殿の優秀な神官たちが地面に倒れ込んでいる。意識がない仲間を背負って自らも体を引きずるように後ずさる者。刀でなんとか体を支えている者。どの神官の顔も恐怖と諦めに歪んでいた。
風信は前を見ずに一気に二本の矢を射ながら叫んだ。
「わかった! 一旦、上天庭へ戻って援軍を——」
放たれた矢を受けて、鬼が叫び声を上げる。
「逃げるぞ!」神官の一人が風信の後ろを指さした。風信はくるりと振り向くともう一度矢をつがえながら後ろへ叫んだ。
「お前たちは戻れ!」
「将軍!」
神官たちの叫び声を置いて、風信はひらりと空中へ飛び上がった。
逃がしてなるものか。
こいつは俺の手で仕留めるのだ。
noa/ノア
DOODLE[FengQing✈️]パイロットAUどうしても空きがなくて仕方なく玄真航空に乗ったら、見事に慕情の便だった風信機長。
「風信様ですね。お荷物はこちらお一つでしょうか?」
「は、はいっ……」
グラウンドスタッフに頓狂な声で答えてしまい、風信は思わず咳払いでごまかした。
何も悪いことなどしていないのに、なぜ空港カウンターでこんな犯罪者のようにどぎまぎしないといけないのだ。見ないようにしないようにしようとすればするほど目に入ってくるロゴから目を逸らす。いつもの南陽航空のロゴではなく目の前にあるのは——ライバルたる玄真航空のロゴ。
ツイていなかったとしか言いようがない。休暇先から急に呼び出されたものの、この休暇シーズン、直前で空いている便などない。同僚に頼み込んでみたものの、どうあがいても、南陽航空も他の航空会社も空きはなかった。ただひとつ奇跡的に空いていたのが、なぜか玄真航空だったというわけだ。
2749「は、はいっ……」
グラウンドスタッフに頓狂な声で答えてしまい、風信は思わず咳払いでごまかした。
何も悪いことなどしていないのに、なぜ空港カウンターでこんな犯罪者のようにどぎまぎしないといけないのだ。見ないようにしないようにしようとすればするほど目に入ってくるロゴから目を逸らす。いつもの南陽航空のロゴではなく目の前にあるのは——ライバルたる玄真航空のロゴ。
ツイていなかったとしか言いようがない。休暇先から急に呼び出されたものの、この休暇シーズン、直前で空いている便などない。同僚に頼み込んでみたものの、どうあがいても、南陽航空も他の航空会社も空きはなかった。ただひとつ奇跡的に空いていたのが、なぜか玄真航空だったというわけだ。
noa/ノア
DOODLE[風信&南風✈] パイロットAU。休憩室のソファで映画見ながら寝落ちた二人。彼シャツ案件みたいなのがやりたかっただけ。
夕日も落ちて、夜が始まろうかという時間の休憩室。しんとした静けさと薄闇に満ちた室内に入った風信は、眉間を揉みながら大きな溜息とともにソファにどさりと腰かけた。
だがその途端、尻の下に何かぐにゃりとしたものを感じ、風信は思わず飛びすさった。
「……いっ……!」
「ぎゃっ……!」
ソファの上でなにかがむくりと起き上がる。
「……南風?」「風信機長??」
ソファの端に身を引いて目を丸くしている顔をまじまじと見つめる。
「すまん、全然気が付かなかった。足、大丈夫だったか?」「はい……」
「どうしたんだこんな真っ暗なところで」
「ちょっと休憩を……って、風信機長こそ、電気つけずに……」
まあ確かにそうだな、と思いながら風信はシャツを脱いで下に来ているTシャツ一枚になると、だらりと背中をソファの背に預けた。
2491だがその途端、尻の下に何かぐにゃりとしたものを感じ、風信は思わず飛びすさった。
「……いっ……!」
「ぎゃっ……!」
ソファの上でなにかがむくりと起き上がる。
「……南風?」「風信機長??」
ソファの端に身を引いて目を丸くしている顔をまじまじと見つめる。
「すまん、全然気が付かなかった。足、大丈夫だったか?」「はい……」
「どうしたんだこんな真っ暗なところで」
「ちょっと休憩を……って、風信機長こそ、電気つけずに……」
まあ確かにそうだな、と思いながら風信はシャツを脱いで下に来ているTシャツ一枚になると、だらりと背中をソファの背に預けた。