かわな
SPUR ME運命後によりを戻すディアミリ。ご都合主義運命後によりを戻すディアミリ帰還信号が打ちあがった。
いくつもの眩い光を、美しいと思うよりも安堵を覚えるようになったのはいつのころだっただろう。家に帰り着いたあと、部屋の電気を点けたときに感じる、ほっと息を吐きたくなるような心地。体中に張り巡った緊張が一気にほどけて、大事なものがいくつもいくつも頭の中を駆け巡っていく。死ぬ間際に走馬灯というのをみるというけれど、大切なものを思い出すのはいつも戦闘が終わってからだ。会いたいという気持ちが際限なく膨らんでいく。
赤いパイロットスーツに身を包んでいたころは、戦闘が終わることに対して一種の不快な感情を心に抱いていた。
もっとやれる。
追撃をすれば、相手を追い詰めることができる。
と、そんなことをよく考えていた。それはまだ現実を現実として見ていなかったからに違いなかったけれど、それなりに成長した今でもまだモビルスーツに乗っている。それは、自分にはまだこれに乗って出来ることがあると思ったからだ。
6576いくつもの眩い光を、美しいと思うよりも安堵を覚えるようになったのはいつのころだっただろう。家に帰り着いたあと、部屋の電気を点けたときに感じる、ほっと息を吐きたくなるような心地。体中に張り巡った緊張が一気にほどけて、大事なものがいくつもいくつも頭の中を駆け巡っていく。死ぬ間際に走馬灯というのをみるというけれど、大切なものを思い出すのはいつも戦闘が終わってからだ。会いたいという気持ちが際限なく膨らんでいく。
赤いパイロットスーツに身を包んでいたころは、戦闘が終わることに対して一種の不快な感情を心に抱いていた。
もっとやれる。
追撃をすれば、相手を追い詰めることができる。
と、そんなことをよく考えていた。それはまだ現実を現実として見ていなかったからに違いなかったけれど、それなりに成長した今でもまだモビルスーツに乗っている。それは、自分にはまだこれに乗って出来ることがあると思ったからだ。
かわな
DONE種・停戦直後の二人の話痛みと慣れの話/ディアミリ戦争をしているし、前線で戦うモビルスーツ乗りなんだから当たり前といえば当たり前なんだけど、ディアッカはしょっちゅう怪我をする。それは集中していて手の平の皮膚がパイロットスーツと擦り合って赤くなっていたり、衝撃による打ち身だったり、または単純に整備班の手伝い中にうっかり火の粉が皮膚を焼いたり、そんな感じだ。本人の中でも日常的にあることだからか、私が指摘をしても「ああ、気づかなかったぜ」と肩をすくめるぐらいしかしない。
そういう小さな怪我に見慣れてしまったというのもあって、大きなガーゼを包帯で適当に巻いた額が目に入ったとき、一瞬驚いてしまったのだ。今はまだ戦闘中で、私が一瞬目を開いたのを見ていたのかいなかったのか、ディアッカは私の座る椅子に手をかけてぐっと身をよせる。
4994そういう小さな怪我に見慣れてしまったというのもあって、大きなガーゼを包帯で適当に巻いた額が目に入ったとき、一瞬驚いてしまったのだ。今はまだ戦闘中で、私が一瞬目を開いたのを見ていたのかいなかったのか、ディアッカは私の座る椅子に手をかけてぐっと身をよせる。
かわな
DONEオーブ軍人としてプラントに出向しているミリアリアとイザークの話。ディアミリ親友の恋人/ディアミリ定例会議のために移動をしている最中に、見覚えのある後ろ姿を見つけた。首筋に沿って明るい色の髪をピンと外に跳ねさせて、ここではめずらしい他国の軍服を着ている彼女は背筋を伸ばしてまっすぐに日の差し込む廊下を歩いていた。
何週間も前から決められていた予定表にはたしかに彼女の名前が記されていたが、それならば護衛兼世話役がそばにいないのはどういうことなのだろう。オーブから出向している尉官ではあるが、軍人としての経験なんてほとんどないし、なにより彼女はナチュラルだった。生まれたときから植え付けられた意識というものは簡単には変えられないことは先の二度の大戦で分かりすぎるぐらいに分かっていた。だから、思わず声を掛けてしまったのだ。
3094何週間も前から決められていた予定表にはたしかに彼女の名前が記されていたが、それならば護衛兼世話役がそばにいないのはどういうことなのだろう。オーブから出向している尉官ではあるが、軍人としての経験なんてほとんどないし、なにより彼女はナチュラルだった。生まれたときから植え付けられた意識というものは簡単には変えられないことは先の二度の大戦で分かりすぎるぐらいに分かっていた。だから、思わず声を掛けてしまったのだ。