ocean_siro
DONE気軽に読んでねひとくちサイズ ローコラですローくんの夢日記ポーラータング号は深夜の海を潜航していた。
船長室の墨色の窓から、小さな常夜灯以外の照明を落とした暗い艦内に、窓より黒い、大きな影が入って来る。
影は部屋に設えられたベッドのそばに近寄り、眠る者を覗き込む。
影には名前があった。ドンキホーテ・ロシナンテ、またはコラソン。
コラソンはここ、船長室に眠る男・ローを大切に思う故人のひとりであった。
コラソンはいわゆる亡霊であるが、盆暮れ正月、クリスマスにローの誕生日、あとなんでもない夜にふらっとローのもとに現れて、寝顔を眺め、ちょっとした幸運や失せ物なんかを置いて行く。と言ってもローはあまり物を失くさないので、翌日好物にありつけるとか、停泊する島でかわいい犬を山ほど見られるだとかの小さなラッキーを置いて、夜が明ける前に去るのが常であった。
2940船長室の墨色の窓から、小さな常夜灯以外の照明を落とした暗い艦内に、窓より黒い、大きな影が入って来る。
影は部屋に設えられたベッドのそばに近寄り、眠る者を覗き込む。
影には名前があった。ドンキホーテ・ロシナンテ、またはコラソン。
コラソンはここ、船長室に眠る男・ローを大切に思う故人のひとりであった。
コラソンはいわゆる亡霊であるが、盆暮れ正月、クリスマスにローの誕生日、あとなんでもない夜にふらっとローのもとに現れて、寝顔を眺め、ちょっとした幸運や失せ物なんかを置いて行く。と言ってもローはあまり物を失くさないので、翌日好物にありつけるとか、停泊する島でかわいい犬を山ほど見られるだとかの小さなラッキーを置いて、夜が明ける前に去るのが常であった。
aoitori5d
DONEローコラオナニー企画にて書いたものになります。終始コラさんは平静でローばかりが♡喘ぎしているので苦手な方はご遠慮ください。
書くのめちゃめちゃ楽しかったです~!
pass:私の誕生日4桁(フォローで見れます) 9288
neiko_airoxxxx
DONE2024/6/30ジュンブラ無配で「嘘吐きの多い楽園」の少し先の話。通販購入者の皆さまはお渡しできなかったのでここで公開。
PASS:ジュンブラ公開日をMMDD形式4桁 3802
aoitori5d
REHABILILC百物語によせて書いたローコラですが終始モブ視点で進みます。ホラーとかではないです。Find Out 下校のチャイムが鳴っている。リンゴン、リンゴンという重たい鐘の音は、どうして早く帰らなくては、という気にさせるのだろう。無性に気が焦り、心臓の鼓動が早くなる。いつもはこんな風に急かされるのが嫌ですぐに支度を整えて帰るのに、日直の当番ノートを書いていたら随分時間が経ってしまっていたようだった。慌ただしく荷物をランドセルに詰め肩に担ぐ。自分以外はもう帰ってしまっただろうが、その時は何故か、自分の他に教室に誰も残っていないだろうかと入り口の前、引き戸に手を掛けながら室内をぐるりと見渡した。そこで、教室の一番後ろ、窓際の席に金色の丸い頭があることに気が付いた。
「……あれ? ──くん? ぼくもう帰るけど、きみは?」
12217「……あれ? ──くん? ぼくもう帰るけど、きみは?」
aoitori5d
TRAINING愛しい人に出会えた喜びに花を咲かせた穏やかなローくんはもういないっていう話です。by天野月子/花冠
穏やかなわたしはもういない 彼に無理やり、攫われるようにして連れ出された病院巡りの旅の当初から、彼が子供の扱いに慣れていないことはわかっていた。大人と子供の歩幅(それも彼は随分大柄だった)を加味しない歩き方や、それでおれが引き離されているのをようやく理解すると、おおよそ子供にするものではない、まるで猫の子かハンドバッグを持つような抱え方をして持ち運ぶ。それまでちょっとした嗚咽や呻きの一つさえ上げることのなかった無口で不気味な大男は、その実案外お喋りでくだらないことをベラベラと途切れることなく話し続けた。それは話好きだからというものではなく、ただ単純に十三も年の離れたおれをどう扱えばいいのかわからなかったからだろう。緊張からやや早口で、鳥が飛んでるだの雲のかたちがお尻に見えるだの、幼児相手にするんならまだしもおれはあの頃すでに十三だった。彼はおれという存在を早々手に余らせつつも、けしておれの手を離そうとはしなかった。くだらないことを喋っておれが鼻白んだ目で見つめても、シュンと一瞬肩を落としたかと思えばまたすぐにパッと顔を明るくさせて「屁が出そう!」などと宣う。彼はきっと、そんなことを言うような男ではなかっただろう。ファミリーに居たときだって、誰かが下卑た話をし始めるとおれやベビー5なんかのガキをおもむろに叩き出し、そしてサングラスの奥の瞳を眇めて煙草を噛み潰していた。そんな彼がくだらないことをスピーカーのように話し続けた理由はただ一つ。陰鬱な顔をしたガキをどうにか笑わせてやろうと必死だったのだ。彼はどうしてだか、笑顔に拘るひとだった。常に笑みを刷いた化粧もそうだけれど、彼はことあるごとにおれの眉間の皺を突いて笑った。「なあ、そんなガキの頃からしかめっ面で、皺が取れなくなっても知らねぇぞ」なんて大きな口を広げて笑っていた。
7396aoitori5d
DONEローのことが心配で爆速転生したコラさんのローコラです。作中内でキャラクターがドラッグ中毒になったり、同意のない性交を強いられたような描写があります。ハッピーエンドです。
Pass:私の誕生月日とコラさんの誕生月日を引いた三桁の数字 36570
aoitori5d
PASTちょっと不思議な夏の一週間を過ごすショタローコラの話。流れ星をいま 舗装の剥げた車道を、一台の黄色い車がガタガタとその丸みを帯びた車体を揺らしながら走っていた。真っすぐに続く道は大きな真夏の太陽がじりじりとアスファルトを焦がし、溶けたコンクリートの匂いが漂ってくるような錯覚さえ覚える。
「ロー、もうすぐだぞ」
父親の声にうん、とおざなりに応える。サンデードライバーの父が愛するこの車は、車検を毎回どうにかこうにか通過している超ご高齢のビートルである。もはや毎年の自動車税で一台立派な車が買えるのではないかしらん、と思わないでもないが、子供の頃映画でこの車を見てからずっと憧れ続け、ようやく初任給で購入したこれを週末になるといそいそと洗車し悦に浸る父親を見れば何も言えない、と母はすこしも困ったようではない声で笑っていた。
22920「ロー、もうすぐだぞ」
父親の声にうん、とおざなりに応える。サンデードライバーの父が愛するこの車は、車検を毎回どうにかこうにか通過している超ご高齢のビートルである。もはや毎年の自動車税で一台立派な車が買えるのではないかしらん、と思わないでもないが、子供の頃映画でこの車を見てからずっと憧れ続け、ようやく初任給で購入したこれを週末になるといそいそと洗車し悦に浸る父親を見れば何も言えない、と母はすこしも困ったようではない声で笑っていた。
LCtora
DOODLE諜報員として色恋も利用してガンガンやってきて経験値とスキルカンストしているけど初恋も知らないコラさんVSローくんです。※なんでもゆるせるひとだけよろしくです。
※起承転結の起までしかできてない。投稿テスト。
恋を知らない好きだ!コラさん、結婚してくれ。
ローの船にクルーとして乗り込んでから一ヶ月くらい経った時のことだった。
ロシナンテがトラファルガー・D・ワーテル・ローから告白を受けたのは。
久々に海上に出たポーラタング号の甲板で煙草を吸っていた所にいきなりの告白で、ロシナンテは熱に浮かされたようなローの瞳を横目にため息のように煙を深く吐き出した。
(めんどくせぇな。)
付き合ってもいないのにいきなり結婚を申し込むのは早すぎないか?、とか。
幼少期の体験が強烈すぎてなんか勘違いしちまってるんだろうな、とか。
13年も離れていたから俺への感情がなんか拗れちまってるんかな、とか。
様々なことがロシナンテの頭をよぎりつつも、
最終的に思ったのは何でそんなことを言い出しちまったんだこいつ。ということだった。
893ローの船にクルーとして乗り込んでから一ヶ月くらい経った時のことだった。
ロシナンテがトラファルガー・D・ワーテル・ローから告白を受けたのは。
久々に海上に出たポーラタング号の甲板で煙草を吸っていた所にいきなりの告白で、ロシナンテは熱に浮かされたようなローの瞳を横目にため息のように煙を深く吐き出した。
(めんどくせぇな。)
付き合ってもいないのにいきなり結婚を申し込むのは早すぎないか?、とか。
幼少期の体験が強烈すぎてなんか勘違いしちまってるんだろうな、とか。
13年も離れていたから俺への感情がなんか拗れちまってるんかな、とか。
様々なことがロシナンテの頭をよぎりつつも、
最終的に思ったのは何でそんなことを言い出しちまったんだこいつ。ということだった。
aoitori5d
DONEこの小説にはゲーム「ワンピース オデッセイ」の終盤までのネタバレ及び捏造が含まれています。未プレイの方がこれを読むと、今後のプレイの楽しみが減る可能性があります。すべてをご了承いただけた方のみお読みください。オデッセイのDLCが出たらもう書けないかなと思ったので、急いでローくんにワフルドに行ってもらいました。波箱やマシュマロで一言でも感想をいただけますと嬉しいです。 21536
aoitori5d
DONEローコラと旗揚げ組と星の話。ローにとっての美しいもの、大切なもの、二度と失いたくないものについて。蛍火はここに 夜空に瞬く星の光。朝焼けに白く輝く雪原。東から昇っては西に落ちていく太陽の動き。鳥の歌うような囀りに、風が木の葉を揺らす密やかな音。おはようと言うとおはようと返ってくる声。パチパチと油を跳ねさせるソーセージの音と、挽きたてのコーヒーの香り。
トラファルガー・ローが、自然の姿や日常のささやかな出来事に美しいと、愛おしいと思えるようになったのはここ最近のことだ。スワロー島はローの育ったフレバンスとも、三年の時を過ごしたスパイダーマイルズとも異なる、“北の海”を象徴するような極寒の冬島だった。それでも、この島で出会った二人やシロクマのミンク族などは慣れているようで、毎朝薄氷が張った桶の水で顔を洗い、燃え尽きた灰を掻き出して薪を追加する。そうして部屋が十分に温まったあと、ようやく起き出してきたローに向かって明るい声でこう言うのだ。
12633トラファルガー・ローが、自然の姿や日常のささやかな出来事に美しいと、愛おしいと思えるようになったのはここ最近のことだ。スワロー島はローの育ったフレバンスとも、三年の時を過ごしたスパイダーマイルズとも異なる、“北の海”を象徴するような極寒の冬島だった。それでも、この島で出会った二人やシロクマのミンク族などは慣れているようで、毎朝薄氷が張った桶の水で顔を洗い、燃え尽きた灰を掻き出して薪を追加する。そうして部屋が十分に温まったあと、ようやく起き出してきたローに向かって明るい声でこう言うのだ。
aoitori5d
DONE人狼ゲームに興じるハートの面々とやたら人狼役がうまい♡さん、へたな□ーくんのローコラ小話影を合わせて この中に裏切り者がいる!
「えー、では……翌朝、シャチが無惨な姿で発見されました。これにより村人の数が人狼より下回ったので人狼の勝ちです。役職は霊能ベポ、占いハクガン、狩人ペンギン、人狼がジャンバールとコラさんでした」
イッカクの淡々とした声が告げる言葉に、固唾を飲んで見守っていた面々が一斉に沸く。
「うおおお! スッゲェコラさん! また人狼サイドで勝ってる!」
早々に咬まれて退場したペンギンが、照れたように頬を掻く男の肩に腕をまわす。
「いやあ、偶々だろ、偶々」
その言葉に、配られた役職カードを回収していたシャチがでも、と割り込む。
「偶然であそこまで尤もらしい嘘をつかれちゃ堪んないスよ! おれ結局仲間だったウニ吊っちゃったじゃないですか」
10228「えー、では……翌朝、シャチが無惨な姿で発見されました。これにより村人の数が人狼より下回ったので人狼の勝ちです。役職は霊能ベポ、占いハクガン、狩人ペンギン、人狼がジャンバールとコラさんでした」
イッカクの淡々とした声が告げる言葉に、固唾を飲んで見守っていた面々が一斉に沸く。
「うおおお! スッゲェコラさん! また人狼サイドで勝ってる!」
早々に咬まれて退場したペンギンが、照れたように頬を掻く男の肩に腕をまわす。
「いやあ、偶々だろ、偶々」
その言葉に、配られた役職カードを回収していたシャチがでも、と割り込む。
「偶然であそこまで尤もらしい嘘をつかれちゃ堪んないスよ! おれ結局仲間だったウニ吊っちゃったじゃないですか」
aoitori5d
DONEローコラ生存If小話。前作『愛を読む』の続きです。いのちの名前 そのとき、世界は一瞬だけ時間を止めたのだと思う。
「ロー……?」
くすんだ、癖のある金髪に、命を思わせる赤い瞳。記憶にあるよりもすこし痩せて見える身体。太陽を知らない、不健康そうな蒼白い肌。すべてが懐かしく、すべてが真新しい。この人の声はこんなにも力なく頼りなく聞こえただろうか? あいつは自由だと、ほうっておいてやれと兄に向って啖呵をきったあの声は、こんなにもか細く、稚いものだっただろうか。
「……そうだよ、ローだ、ローだよコラさん……!」
柔らかなクッションに埋もれるように支えられて寝台から身を起こしていた、その背に腕をまわす。痩せたように見えたのは事実だろうが、それでも腕が回りきることはない。幼い頃はこの背に負ぶわれて短い旅をした。もう遠い過去の記憶のなかの父より倍ほど広い、逞しく温かい背中。以前より筋肉の衰えはあるものの、広さは変わらない。柔らかな綿のシャツの襟ぐりに顔を埋める。すん、と鼻を蠢かせても、香るのは石鹸の優しい甘さだけだ。かつてこのひとに染み込み、一部となっていたニコチンとタールの面影はどこにもない。
12226「ロー……?」
くすんだ、癖のある金髪に、命を思わせる赤い瞳。記憶にあるよりもすこし痩せて見える身体。太陽を知らない、不健康そうな蒼白い肌。すべてが懐かしく、すべてが真新しい。この人の声はこんなにも力なく頼りなく聞こえただろうか? あいつは自由だと、ほうっておいてやれと兄に向って啖呵をきったあの声は、こんなにもか細く、稚いものだっただろうか。
「……そうだよ、ローだ、ローだよコラさん……!」
柔らかなクッションに埋もれるように支えられて寝台から身を起こしていた、その背に腕をまわす。痩せたように見えたのは事実だろうが、それでも腕が回りきることはない。幼い頃はこの背に負ぶわれて短い旅をした。もう遠い過去の記憶のなかの父より倍ほど広い、逞しく温かい背中。以前より筋肉の衰えはあるものの、広さは変わらない。柔らかな綿のシャツの襟ぐりに顔を埋める。すん、と鼻を蠢かせても、香るのは石鹸の優しい甘さだけだ。かつてこのひとに染み込み、一部となっていたニコチンとタールの面影はどこにもない。
aoitori5d
DONE生存Ifローコラ小話。軽度のドフヴィオ、ドフコラ要素があります。惜しみなく与えられた愛はある種暴力だという話。愛を読む 愛を読む
ドレスローザ王宮の内宮奥深くに、国王ドフラミンゴただ一人だけが入れる部屋が存在した。悪魔の実の能力で何もかもを見透かすことのできる王女ヴィオラ……ドフラミンゴファミリーのヴァイオレットでさえもその部屋の内情を知ることはできない。重厚な海楼石の外壁と扉が視界を阻み、ドフラミンゴもまた、その部屋の持ち主について口を開くことは終ぞなかった。彼の信頼する、家族の前でさえも。
その部屋はドフラミンゴの私室に繋がるかたちで隣接しており、前々から存在には気づいていたヴィオラと王城を取り戻したリク王の知るところとなった。“天夜叉”ドフラミンゴが天から墜ちたその日の夕刻。リク王はドフラミンゴの私室──派手好きと思われた彼の外見からは想像もつかないほど簡素で、数多の本に埋もれた──から見つけた海楼石製の鍵で、その重々しく閉じられた扉を開けた。
8734ドレスローザ王宮の内宮奥深くに、国王ドフラミンゴただ一人だけが入れる部屋が存在した。悪魔の実の能力で何もかもを見透かすことのできる王女ヴィオラ……ドフラミンゴファミリーのヴァイオレットでさえもその部屋の内情を知ることはできない。重厚な海楼石の外壁と扉が視界を阻み、ドフラミンゴもまた、その部屋の持ち主について口を開くことは終ぞなかった。彼の信頼する、家族の前でさえも。
その部屋はドフラミンゴの私室に繋がるかたちで隣接しており、前々から存在には気づいていたヴィオラと王城を取り戻したリク王の知るところとなった。“天夜叉”ドフラミンゴが天から墜ちたその日の夕刻。リク王はドフラミンゴの私室──派手好きと思われた彼の外見からは想像もつかないほど簡素で、数多の本に埋もれた──から見つけた海楼石製の鍵で、その重々しく閉じられた扉を開けた。