Jeff
TRAININGお題 「愛すれば、愛されますか」Serenity「簡単な事だと思うけどな」
高いところから、子供の声が降ってくる。
「黙れ。貴様に何が分かる」
せせらぎに足先を浸しながら、ラーハルトが鼻を鳴らす。
初夏の木漏れ日が小川に跳ねて、透明な流れに彩りを添える。
地上のどんな生物もかなわない俊足も、柔らかな水の中では剣呑さを欠いて穏やかだ。
「大好きだったら、大好きだって言えばいいじゃないか」と、また小さな声が言う。
「何の見返りもないのに? 時間の無駄、精神力の無駄だ。よく聞け、クソガキ――俺は、効率に全てを賭けてきた。無駄をそぎ落とし、使命に集中し、いついかなる時にも目標を見失うことは無かった。だからこそ、最速の域に到達したのだ。我が肉体の限界を、至高の感覚を、主君への忠誠を、絶え間なく磨いてきた。脆弱な思念の付け入る隙はない」
1261高いところから、子供の声が降ってくる。
「黙れ。貴様に何が分かる」
せせらぎに足先を浸しながら、ラーハルトが鼻を鳴らす。
初夏の木漏れ日が小川に跳ねて、透明な流れに彩りを添える。
地上のどんな生物もかなわない俊足も、柔らかな水の中では剣呑さを欠いて穏やかだ。
「大好きだったら、大好きだって言えばいいじゃないか」と、また小さな声が言う。
「何の見返りもないのに? 時間の無駄、精神力の無駄だ。よく聞け、クソガキ――俺は、効率に全てを賭けてきた。無駄をそぎ落とし、使命に集中し、いついかなる時にも目標を見失うことは無かった。だからこそ、最速の域に到達したのだ。我が肉体の限界を、至高の感覚を、主君への忠誠を、絶え間なく磨いてきた。脆弱な思念の付け入る隙はない」
ZweiFluegel
DONEラーヒュンワンライに参加しようとして1時間で途中まで書いた作品を載せていましたが、ロモそく2に合わせて完成させました。。第2回お題「手指」それは、2人が夕食の調理をしていた時の事だった。
「オレが狩ってきた獣の肉を捌いてる間に、野菜を切ってくれないか。」
ラーハルトに頼まれたヒュンケルは、旅の途中に立ち寄った村で分けてもらった野菜を切り刻んでゆく。夕日が射し込む森の中に包丁の小気味良い音が静かに響いていた。
ところが――
「痛っ!」
刃物の扱いに長けているはずのヒュンケルが誤って指を切ってしまった。真っ赤な血が白い指先に流れ出している。
「大丈夫か!ヒュンケル!!」
「平気だ。この程度の傷など舐めておけば治る。」
ヒュンケルが言い終わらないうちにラーハルトはヒュンケルの指を口に含み、傷口をペロリと舐め上げた。
「なっ……いきなり何をするんだ!」
「舐めておけば治る。そう言ったのはおまえだろう。」
1208「オレが狩ってきた獣の肉を捌いてる間に、野菜を切ってくれないか。」
ラーハルトに頼まれたヒュンケルは、旅の途中に立ち寄った村で分けてもらった野菜を切り刻んでゆく。夕日が射し込む森の中に包丁の小気味良い音が静かに響いていた。
ところが――
「痛っ!」
刃物の扱いに長けているはずのヒュンケルが誤って指を切ってしまった。真っ赤な血が白い指先に流れ出している。
「大丈夫か!ヒュンケル!!」
「平気だ。この程度の傷など舐めておけば治る。」
ヒュンケルが言い終わらないうちにラーハルトはヒュンケルの指を口に含み、傷口をペロリと舐め上げた。
「なっ……いきなり何をするんだ!」
「舐めておけば治る。そう言ったのはおまえだろう。」
Jeff
DOODLEラーヒュンワンドロワンライに参加しました(原パロ/ケガの描写があります🙇♀️)
Pinky 「そうすると、大学出てから数年は実家に帰っていないのか。親不孝じゃないか、ラーハルト」
「顔は見せてる。別に親と問題がある訳じゃない」
ラーハルトはダイエットコーラを飲み干そうとして、少しむせた。
「だったらなぜ?」ヒュンケルが小首を傾げる。
「なんだろうな。なんとなく。田舎だし。こっちの空気があってるんだ」
お前にも出会えたし、と、心の中だけで呟く。
ヒュンケルと恋仲になってもう数年。暗雲立ち込めていた人生が晴れ上がり、頭痛が消え、仕事も順調になってきた。彼と話しているだけで、全てが巧く行く気がするのだ。
しかし、そんな愛の言葉は隠してほくそ笑む。ヒュンケルを付け上がらせるわけにはいかない。
「それ、」
1725「顔は見せてる。別に親と問題がある訳じゃない」
ラーハルトはダイエットコーラを飲み干そうとして、少しむせた。
「だったらなぜ?」ヒュンケルが小首を傾げる。
「なんだろうな。なんとなく。田舎だし。こっちの空気があってるんだ」
お前にも出会えたし、と、心の中だけで呟く。
ヒュンケルと恋仲になってもう数年。暗雲立ち込めていた人生が晴れ上がり、頭痛が消え、仕事も順調になってきた。彼と話しているだけで、全てが巧く行く気がするのだ。
しかし、そんな愛の言葉は隠してほくそ笑む。ヒュンケルを付け上がらせるわけにはいかない。
「それ、」
Jeff
TRAINING再会を祝して。徐々にかけがえのないものを見つけていく、不器用な二人の旅路を追ってみたいです。
Aurora 底なし沼のようだった闇色の視界が波打ち、形を変え始めた。
淡い蛍光が脳裏に点滅し、徐々にピントが合ってくる。
目に入るのはとっくに溶け切った蝋燭と、埃だらけのタイル。木でできた直線が数本。――ベッドの足だ。
這いずりながら体勢を変え、肘をついて起き上がる。
全身が痛い。いつから床に転がっていたのかよく覚えていない。
散らばった酒瓶をどんよりと見やる。強い酒の匂いに混じって、何とも言えない異臭。
自分の匂いだと気づくまで数秒かかった。
汗まみれの下着は月明りでも分かるくらいに染みだらけで、長髪は絡まりべたついている。
「戦士たるもの、常に清潔、勤勉であれ。これは理想ではない、命を守る手段だ」
師であり父である、偉大なる竜の騎士の言葉が耳に響く。
7903淡い蛍光が脳裏に点滅し、徐々にピントが合ってくる。
目に入るのはとっくに溶け切った蝋燭と、埃だらけのタイル。木でできた直線が数本。――ベッドの足だ。
這いずりながら体勢を変え、肘をついて起き上がる。
全身が痛い。いつから床に転がっていたのかよく覚えていない。
散らばった酒瓶をどんよりと見やる。強い酒の匂いに混じって、何とも言えない異臭。
自分の匂いだと気づくまで数秒かかった。
汗まみれの下着は月明りでも分かるくらいに染みだらけで、長髪は絡まりべたついている。
「戦士たるもの、常に清潔、勤勉であれ。これは理想ではない、命を守る手段だ」
師であり父である、偉大なる竜の騎士の言葉が耳に響く。
asamag108
DOODLE書いて1年放置していた現パロバレンタイン。1年前はラーヒュンのつもりで書き始めたけど手直し入れてたらむしろヒュンラーっぽいかもしれないと思い…。決定的な描写はないのでそのあたりはご想像にお任せします。 4389
dosukoi_hanami
MOURNING*ラーヒュン*昨日アップしていた子たちをポイピクにお引越ししました🙏💦
あのお約束危機的状況ってどうやって抜け出すんだろうと考えたけど、どうにもなりませんでした!笑
こんな4コマ目を描きつつ、もし閉じ篭っちゃったら騒ぎが広がるから、ヒュンは頑張って淡々と過ごしそうな気がする。ダ様がいらした事で今回は諸々ラーの方がダメージが大きいの図。 4
houran96
PROGRESSラーヒュンオーザムでオーロラ見る話ごうごうと風が鳴る。
細い枝葉の針葉樹を引きちぎりそうな風と雪。
横殴りの雪が断熱のために小さく作られた窓の外を恐ろしい勢いで飛んでいく。
オーザム王国の北の森の奥から、恐ろしく、おぞましく背筋がぞっとするような声がする。
大戦から一年と少し。
魔王軍から受けた傷はまだ癒えたとは言えないが、少なくとも打ち壊され、燃やされた瓦礫の山がそのまま朽ちていくようなことにはなっていない。
パプニカのレオナ姫を旗頭に首脳陣が集まり、散り散りになっていた各国の識者や有力者を探し出し、一歩ずつ確実に戦火の爪痕はぬぐい取るよう国の立て直しが日々行われていた。
「異形の声?」
へき地の探索からパプニカへと帰国したヒュンケルを呼び止めたのは、変わらず三賢者として忙しくしているアポロだった。
2653細い枝葉の針葉樹を引きちぎりそうな風と雪。
横殴りの雪が断熱のために小さく作られた窓の外を恐ろしい勢いで飛んでいく。
オーザム王国の北の森の奥から、恐ろしく、おぞましく背筋がぞっとするような声がする。
大戦から一年と少し。
魔王軍から受けた傷はまだ癒えたとは言えないが、少なくとも打ち壊され、燃やされた瓦礫の山がそのまま朽ちていくようなことにはなっていない。
パプニカのレオナ姫を旗頭に首脳陣が集まり、散り散りになっていた各国の識者や有力者を探し出し、一歩ずつ確実に戦火の爪痕はぬぐい取るよう国の立て直しが日々行われていた。
「異形の声?」
へき地の探索からパプニカへと帰国したヒュンケルを呼び止めたのは、変わらず三賢者として忙しくしているアポロだった。
houran96
PROGRESSラーヒュンパンと煮込み料理と井戸端うっすらとした細い光が木窓から漏れている。
暖炉にはじりじりと熾火が燃え、薄暗い室内はほんのりと温かい。
太陽の位置がずいぶんと高く、もう昼に近いのだと知る。
少々寝すぎたらしい。
ぱちりと瞬いて、舞い踊る埃のきらめきを見つめる。
寝台からゆっくりと身を起こし、首を回せばごきりといい音が鳴った。
昨夜話ながら寝てしまったせいか。
隣を見ればばさりと畳まれた寝具。
気配が動いても気にせず寝ていたことが気まずく、寝乱れた月白の髪をくしゃりとかき回した。
人々の喧騒が遠く漏れ聞こえる。
ぱちりぱちりと意識を覚醒させるように瞬き、ヒュンケルはゆっくりと寝台から足を下した。
ひんやりとした敷物に淡く身震いし、横机の水差しを見る。
2320暖炉にはじりじりと熾火が燃え、薄暗い室内はほんのりと温かい。
太陽の位置がずいぶんと高く、もう昼に近いのだと知る。
少々寝すぎたらしい。
ぱちりと瞬いて、舞い踊る埃のきらめきを見つめる。
寝台からゆっくりと身を起こし、首を回せばごきりといい音が鳴った。
昨夜話ながら寝てしまったせいか。
隣を見ればばさりと畳まれた寝具。
気配が動いても気にせず寝ていたことが気まずく、寝乱れた月白の髪をくしゃりとかき回した。
人々の喧騒が遠く漏れ聞こえる。
ぱちりぱちりと意識を覚醒させるように瞬き、ヒュンケルはゆっくりと寝台から足を下した。
ひんやりとした敷物に淡く身震いし、横机の水差しを見る。
asamag108
TRAINING現代大学生パロ。記憶なし転生かな、という雰囲気のラー←ヒュン。ラーは出てこない。
ヒュンのソロプwith大人の玩具。
以上、よろしければ「ソロプを表す数字4桁」をご入力ください。 4750
asamag108
DONEたぶんラーさんは在宅勤務でヒュンは毎日出社してる系の社会人現パロ。これをラーヒュンでやる意味1ミリもなくない?と途中で冷静になりかけたけど狂気を貫きました。私の現パロはだいたいいつもラーヒュンでやる意味がないけど、私の頭の中にはこういう暮らしを送るふたりが住んでるんですよ…。 4196
asamag108
DOODLE大して内容はないんですけど、初夜を迎えた翌日、相手と離れてる時に急に思い出してそわそわしちゃうの最高だな、って思ったんです…。相手の名前は出てこないけどラーヒュンのつもり。
エイミさんは今回もこんな役でごめんな…。 2246