palco_WT
DONE #ニノカゲ版創作60分勝負お題「誕生日」「デニム」
なお、諏訪さんへのお土産は薄く削いだ樹皮を加工したブックカバーをふたりで選びました。
「お前、ジーンズ似合わないな」
「……悪かったな」
放り込まれたユニク□の更衣室で、恋人から押しつけられた黒のデニムに足を通した二宮は本来の意味の憮然とした様子で応じる。
もちろん困惑もあったが。
そうさせた張本人が無碍な感想を吐き出すのも納得がいかない。
せっかくの誕生日デートだと言うのに。
しかも提案してきたのはその影浦だ。
「裾上げ一切しねーで済むのとかどんだけ無駄に足長ぇーんだよ、腹立つ」
「なんで股下の長さごときでおまえに悪態つかれなきゃならないんだ、俺は?」
「モテルモノのゴーマンって言うんだよ、そういうのを」
「そういうおまえが使いこなせてなさそうな言い回しを吹き込むのは水上か? 王子か? いや、加古だな?」
4571「……悪かったな」
放り込まれたユニク□の更衣室で、恋人から押しつけられた黒のデニムに足を通した二宮は本来の意味の憮然とした様子で応じる。
もちろん困惑もあったが。
そうさせた張本人が無碍な感想を吐き出すのも納得がいかない。
せっかくの誕生日デートだと言うのに。
しかも提案してきたのはその影浦だ。
「裾上げ一切しねーで済むのとかどんだけ無駄に足長ぇーんだよ、腹立つ」
「なんで股下の長さごときでおまえに悪態つかれなきゃならないんだ、俺は?」
「モテルモノのゴーマンって言うんだよ、そういうのを」
「そういうおまえが使いこなせてなさそうな言い回しを吹き込むのは水上か? 王子か? いや、加古だな?」
ミクシゲ
MOURNING🚨ATTENTION🚨ニノカゲですがカゲが黒鳥になった後の宮の話です。
ボーダー隊員がどんな処分を受けるのかや、今回のケースが本当に黒鳥になりうるか、に関しては考慮していません。カゲがいない世界で生きる宮が見たかっただけです。
何でも許せる方向けです!!!閲覧は自己責任でお願いいたします!!!
鳥の影「今日は天気がいいから、布団と服がよく乾きそうだ」
とある安アパートの一室で、茶髪の青年は空を見ながらそう呟いた。
突き抜けるような青空には、鳥たちが自由に飛んでいる。それを見て青年──二宮はつい目を細めてしまった。今の“自分たち”には、もう得ることの出来ないものだったから。
一人分の少ない洗濯物を干していると、不意にピンポンとインターホンが鳴った。
二宮は手を止めてから一つ溜息をつき、そしてそこに“在る”ことを確かめるように背中につけたナイフホルダーのようなものに触れる。
「……怖がらなくていい。お前は、俺が必ず守る」
そう呟いてから、二宮はゆっくり玄関へと近づいていく。そしてドアスコープを覗くことなく、扉の施錠を解除した。どうせ、客は限られている。
2703とある安アパートの一室で、茶髪の青年は空を見ながらそう呟いた。
突き抜けるような青空には、鳥たちが自由に飛んでいる。それを見て青年──二宮はつい目を細めてしまった。今の“自分たち”には、もう得ることの出来ないものだったから。
一人分の少ない洗濯物を干していると、不意にピンポンとインターホンが鳴った。
二宮は手を止めてから一つ溜息をつき、そしてそこに“在る”ことを確かめるように背中につけたナイフホルダーのようなものに触れる。
「……怖がらなくていい。お前は、俺が必ず守る」
そう呟いてから、二宮はゆっくり玄関へと近づいていく。そしてドアスコープを覗くことなく、扉の施錠を解除した。どうせ、客は限られている。
nao
DONE夏と言えば日焼け。褐色の災難と誘惑「随分と焼けたな」
朝イチの勤務を終え、既に帰宅している二宮に玄関で出迎えられて開口一番に言われる。
「今年一番の暑さの中でプール授業があったんだよ。一気に焼けたから背中とか痛え」
夜になっても昼間の暑さが引かず、熱帯夜確定なので珍しく半袖のTシャツ一枚で二宮の家に来た。
学校終わりに一度家に帰って荷物を置き、少し店の手伝い。終わった後にシャワーを浴びてきたけど歩いているうちに汗ばみ、クーラーの効いた部屋は心地が良い。
「何か飲むか」
「ジンジャーエール」
「わかった」
この家で常備している飲み物と言ったら、ミネラルウォーター、お茶、ジンジャーエールの三択。
二宮はキッチンへと向かい、大きめのグラスを用意すると冷凍庫から氷を取り出しグラスに入れる。それから冷蔵庫からジンジャーエールの瓶を取り出すとグラスに注ぐ。
2719朝イチの勤務を終え、既に帰宅している二宮に玄関で出迎えられて開口一番に言われる。
「今年一番の暑さの中でプール授業があったんだよ。一気に焼けたから背中とか痛え」
夜になっても昼間の暑さが引かず、熱帯夜確定なので珍しく半袖のTシャツ一枚で二宮の家に来た。
学校終わりに一度家に帰って荷物を置き、少し店の手伝い。終わった後にシャワーを浴びてきたけど歩いているうちに汗ばみ、クーラーの効いた部屋は心地が良い。
「何か飲むか」
「ジンジャーエール」
「わかった」
この家で常備している飲み物と言ったら、ミネラルウォーター、お茶、ジンジャーエールの三択。
二宮はキッチンへと向かい、大きめのグラスを用意すると冷凍庫から氷を取り出しグラスに入れる。それから冷蔵庫からジンジャーエールの瓶を取り出すとグラスに注ぐ。
nao
DONE0721の日。カゲが1人でシている描写が拙いけどあります。1人でしてもいけなかった話。責任取れっ!学業、ボーダーでの任務や隊長の務め、家業の手伝い。
このところ、休み無くこのルーティンの日々で心身共に疲弊していた。
今日もそのルーティンを終えて、風呂に入って部屋のベッドに倒れ込む。
疲れた。
手伝いの最中、スマホにメッセージが届いていたのを思い出し、枕元に置いたスマホを手にして立ち上げる。
メッセージの着信 10件
アプリをタップして立ち上げると、同い年のグループに未読10件。メッセージを開き、未読の一番上に表示されたのは犬飼からの写真付きの投稿。
『久々の焼肉、隊長のおごり♥』
そこには二宮隊の4人が写っている写真が貼り付けられていて、無愛想な二宮も画面に収まるように体を少し斜めにしている。顔は相変わらず無表情。
4076このところ、休み無くこのルーティンの日々で心身共に疲弊していた。
今日もそのルーティンを終えて、風呂に入って部屋のベッドに倒れ込む。
疲れた。
手伝いの最中、スマホにメッセージが届いていたのを思い出し、枕元に置いたスマホを手にして立ち上げる。
メッセージの着信 10件
アプリをタップして立ち上げると、同い年のグループに未読10件。メッセージを開き、未読の一番上に表示されたのは犬飼からの写真付きの投稿。
『久々の焼肉、隊長のおごり♥』
そこには二宮隊の4人が写っている写真が貼り付けられていて、無愛想な二宮も画面に収まるように体を少し斜めにしている。顔は相変わらず無表情。
ミクシゲ
DONE0721の日なので0721関連のお話です。性的描写はありませんがニノカゲがずっと下ネタ喋ってます。
付き合ってないですがカゲは宮がそういう意味で好きで(だからオカズ聞いて好みのタイプを知ろうとしてた)、宮は言わずもがなです。
多分すぐ付き合うしいっぱいエッチなことに挑戦するタイプのニノカゲです。
タイトルは某邦ロックより。
いいんですか「お前、セーヨクとか無さそうだよな」
──年相応に下世話な話題が突然投下されたのは、誰もいない会議室で報告書にペンを走らせていた時だった。
その日二宮と影浦が同時に新トリガーの試運転に呼ばれたのはたまたまであった。
トリガーは大きく変わらずとも、日々ブラッシュアップが図られる。大規模侵攻以来は研究員やC級隊員、一部の一般市民などに護身用として携帯させるための、僅かなトリオンでも最低限の護身が出来るトリガーの開発が行われていた。
また近界への遠征が計画されていることから、近界での予測不可能な攻撃からも身を守れるように、玉狛第二の使用しているレイガストのような、防御に特化した専用のオプショントリガーなどの開発も進められている。
2119──年相応に下世話な話題が突然投下されたのは、誰もいない会議室で報告書にペンを走らせていた時だった。
その日二宮と影浦が同時に新トリガーの試運転に呼ばれたのはたまたまであった。
トリガーは大きく変わらずとも、日々ブラッシュアップが図られる。大規模侵攻以来は研究員やC級隊員、一部の一般市民などに護身用として携帯させるための、僅かなトリオンでも最低限の護身が出来るトリガーの開発が行われていた。
また近界への遠征が計画されていることから、近界での予測不可能な攻撃からも身を守れるように、玉狛第二の使用しているレイガストのような、防御に特化した専用のオプショントリガーなどの開発も進められている。
_06212001
MEMOニノカゲ♀きょぬうの雅ちゃん「今日、はっ、しないから!」
泊まりに来た雅ちゃんが顔を真っ赤にして叫んだかと思えば要領を得ない。
しない、とはセックスのことだろう。
しかしそんなことをなぜ言われるのか。
「分かった」
「今日、というか、しばらくしない!」
「……理由を教えてくれないか」
「っ……!」
「雅?」
「お前のせいで…………」
「俺のせいで?」
肝心なところが声が小さく聞こえない。
聞き返した二宮を見上げる雅の瞳には薄らと涙が浮かび、慌てて手を引きソファへ。
「何かしてしまったか?」
「……した」
「すまない。心当たりが浮かばない」
「二宮が…………から」
「?」
聞こえなかったのが伝わってしまったのだろう。
ギュッと手を握り、二宮を見上げる。
「二宮が揉むからまたサイズ合わなくなった!」
揉むから。
サイズが合わない。
一体なんのことかと考え、すぐに答えが出た。
見下ろす雅の制服を押し上げる胸元。
気にしなくていいと言うべきか。
サイズが合わなくなったのなら自分が買うべきか。
混乱しながら巡らす思考。
「おっきくなった?って言われるのはずい」
「……」
「だからしない」
「分かった」
621
palco_WT
MEMOニノカゲが盤をはさむ何割かは本当にあった話。
なあ、おまえ、指せるか、と二宮の部屋へと来た影浦が、着替えやさしいれを詰め込んだジムバッグから取り出したのは、二つ折りの簡素な将棋盤だった。
「駒の動かし方くらいなら知ってるが、ちゃんと指したいなら水上にでも頼めばいいんじゃないか。確かプロを目指してたとか聞くが」
「わざわざ呼び出したり、押しかけたりしてまで指したいわけじゃねーし。イヤか?」
「いや。たまにはこういう一対一も悪くない」
と二宮は盤面にざらりと空けられた駒の群れから、王将と玉将をまずより分け、王将を影浦側へと押しやった。しかし影浦はおまえのほうがランクは上だろう、とよく分からない理屈を持ち出して、王将を二宮に託して、自分は格下の玉を引き寄せた。
1623「駒の動かし方くらいなら知ってるが、ちゃんと指したいなら水上にでも頼めばいいんじゃないか。確かプロを目指してたとか聞くが」
「わざわざ呼び出したり、押しかけたりしてまで指したいわけじゃねーし。イヤか?」
「いや。たまにはこういう一対一も悪くない」
と二宮は盤面にざらりと空けられた駒の群れから、王将と玉将をまずより分け、王将を影浦側へと押しやった。しかし影浦はおまえのほうがランクは上だろう、とよく分からない理屈を持ち出して、王将を二宮に託して、自分は格下の玉を引き寄せた。