炉妻さとり
DONE第一回 オスブラ版深夜の創作一本勝負お題より「いつもそばに」「アニバーサリー」お借りしました!
13期ルーキーの入所から4年後の二人のお話。
8月1日『ブラッドさま、お疲れ様です。
今日、そちらへ伺ってもよろしいですか?』
ブラッドの私用のスマホへ唐突にオスカーからメッセージが来た。
お前の家でもあるんだ、いつでも帰ってきてくれて構わない――そんな素っ気ない返事を送りそうになり、手を止める。
13期ルーキー研修を終え、メンターを降りたブラッドはタワー外に部屋を借りて暮らしている。本当はオスカーと二人で住むはずの部屋だった。
メジャーヒーローになったオスカーはメンターを続投し、エリオスタワー内の研修チーム用のドミトリーで共同生活を行っている。オスカーが二人の家を訪れるのは彼の休みの日のみ。14期研修の1年目はルーキー達との関係性構築を優先するために研修チームで休日を過ごすことも多かった。
1192今日、そちらへ伺ってもよろしいですか?』
ブラッドの私用のスマホへ唐突にオスカーからメッセージが来た。
お前の家でもあるんだ、いつでも帰ってきてくれて構わない――そんな素っ気ない返事を送りそうになり、手を止める。
13期ルーキー研修を終え、メンターを降りたブラッドはタワー外に部屋を借りて暮らしている。本当はオスカーと二人で住むはずの部屋だった。
メジャーヒーローになったオスカーはメンターを続投し、エリオスタワー内の研修チーム用のドミトリーで共同生活を行っている。オスカーが二人の家を訪れるのは彼の休みの日のみ。14期研修の1年目はルーキー達との関係性構築を優先するために研修チームで休日を過ごすことも多かった。
炉妻さとり
DONEオスブラWebオンリー「COFFEE BREAK!」開催おめでとうございます!展示小説です。
ブラッドを襲う夢を見たオスカーが夢を思い出して様子がおかしくなるお話です。
続きは部屋で 湯気の中にいるようなふわふわとした視界。白みがかった視界の中でも褐色の腕は確かな輪郭を持ち、白い腕を白いシーツに沈める。白い肌を覆い隠すはずの制服のシャツは、はだけられて肘に溜まり、衣服の意味をなしていない。現実味のないその光景を、オスカーは他人事のように眺めていた。
「やめろ、オスカー……」
そう言って見上げるブラッドの薔薇色の瞳は熱で潤み、オスカーの心を惑わす。『やめろ』という明確な命令の言葉が誘惑の言葉に聞こえるほどに。
オスカーはこの色が好きだった。意志が強く、常に前を向いている目だ。その目が今はオスカーだけを映している。もっと自分だけを見てほしい。ブラッドの頬に手を添え、顔を近づける。耐えるようにブラッドの瞼が伏せられた。黒々とした睫毛を涙の雫が伝い、オスカーの指を濡らした。
5336「やめろ、オスカー……」
そう言って見上げるブラッドの薔薇色の瞳は熱で潤み、オスカーの心を惑わす。『やめろ』という明確な命令の言葉が誘惑の言葉に聞こえるほどに。
オスカーはこの色が好きだった。意志が強く、常に前を向いている目だ。その目が今はオスカーだけを映している。もっと自分だけを見てほしい。ブラッドの頬に手を添え、顔を近づける。耐えるようにブラッドの瞼が伏せられた。黒々とした睫毛を涙の雫が伝い、オスカーの指を濡らした。
しの/字書き
MAIKING以前書いて出していたものの続きを書き加えましたが完結していませんオスブラwebオンリーで完結させて出したい気持ちはあるんですが未定です
とにかく何か新しいオスブラを出したくて
一滴の揺心(未完)***
おやすみなさい、の先にあるものなんか知らなかった。おやすみなさい、を言う相手もいなかったしそれを口にしたところで返してくれる人もいなかったからだ。
だから。
「おやすみなさい」
そう口にした後に、おやすみ、という言葉と共に額に唇が押し当てられることがこんなにも。
ベッド端に座った俺の前に立つブラッドさまのその。額の髪をかき上げる手が。押し当てられた唇が離れてしまうことが。
「・・・物欲しそうな顔をしているな」
唇が離れてブラッドさまが小さく笑うようにそう言うので、顔が熱くなった。
その唇を。唇に欲しいと思う。
なのにブラッドさまの唇は今度は左の頬に触れた。唇の後に頬と頬が重なる。柔らかくしっとりと重なってそのまま手を伸ばしたくなる。
8306おやすみなさい、の先にあるものなんか知らなかった。おやすみなさい、を言う相手もいなかったしそれを口にしたところで返してくれる人もいなかったからだ。
だから。
「おやすみなさい」
そう口にした後に、おやすみ、という言葉と共に額に唇が押し当てられることがこんなにも。
ベッド端に座った俺の前に立つブラッドさまのその。額の髪をかき上げる手が。押し当てられた唇が離れてしまうことが。
「・・・物欲しそうな顔をしているな」
唇が離れてブラッドさまが小さく笑うようにそう言うので、顔が熱くなった。
その唇を。唇に欲しいと思う。
なのにブラッドさまの唇は今度は左の頬に触れた。唇の後に頬と頬が重なる。柔らかくしっとりと重なってそのまま手を伸ばしたくなる。
炉妻さとり
DONEオスブラワンドロワンライお題「眠れない夜」
ビームス家に預けられて1ヶ月ぐらいの捏造17歳オスカーの「眠れない夜」です。
お題を聞いた時にあの歌が脳内でエンドレス再生されてしまった結果がこちらです。
あなたのせいです「遅かったな、オスカー」
「ブラッドさま!?」
オスカーがビームス家の奉公人として働き始めて約1ヶ月。オスカーが皿洗いを終えて自室に戻ると、寝巻き姿のブラッドがオスカーのベッドに腰掛けていた。
オスカーが奉公を初めて以来、ブラッドの初めての帰省だ。夜遅くにこちらに到着したと聞いていたため、今日は会えないと思っていた。会えると分かっていればもっときちんと出迎えたのに。すでにブラッドに見られてしまっているが、腕捲りしたままだった袖をそっと伸ばした。
「すみません。今日はもうおやすみになられたのかと思っていました」
「謝らなくていい。俺が勝手に押しかけただけだからな」
ブラッドに促され、隣に腰かける。こぶし2つ分ほどの距離をとって座ったが、ブラッドに詰められてしまった。自分のベッドだというのに居心地が悪い。
1444「ブラッドさま!?」
オスカーがビームス家の奉公人として働き始めて約1ヶ月。オスカーが皿洗いを終えて自室に戻ると、寝巻き姿のブラッドがオスカーのベッドに腰掛けていた。
オスカーが奉公を初めて以来、ブラッドの初めての帰省だ。夜遅くにこちらに到着したと聞いていたため、今日は会えないと思っていた。会えると分かっていればもっときちんと出迎えたのに。すでにブラッドに見られてしまっているが、腕捲りしたままだった袖をそっと伸ばした。
「すみません。今日はもうおやすみになられたのかと思っていました」
「謝らなくていい。俺が勝手に押しかけただけだからな」
ブラッドに促され、隣に腰かける。こぶし2つ分ほどの距離をとって座ったが、ブラッドに詰められてしまった。自分のベッドだというのに居心地が悪い。
炉妻さとり
DONEオスブラワンライお題「香水(香り)」
ブラッドさまは石鹸の匂い?お題「香水(香り)」
「オスカー、待たせたな。次はお前の番だ」
先にシャワーを浴びてきたブラッドがオスカーを呼ぶ。まだ濡れ髪のブラッドからは風呂上がり特有のふわふわした暖かい香りがした。
ブラッドは石鹸の匂いがする、という誰かの言葉をオスカーは思い出した。清廉なイメージのある彼には相応しいように思える。だが本当にそうならサウスセクター研修チーム全員が同じ匂いをしているはずだ。
「オスカー?」
ぼんやり考えごとをしているとブラッドに呼び戻された。手の届く距離に近づいてきた彼からする匂いはそれこそ石鹸の匂い、シャンプーの匂いなのだろう。だが風呂上がりでなくとも、いつもブラッドからはいい匂いがする気がする。
984「オスカー、待たせたな。次はお前の番だ」
先にシャワーを浴びてきたブラッドがオスカーを呼ぶ。まだ濡れ髪のブラッドからは風呂上がり特有のふわふわした暖かい香りがした。
ブラッドは石鹸の匂いがする、という誰かの言葉をオスカーは思い出した。清廉なイメージのある彼には相応しいように思える。だが本当にそうならサウスセクター研修チーム全員が同じ匂いをしているはずだ。
「オスカー?」
ぼんやり考えごとをしているとブラッドに呼び戻された。手の届く距離に近づいてきた彼からする匂いはそれこそ石鹸の匂い、シャンプーの匂いなのだろう。だが風呂上がりでなくとも、いつもブラッドからはいい匂いがする気がする。
炉妻さとり
DONEオスブラワンドロワンライ お題「パーティ」古今東西ありとあらゆるジャンルとキャラで書かれてきたであろう女装パーティ潜入ものです。
書きたいものだけ詰め込んだのでかなり駆け足ですが、どうしても最後のところを書きたかったんです。ロマンですよね。
パーティはおしまいお題「パーティ」
どうしてこんなことになってしまったんだろう、とタキシードに身を包んだオスカーは思った。
サブスタンスの違法取引が行われるという噂のパーティに、ブラッドと共に客として潜入してほしい。特別任務の話が来たとき、特に何も考えずに承諾した。貴人のブラッドとその従僕という役割だろうと勝手に解釈していた。
それがどうだ。オスカーの右腕には、東洋風の美女と化したブラッドが腕を回していた。サブスタンス事業を立ち上げようと出資者を募りに来た青年と、その恋人の東洋系女性。それがオスカーとブラッドの設定だ。
流石にブラッドを女性として送り出すのには無理があるのではないか、とブラッド本人も危惧していたが、エリオス衣装部が全面協力の姿勢を見せた。
1082どうしてこんなことになってしまったんだろう、とタキシードに身を包んだオスカーは思った。
サブスタンスの違法取引が行われるという噂のパーティに、ブラッドと共に客として潜入してほしい。特別任務の話が来たとき、特に何も考えずに承諾した。貴人のブラッドとその従僕という役割だろうと勝手に解釈していた。
それがどうだ。オスカーの右腕には、東洋風の美女と化したブラッドが腕を回していた。サブスタンス事業を立ち上げようと出資者を募りに来た青年と、その恋人の東洋系女性。それがオスカーとブラッドの設定だ。
流石にブラッドを女性として送り出すのには無理があるのではないか、とブラッド本人も危惧していたが、エリオス衣装部が全面協力の姿勢を見せた。
炉妻さとり
DONEブラッドとアッシュ姉がお見合いする話。アッシュ姉の理想の男性像は某グッドルッキングガイの条件を参考にしました(重要)前半はオスカーとアッシュのみ登場です。
後半はブラッド視点。読みにくかったらすみません。
シンデレラストーリーは一度だけでいい「オスカー!」
オスカーがジムで日課のトレーニングに励んでいると、血相を変えたアッシュが飛び込んできた。
「どうした、アッシュ。今日はもうスパーリングは――」
「ちげぇよ! 親父から、俺の姉貴とブラッドが見合いした、このまま順調に進みそうだって連絡が来たんだ。お前は知ってんのか!?」
オスカーの表情に驚きは見られなかった。だからどうした、とでも言いたげな表情に苛立ちが募っていく。彼女の性格からして、見合いをした時点で大事件なのだ。彼女はオルブライト家の人間らしく、自分にも他人にも求める基準が恐ろしく高かった。
彼女の理想の男性像。まず身長185cm以上、年齢は18歳から28歳。容姿端麗であることは前提として、全身のバランス――彼女曰く『デザイン』が良いこと。彼女に尽くしてくれること、等々。
4738オスカーがジムで日課のトレーニングに励んでいると、血相を変えたアッシュが飛び込んできた。
「どうした、アッシュ。今日はもうスパーリングは――」
「ちげぇよ! 親父から、俺の姉貴とブラッドが見合いした、このまま順調に進みそうだって連絡が来たんだ。お前は知ってんのか!?」
オスカーの表情に驚きは見られなかった。だからどうした、とでも言いたげな表情に苛立ちが募っていく。彼女の性格からして、見合いをした時点で大事件なのだ。彼女はオルブライト家の人間らしく、自分にも他人にも求める基準が恐ろしく高かった。
彼女の理想の男性像。まず身長185cm以上、年齢は18歳から28歳。容姿端麗であることは前提として、全身のバランス――彼女曰く『デザイン』が良いこと。彼女に尽くしてくれること、等々。
炉妻さとり
DONEオスブラワンドロワンライお題「癒し」
可愛い人「15分だけ仮眠を取る」
「わかりました」
ショートスリーパーのブラッドさまでも、連日三時間睡眠はさすがに堪えるらしい。
15分後にアラームをセットし、俺はメンター部屋から出て行こうとするとブラッドさまに手招きされた。確実に時間通りに起こせるようベッドの傍に控えていろ、ということだろうか。照明のリモコンを手にブラッドさまのベッドへ近づくと、腕を引かれた。
「オスカーも来い」
俺がブラッドさまのお誘いを断るはずないとわかっているからか、俺が返事をする前にベッドへ引き摺り込まれた。
ブラッドさまのベッドで寝るのは初めてではない。それなのに、毎回ブラッドさまの匂いと体温に満たされる感覚に心がそわそわする。
1052「わかりました」
ショートスリーパーのブラッドさまでも、連日三時間睡眠はさすがに堪えるらしい。
15分後にアラームをセットし、俺はメンター部屋から出て行こうとするとブラッドさまに手招きされた。確実に時間通りに起こせるようベッドの傍に控えていろ、ということだろうか。照明のリモコンを手にブラッドさまのベッドへ近づくと、腕を引かれた。
「オスカーも来い」
俺がブラッドさまのお誘いを断るはずないとわかっているからか、俺が返事をする前にベッドへ引き摺り込まれた。
ブラッドさまのベッドで寝るのは初めてではない。それなのに、毎回ブラッドさまの匂いと体温に満たされる感覚に心がそわそわする。
炉妻さとり
DONEロスナイ後、手錠が羨ましかったオスカーの話。手錠「ブラッドさま、お願いがあるんです」
シャワーを浴び、後は眠るだけという時間にオスカーが切り出してきた。俺のベッドに肩を触れ合わせながら座り、いつものように今日の報告を受けていた時間だった。仕事の話ではないのは明らかだ。
何も言わない俺をオスカーが待っている。もじもじと、それでも決意を秘めた瞳が俺を離さない。これは――期待してもいいのだろうか?
「言ってみろ」
「これを付けていただけませんか?」
差し出されたのは手錠だった。俺とキースを繋いでいたあの厄介な手錠ではない。プラスチックにメッキをしたような――いわゆるプレイ用の手錠だ。
「オスカーは俺にこれを付けてほしいのか?」
鸚鵡返しに言葉を返すと、オスカーの顔がぱぁっと輝いた。コクコクと何度も頷きが返ってきた。
996シャワーを浴び、後は眠るだけという時間にオスカーが切り出してきた。俺のベッドに肩を触れ合わせながら座り、いつものように今日の報告を受けていた時間だった。仕事の話ではないのは明らかだ。
何も言わない俺をオスカーが待っている。もじもじと、それでも決意を秘めた瞳が俺を離さない。これは――期待してもいいのだろうか?
「言ってみろ」
「これを付けていただけませんか?」
差し出されたのは手錠だった。俺とキースを繋いでいたあの厄介な手錠ではない。プラスチックにメッキをしたような――いわゆるプレイ用の手錠だ。
「オスカーは俺にこれを付けてほしいのか?」
鸚鵡返しに言葉を返すと、オスカーの顔がぱぁっと輝いた。コクコクと何度も頷きが返ってきた。