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1111狂聡ワンドロワンライ 紅葉 額葉枯れのころ 中学最後の秋に修学旅行で東京に行った。
大阪から東京は想像以上に遠くて、兄が住んでいるのはこんなにも遠い場所なのかと驚いたのを覚えている。スケジュール通り各地の観光名所を巡り、最終日前日の自由時間には流行っているというよく分からない食べ物や飲み物を持って大きな公園に連れて行かれ、女子が写真を撮り続けるのに付き合わされた。と言っても、聡実は邪魔が入らないように周囲を見ながらただ彼女たちを横目にぼーっと風景を眺めてるだけだった。30枚、40枚近く撮影しそろそろ終わりかという頃に動画を撮り始めた。またなん十回とリテイクするのでとっくに胃袋に収まった食べ物のごみと、楽しそうにしている女子にも声をかけて不要なゴミを回収し、近くのゴミ箱へ捨てに行った。人工物と自然のちょうど真ん中のような、計算され管理されている植物たちはちょうど紅葉し始めた季節で、青い空に映えた赤や黄色がとても美しく聡実はスマホを取り出して写真にその風景を収めた。空とビルと紅葉、SNSでよく見るその構図は実際に目にすると確かに写真に撮りたい衝動に駆られるものであった。親と兄に写真を送り、スマホをしまおうと思ったその時、ふと成田狂児のトークを開いて写真を送ろうかと思った。今まで何かを送ろうと思っても言葉が浮かばなくて何度も入力しては消し、あの日以来トークを進められずにいる。ふと、間違ったフリでもすれば良い会話のきっかけになるかなと思ったが、友人に声をかけられて送れないままスマホをカバンにしまった。
3789大阪から東京は想像以上に遠くて、兄が住んでいるのはこんなにも遠い場所なのかと驚いたのを覚えている。スケジュール通り各地の観光名所を巡り、最終日前日の自由時間には流行っているというよく分からない食べ物や飲み物を持って大きな公園に連れて行かれ、女子が写真を撮り続けるのに付き合わされた。と言っても、聡実は邪魔が入らないように周囲を見ながらただ彼女たちを横目にぼーっと風景を眺めてるだけだった。30枚、40枚近く撮影しそろそろ終わりかという頃に動画を撮り始めた。またなん十回とリテイクするのでとっくに胃袋に収まった食べ物のごみと、楽しそうにしている女子にも声をかけて不要なゴミを回収し、近くのゴミ箱へ捨てに行った。人工物と自然のちょうど真ん中のような、計算され管理されている植物たちはちょうど紅葉し始めた季節で、青い空に映えた赤や黄色がとても美しく聡実はスマホを取り出して写真にその風景を収めた。空とビルと紅葉、SNSでよく見るその構図は実際に目にすると確かに写真に撮りたい衝動に駆られるものであった。親と兄に写真を送り、スマホをしまおうと思ったその時、ふと成田狂児のトークを開いて写真を送ろうかと思った。今まで何かを送ろうと思っても言葉が浮かばなくて何度も入力しては消し、あの日以来トークを進められずにいる。ふと、間違ったフリでもすれば良い会話のきっかけになるかなと思ったが、友人に声をかけられて送れないままスマホをカバンにしまった。
esukiyu3
MOURNINGハロウィンかきたかったんですけど、オチが行方不明になりました……トリックオアトリート「俺な、聡実くんとコスプレエッチしたいんやけど」
狂児がそう言ったとき、聡実はちょうど狂児が持ってきた高そうなココアをマグカップで練っていたところだった。
(ココアって練ると美味しくなる言うけど、ほんまなんやろか?)
半信半疑、それでもせっかくのココアなんだから美味しい方がいいだろうと、ココアをねりねり、ねりねりしていたときに、四畳半の部屋の中で狂児がそんなことを切り出したのだ。
聡実はココアを練りながら狂児に問う。
「なんでコスプレエッチ?」
「もうすぐハロウィンやから」
すぐに狂児は答えた。
「どんなの僕に着せたいん?」
「こう、露出の多そうなやつやな」
「え、僕、女やないんやけど。乳ないで」
「別に乳なんていいねん。聡実くんのそのスラッとした首とか、握ったら折れそうな腕とか、めっちゃ舐めまわしたいんよ」
3243狂児がそう言ったとき、聡実はちょうど狂児が持ってきた高そうなココアをマグカップで練っていたところだった。
(ココアって練ると美味しくなる言うけど、ほんまなんやろか?)
半信半疑、それでもせっかくのココアなんだから美味しい方がいいだろうと、ココアをねりねり、ねりねりしていたときに、四畳半の部屋の中で狂児がそんなことを切り出したのだ。
聡実はココアを練りながら狂児に問う。
「なんでコスプレエッチ?」
「もうすぐハロウィンやから」
すぐに狂児は答えた。
「どんなの僕に着せたいん?」
「こう、露出の多そうなやつやな」
「え、僕、女やないんやけど。乳ないで」
「別に乳なんていいねん。聡実くんのそのスラッとした首とか、握ったら折れそうな腕とか、めっちゃ舐めまわしたいんよ」
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DOODLE45実くんと20児、70児と39.14それとおわりにぜんぶ真夏の夕方。
「うち来る?」
迷子の子猫に話しかけるような声で聡実は問いかけた。
「おっさ…お兄さん、いくつ?」
「45」
「えぇ、見えへん…」
狂児は素直に驚きの声をあげた。
「年下扱いされ続けた結果かな、いつも実年齢より若くみられんねん。結構気にしてんねんけど、一向に追い付かんな年齢に…」
「ええことやん、若いの」
「そうとも言えへん。ほんで、うちくるか?」
「あぁ、えっと…残念やけど俺男無理やねん。ごめんね」
「行くとこあんの?」
「ないねんけど、まぁどっか当たってみるわ」
「見つかるまででもええよ」
「あぁ、うん。」
「いやなら無理強いは出来へんけど」
「ちゃうねん、あんな、男のお兄さんにお礼したくても俺上手に出来へんねん。ていうか無理やねん、さっきも言うたけど。何もせん奴が家におるだけやったら邪魔やろ」
6463「うち来る?」
迷子の子猫に話しかけるような声で聡実は問いかけた。
「おっさ…お兄さん、いくつ?」
「45」
「えぇ、見えへん…」
狂児は素直に驚きの声をあげた。
「年下扱いされ続けた結果かな、いつも実年齢より若くみられんねん。結構気にしてんねんけど、一向に追い付かんな年齢に…」
「ええことやん、若いの」
「そうとも言えへん。ほんで、うちくるか?」
「あぁ、えっと…残念やけど俺男無理やねん。ごめんね」
「行くとこあんの?」
「ないねんけど、まぁどっか当たってみるわ」
「見つかるまででもええよ」
「あぁ、うん。」
「いやなら無理強いは出来へんけど」
「ちゃうねん、あんな、男のお兄さんにお礼したくても俺上手に出来へんねん。ていうか無理やねん、さっきも言うたけど。何もせん奴が家におるだけやったら邪魔やろ」
mihai4718
PROGRESSきょさとパロディside k
「僕に相談されても、僕は何も言えませんよ。」
油絵の修復家である岡聡実は、俺の恋人である。いつも東京と大阪で離れて暮らす俺たちだが、今日は諸用があり、彼を車で迎えに来た。
外は暑く、聡実くんの白い額が光り、前髪が貼り付いている。車から出て、その額に掛かった前髪を指でそっと払った。彼は汗っかきなのである。元々、体温から高いのだろう。赤児のように生のエネルギーが身体に凝縮されていると思う。
「ごめんな、呼び出して。待たせたか?」
助手席を開けると、ありがとうございます、と律儀にお礼を言い、聡実くんは乗り込んだ。
自分も運転席に乗り込んで、シートベルトをすると、聡実くんは先程の話を続けた。
「組長さんからの依頼って絵のことでしょう? 価値とかも付けられませんよ、僕。僕の仕事ちゃうから。」
2951「僕に相談されても、僕は何も言えませんよ。」
油絵の修復家である岡聡実は、俺の恋人である。いつも東京と大阪で離れて暮らす俺たちだが、今日は諸用があり、彼を車で迎えに来た。
外は暑く、聡実くんの白い額が光り、前髪が貼り付いている。車から出て、その額に掛かった前髪を指でそっと払った。彼は汗っかきなのである。元々、体温から高いのだろう。赤児のように生のエネルギーが身体に凝縮されていると思う。
「ごめんな、呼び出して。待たせたか?」
助手席を開けると、ありがとうございます、と律儀にお礼を言い、聡実くんは乗り込んだ。
自分も運転席に乗り込んで、シートベルトをすると、聡実くんは先程の話を続けた。
「組長さんからの依頼って絵のことでしょう? 価値とかも付けられませんよ、僕。僕の仕事ちゃうから。」
osPeDxywoJTAXCa
MOURNING存在を忘れていたものを発見しましたので供養です。恐らく誤魔化すためと思われるメモのタイトルが「きょさとだよ!全員集合」ていう時点でもうアレよね(アレ)
覚えていないんですが、書いたのは多分サンワより前なんじゃないかと思います。
なんか暇つぶしと思ってふんわり読み捨ててください。 4
mitaka_05050401
DONE自転車の鍵を無くしたと聡実くんのお話狂児さんは出てきません
(一部、実体験がベースになっています)
ブルガリない!ない!ない!!
聡実は焦っていた。
大学の先輩から格安で譲り受けたキィキィと軋む音を奏でる赤い自転車。
その鍵が見つからない。
古いけれど、なんとなくハンドルが歪んでいる気がするけれど、譲る前にラッカーが残っていたからと、飼ってもいない犬の犬小屋を制作した先輩が塗り直してくれた赤い車体のママチャリを、聡実は気に入っていた。
近場での買い物にも、歩けない距離ではないけれど、乗っていけば格段に楽になるバイト先の道程にも便利な、キィと鳴く愛車。
その鍵が、見つからない。
玄関横の冷蔵庫の上。そこが定位置。
靴を脱ぐのと同時にいつのも場所へ置いたはずなのに、出掛ける直前に、手を伸ばしてもシルバーのキーリングが付いた鍵はそこになかった。
2091聡実は焦っていた。
大学の先輩から格安で譲り受けたキィキィと軋む音を奏でる赤い自転車。
その鍵が見つからない。
古いけれど、なんとなくハンドルが歪んでいる気がするけれど、譲る前にラッカーが残っていたからと、飼ってもいない犬の犬小屋を制作した先輩が塗り直してくれた赤い車体のママチャリを、聡実は気に入っていた。
近場での買い物にも、歩けない距離ではないけれど、乗っていけば格段に楽になるバイト先の道程にも便利な、キィと鳴く愛車。
その鍵が、見つからない。
玄関横の冷蔵庫の上。そこが定位置。
靴を脱ぐのと同時にいつのも場所へ置いたはずなのに、出掛ける直前に、手を伸ばしてもシルバーのキーリングが付いた鍵はそこになかった。
itebosi_3
DONEにゃω太郎さん、大変お待たせ致しました。例のビンゴ大会の景品です🏆ビンゴで出た5個の要素は盛り込んでありますが、少々重めのストーリーになってしまいました……お待たせしたのにすみません🙏🏻💦
のちほど支部にも公開しますが、まずは優勝者さまへ──ご査収ください。 18309
ひなた
DOODLE聡実くん、お誕生日おめでとう!聡実 19歳 大学2年生、狂児 43歳。
小林アニキ大活躍。
ハッピーフールバースデー!「た、だいま戻りました…」
「おーおーおー狂児、ご苦労やったなぁ!!で、回収は?どうやった?」
「つっっかれた…あのハゲ社長、めっちゃ抵抗しよってから…最初は優しゅう言うてやったんや。それがなんや、来月になったらとか額がおかしいとかいらんことほざいて誤魔化そうとしよって。ウチで金借りたんお前やっちゅうねん。しゃあないから縛り上げて裏山引き摺り込んで、目の前で穴掘ったって、金返さんのやったら生きたまんま穴ん中ぶち込んだるで言うて最後の最後、ようやく金の在処、吐きましたわ」
「あちらさんも年度末越えたらなんとかなる思うとったんやろ。けど、マツリ相手にそうはいかんわなぁ〜!」
泥のついたアタッシュケースを小林に渡すと、狂児は事務所の奥、祭林組の代紋が飾られた壁の前にある黒革のソファーに疲れた身体を投げ出すようにどかっと座り、大きくため息を吐いた。
6808「おーおーおー狂児、ご苦労やったなぁ!!で、回収は?どうやった?」
「つっっかれた…あのハゲ社長、めっちゃ抵抗しよってから…最初は優しゅう言うてやったんや。それがなんや、来月になったらとか額がおかしいとかいらんことほざいて誤魔化そうとしよって。ウチで金借りたんお前やっちゅうねん。しゃあないから縛り上げて裏山引き摺り込んで、目の前で穴掘ったって、金返さんのやったら生きたまんま穴ん中ぶち込んだるで言うて最後の最後、ようやく金の在処、吐きましたわ」
「あちらさんも年度末越えたらなんとかなる思うとったんやろ。けど、マツリ相手にそうはいかんわなぁ〜!」
泥のついたアタッシュケースを小林に渡すと、狂児は事務所の奥、祭林組の代紋が飾られた壁の前にある黒革のソファーに疲れた身体を投げ出すようにどかっと座り、大きくため息を吐いた。