konekonepie
DONE百合さめししのイチャイチャ。下ネタ飛び交ってるけどヤってはいない。直前。大輪は手ずから愛でるもの「獅子神、あなた玩具を挿入して自慰をしたな?」
久々のデート、家で食べる夕食、二人で戯れ合いながらシャワーを済ませた後の、夜。湯上がりのまだ温かい指を絡めながら雪崩れ込んだベッドの上で、黒いキャミソールとショーツに身を包んだオレの可愛い恋人様は唐突にそう言い放った。
へ、と間の抜けた声が唇から溢れて、半ばベッドに押し倒された状態で目を瞬かせた。肘をついて上半身を起こした体勢で暫く思考が止まり、数拍遅れて彼女の——村雨の言っている内容を理解する。
「お、おま、何だよいきなり! いいだろ別にオナニーするくらい!」
あけすけな物言いに顔が熱くなっていくのを理解しながらも、わざわざ指摘されるような事ではないだろう、と言外に訴える。頻繁に会って触れ合う時間を作れるのならともかく、村雨にもオレにもそれぞれの生活と言うものがあるのだ。なかなかゆっくり時間を取れないのはお互い承知の上だったし、同じベッドで寄り添って眠るだけでも幸せだった。
1862久々のデート、家で食べる夕食、二人で戯れ合いながらシャワーを済ませた後の、夜。湯上がりのまだ温かい指を絡めながら雪崩れ込んだベッドの上で、黒いキャミソールとショーツに身を包んだオレの可愛い恋人様は唐突にそう言い放った。
へ、と間の抜けた声が唇から溢れて、半ばベッドに押し倒された状態で目を瞬かせた。肘をついて上半身を起こした体勢で暫く思考が止まり、数拍遅れて彼女の——村雨の言っている内容を理解する。
「お、おま、何だよいきなり! いいだろ別にオナニーするくらい!」
あけすけな物言いに顔が熱くなっていくのを理解しながらも、わざわざ指摘されるような事ではないだろう、と言外に訴える。頻繁に会って触れ合う時間を作れるのならともかく、村雨にもオレにもそれぞれの生活と言うものがあるのだ。なかなかゆっくり時間を取れないのはお互い承知の上だったし、同じベッドで寄り添って眠るだけでも幸せだった。
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DONEふたなりのにょさめ先生と彼氏のイチャイチャふたにょさめ先生と彼氏 獅子神がゆったりと足を伸ばせる程度の広さを確保してある湯船は、私が入るには随分と広く感じられる。彼の真似をしてだらりと足を伸ばそうものなら、そのまま顔まで湯に浸かってしまいそうなくらいだ。
では、そうならないようにしつつ、更に私が足を伸ばしてくつろぐにはどうしたらいいか。簡単な事だ、沈んでしまわないように底を上げてしまえばいい。——厚みも大きさもぴったりで、支えてくれるような優しい恋人そのもので。
「……お前ほんと、カミングアウトしてからオレの上に乗るの好きになったよなあ……」
そう呟く獅子神の膝の上に乗り、逞しい肩を枕にしてゆったりとくつろいでいた私は目を開けた。体が横にずれないように腕を回してくれているうえ、クッション性も申し分ないのだから愛用しても仕方がないだろう。
3416では、そうならないようにしつつ、更に私が足を伸ばしてくつろぐにはどうしたらいいか。簡単な事だ、沈んでしまわないように底を上げてしまえばいい。——厚みも大きさもぴったりで、支えてくれるような優しい恋人そのもので。
「……お前ほんと、カミングアウトしてからオレの上に乗るの好きになったよなあ……」
そう呟く獅子神の膝の上に乗り、逞しい肩を枕にしてゆったりとくつろいでいた私は目を開けた。体が横にずれないように腕を回してくれているうえ、クッション性も申し分ないのだから愛用しても仕方がないだろう。
takamura_lmw
MOURNING101話後捏造カレー回こと「朝が来る」のボツ原稿。そのうちどこかに使いまわしたいのでここに供養しておきます。「朝が来る」で唐突に病衣の話がでてきたのはこのボツ4があったからですね。
原作ししさんに近いのはこのボツ原稿ズだと思うんですが、オチがつかなかったので最終稿はふわふわちゃんになりました。
ボツボツ1
「カレーがあってさ」
と獅子神が言った。村雨はエレベーターへの長い廊下を並んで歩きながら、拳一つほど高い位置にある彼の顔を横目に見上げた。
「深鍋いっぱい。スパイス多めで、肉は牛を軽く焼いてから煮込んだやつ。食うか?」
「いただこう」
よし、と獅子神は頷いて、二人を先導する梅野に「てことだから村雨もオレんちな」と声をかけた。
銀行員は小さく肩をすくめて、「仲が良くて何よりです」と皮肉でもなさそうに言った。
獅子神の家を訪れるのが何度目か、もう数えていないが、他の二人のどちらもいないのは初めてだった。
靴を脱ぎ、エントランスに備え付けのサニタリースペースで手を洗ってから、獅子神の後を追う。家の主人はキッチンシンクで手を泡だらけにしながらこちらを振り返った。
2943「カレーがあってさ」
と獅子神が言った。村雨はエレベーターへの長い廊下を並んで歩きながら、拳一つほど高い位置にある彼の顔を横目に見上げた。
「深鍋いっぱい。スパイス多めで、肉は牛を軽く焼いてから煮込んだやつ。食うか?」
「いただこう」
よし、と獅子神は頷いて、二人を先導する梅野に「てことだから村雨もオレんちな」と声をかけた。
銀行員は小さく肩をすくめて、「仲が良くて何よりです」と皮肉でもなさそうに言った。
獅子神の家を訪れるのが何度目か、もう数えていないが、他の二人のどちらもいないのは初めてだった。
靴を脱ぎ、エントランスに備え付けのサニタリースペースで手を洗ってから、獅子神の後を追う。家の主人はキッチンシンクで手を泡だらけにしながらこちらを振り返った。
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DONE102話がくる前にやっておかねばならなかった賞味期限40分のさめしし(友愛)。フルスロットルで何もかもを捏造しました。皿と火事のコマとか。あと私の性癖である「他意のない同衾」も入ってます。
朝が来る 会場を出た途端、獅子神が頽れた。
それを予想していた村雨はすぐに支えに入ったが、二十キロもウエイト差があってはひとたまりもない。早々によろけ出したのを、渋谷がひょいと代わった。
「村雨くん、足腰鍛えた方がいいんじゃない?」
「必要十分の筋力はある。この男がデカすぎるだけだ」
「それはそうかもしれないけどさ」
うわ言のように獅子神が「わりぃ……」と呟いた。がくりと俯いた顔を覗き込んで、顔色を確かめる。幾分青ざめてはいるが、目の焦点はきちんと合っている。何か話せ、と喋らせても、呂律が回らないということもない。本当に頑丈な男だった。
梅野が廊下の奥に視線を送って言った。
「一応銀行(こちら)で用意した医者が待機していますが」
6994それを予想していた村雨はすぐに支えに入ったが、二十キロもウエイト差があってはひとたまりもない。早々によろけ出したのを、渋谷がひょいと代わった。
「村雨くん、足腰鍛えた方がいいんじゃない?」
「必要十分の筋力はある。この男がデカすぎるだけだ」
「それはそうかもしれないけどさ」
うわ言のように獅子神が「わりぃ……」と呟いた。がくりと俯いた顔を覗き込んで、顔色を確かめる。幾分青ざめてはいるが、目の焦点はきちんと合っている。何か話せ、と喋らせても、呂律が回らないということもない。本当に頑丈な男だった。
梅野が廊下の奥に視線を送って言った。
「一応銀行(こちら)で用意した医者が待機していますが」
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DONE先生お誕生日おめでとうの付き合ってるさめしし。101話までのバレを含む。約一時間半の突貫なので、あとで手を入れます。→1/7修正しました。
お誕生日おめでとう☔️先生。すこやかであれ。
「誕生日、おめでとう」 誕生日を祝われたことがなかった。
成人し、投資家として横のつながりができてから、たまたま会合やパーティの日に誕生日だとバレて飲み歩きに巻き込まれたことはあるが、あれは単に酒の口実にされただけだろう。
オレは誰かに、きちんと、誕生日を祝ってもらったことがない。
だから、恋人の誕生日に何をしたらいいのか、オレには見当もつかなかった。
ネットで調べたところ、付き合って初めて迎える恋人の誕生日のプランとしては、①洒落たディナー、②やや高価なプレゼント、③雰囲気の良いホテルで一泊、などが定番らしい。
ところがうちの村雨先生は、到底定番なんかに納まるようなタマじゃない。こっそり——八割がたはバレている気がするが——尋ねてみたところ、①洒落たディナーよりあなたの作る夕食がいい、②欲しいものは自分で買うし今欲しいのは新しい開腹用の検体、③ホテルのシーツが合わないことがあるので面倒、ときた。
3582成人し、投資家として横のつながりができてから、たまたま会合やパーティの日に誕生日だとバレて飲み歩きに巻き込まれたことはあるが、あれは単に酒の口実にされただけだろう。
オレは誰かに、きちんと、誕生日を祝ってもらったことがない。
だから、恋人の誕生日に何をしたらいいのか、オレには見当もつかなかった。
ネットで調べたところ、付き合って初めて迎える恋人の誕生日のプランとしては、①洒落たディナー、②やや高価なプレゼント、③雰囲気の良いホテルで一泊、などが定番らしい。
ところがうちの村雨先生は、到底定番なんかに納まるようなタマじゃない。こっそり——八割がたはバレている気がするが——尋ねてみたところ、①洒落たディナーよりあなたの作る夕食がいい、②欲しいものは自分で買うし今欲しいのは新しい開腹用の検体、③ホテルのシーツが合わないことがあるので面倒、ときた。
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DONE診断メーカー(https://shindanmaker.com/392860)「さめししへのお題は『落とし穴にご注意を』です。」より。初出はtwitterです。
🦁くんは感情に潔癖なところがあるのと自己肯定感が底を打ってるので自己嫌悪で大変なことになっているが、☔️さん的には両思いなので告って恋人になったくらいのつもりでいるやつ。このあと拗れてくっつく。
The Fall 人生にはいたるところに落とし穴がある。オークション落ちするギャンブラーなどは分かりやすい例だ。落とし穴はこれ見よがしに掘られている場合もあれば、ほんの小さなくぼみのように見えて、油断しているとあっという間に転落してしまうこともあり、避けられるものも、避けられないものもある。
避けられないと悟った時には、できるだけ傷を少なくする機転が必要だ。落ち方や、そのタイミング、這い上がる準備など。落ちないに越したことはないが、どうしようもなく落っこちてしまった場合でも、備えてさえいれば致命傷にはならない。人よりだいぶ落とし穴の多い人生を、オレは今までそうやって生き延びてきた。
だからきっとこの落とし穴も、そうしてやり過ごせるはずなのだ。
3684避けられないと悟った時には、できるだけ傷を少なくする機転が必要だ。落ち方や、そのタイミング、這い上がる準備など。落ちないに越したことはないが、どうしようもなく落っこちてしまった場合でも、備えてさえいれば致命傷にはならない。人よりだいぶ落とし穴の多い人生を、オレは今までそうやって生き延びてきた。
だからきっとこの落とし穴も、そうしてやり過ごせるはずなのだ。
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DONE荊棘(おどろ)さまのおやしろシリーズ(異種婚姻譚さめしし) 土砂崩れ、人死に、先生が完全に邪神。贄しょたししくんが神様の村雨先生のところに来てから数年後のシーンを書きたくなったので書いた。
しょたししくんがなんで金髪碧眼なのか、って言うのがちょっと関わってますが雰囲気で読んでおくれ。
消失 静まり返った村を歩く。小さいながらも活気に溢れていた様子も今は何処にも無く、流行り病に侵された人間の嘆く声だけが細く聞こえてくるだけだ。そして、この村は消える。病を齎した長雨が、彼等に最期を運んでくるのだ。
村の中心にあたる道を歩いていると、一軒の家の前で男が一人蹲っていた。側に水桶があるのを見るに、何度か動く体に鞭打って病人の為に水を汲みに行こうとした、と言ったところだろうか。どうやら家を出た時点で彼自身も力尽きてしまったらしく、か細い息をしながらなんとか生きている。
「誰、だ……」
男がゆっくりと顔を上げて私を見たが、私は答えない。答える義理がそもそも無い。それでも男は見慣れぬ私の風体に旅人だと思ったのか、距離を取るように家の壁にもたれ掛かった。
2486村の中心にあたる道を歩いていると、一軒の家の前で男が一人蹲っていた。側に水桶があるのを見るに、何度か動く体に鞭打って病人の為に水を汲みに行こうとした、と言ったところだろうか。どうやら家を出た時点で彼自身も力尽きてしまったらしく、か細い息をしながらなんとか生きている。
「誰、だ……」
男がゆっくりと顔を上げて私を見たが、私は答えない。答える義理がそもそも無い。それでも男は見慣れぬ私の風体に旅人だと思ったのか、距離を取るように家の壁にもたれ掛かった。