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    #飯P

    饭p

    summeralley

    DONE15話も書くつもりじゃなかったんだけど、ナメのイチャイチャも、バーもカクテルも書けて楽しかった! 読んでくださった方、ありがとうございます。そのうち全員分の番外を書いて、できれば本にもしたい。
    【飯PネイP】煙るバーカウンターにて(終)/15ライム入りトニックウォーター 送別会シーズンの忙しさも落ち着き、バー『Veil』へは通常の雰囲気が戻ってきていた。とはいえ日曜の夜は、それなりに賑やかだ。繁華街に面した窓は閉まっていて、外の音は聞こえないはずなのに、浮かれた人々の喧騒が店内にまで届いてくる心地がする。
     カウンターの花瓶には、デンデが育てた青い花が飾られていた。かすみ草の白に囲まれて、雲の中に漂っているように見える。
     「悟飯さん、フレーバーは何にしますか?」
    「バニラと……デンデに任せるよ、その方が間違いないから」
    「バニラなら、カルダモンかな? 準備しますね」
     僕の前まで水煙草を持ってきて、デンデが炭を熾こしてくれる。はじめの頃に比べて、すっかり迷いのない手付きだった。忙しい週末は手織りのカーテンに覆い隠されていた水煙草も、デンデが扱えるようになったため、今は見える位置に堂々と置かれている。
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    summeralley

    INFO6/15 星に願いを
    ゆ 28b Summer alley

    新刊『廃墟の灯』
    A5サイズ10章68ページ成人向け。

    廃墟となった無人の街に暮らす飯Pのお話の試し読みです。
    03章を途中まで載せます。NAVIOの方には別の章を載せてますので、興味があって見れる方はそちらもどうぞ~
    【飯P】廃墟の灯/試し読み03.廃墟の街

     砂の散ったアスファルトに、錆びた鉄骨とひしゃげた鉄パイプが転がっている。
     山々のように聳える工場群は今やその役割を終え、徐々に朽ち果てつつあるのが、この距離から振り仰いでも明らかだった。
     ひび割れた舗道には雑草が繁り、道の両端に並ぶ建物の外壁にも蔦が這いまわっている。ガラスはどれも汚れており、庇はことごとく破れて垂れ下がっていた。看板やシャッターの文字はほとんど消え失せ、赤茶けた錆だけが無闇と存在を主張している。
     ピッコロが姿を眩ませたのは、両刃の剣を二人で見た直後だった。
     はじめ数日は、悟飯もデンデたちも、どこかで修業に打ち込んでいるのだろう、と考えた。しかし一週間経ち、十日経ち……それでも戻る様子がない。流石に、こんなに長い期間を留守にするのに一言も告げていないのはおかしい。気が全く感じられず、意図的に身を隠していることは明らかだった。
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    summeralley

    DONEこの人の内面はじめて書いた
    って思ったけどピアニスト飯Pの時に書いてました。あの時はネイPではなかっただけで。

    客🍚とマスター💅のバーテンダーぴ取り合い。ネイP描写多めで書きますがラストは飯P予定。
    【飯PネイP】煙るバーカウンターにて/12ラストワード テーブル席にウイスキーを出すピッコロを、カウンターの中から見ていた。一気に入った注文があれで片付くから、暫くは落ち着くだろう。
     コリンズグラスに、切ったばかりのライムとスペアミントを入れる。バースプーンで軽く潰すと、やや窄まったグラスの口から、涼やかな香りがここまで上がってくる。
     ライムは、通常のレシピよりも少し多く入れる。それがピッコロの好みだと、分かっているからだ。砂糖は入れない。氷を入れ炭酸水を注ぎ、手早く混ぜる。ちょうどカウンターへ戻ってきたピッコロに差し出すと、両手で受け取って笑った。
     「ありがとう、ネイル。足りないものはないか?」
    「今はない。何かあれば声をかけるよ」
     頷いて、カウンター客の前へ戻っていく。読んだ本の内容について、尋ねているらしい。それを受けた彼は身を乗り出すように研究を語り、ピッコロも微笑みながら聞いている。
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