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    #伏五

    volt5
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    kyou99999

    DOODLE第3回 お題「半分こ」 伏五版ワンドロワンライ「恵さ、前僕にプロポーズした時僕の人生半分背負うって言ってたよね」
    「唐突に何なんですか」
    「なんかふと思い出して」
    「言ってませんね。記憶違いです。あとプロポーズはまだしてません」
    「え~言ったよ~」

    ごろごろとベッドの上を転がる五条の姿は、今から色事に及ぼうとしている人の様には全く見えない。
    伏黒が浴室から戻ってくると、五条は既に全裸にサングラスという傍から見れば異様な格好で布団もかけずにスマホを弄りながら転がっていた。
    その姿は伏黒の欲を煽るというよりも、だらしがないという印象しか与えなかった。

    「ほらあの時さ、人生がどうとか時間どうとかそういうの俺にくれみたいな事なんか言ってたじゃん」

    あの時、とは勢い余って五条に自身の想いを伝えてしまった時のことだろうか、と伏黒は当時の状況を思い返す。

    「まぁ似たような事は言いましたけど」

    伏黒は言葉を紡ぎながら五条が転がるベッドへと腰かけると五条の髪を指で梳く。やっぱりちゃんと乾かしていなかったんだな、と伏黒はひとりごちた。

    「人生半分背負うなんて言ってません。アンタの人生なんて半分にしたところで通常の1人分以上の重さあるんです 1190

    kikhimeqmoq

    DONE2020年バレンタインの修正再放送です。
    恵たちが高専1年生で、五条先生にチョコをあげる話なので、未来捏造どころかパラレルになってしまいましたが、こういう日があったらよかったのになあという気持ち。っていうのは半分建前で伏五にチョコ食いながらキスして欲しかっただけです。すみません。
    「伏黒、家入さんが呼んでるって」

    その日の授業が終わり、中庭に向かう時だった。二年生が体術の稽古をつけてくれる約束だったので。
    職員棟から走ってきた虎杖は、扉の隙間からそれだけを告げ、風のように駆け抜けていった。ドタバタという足音と意味のない咆哮が遠ざかっていく。相変わらずうるせえな。

    家入さんだったら保健室か。
    保健室というよりも実験室と言った方が正確であろう半地下の部屋は、入口から薄暗い。黄ばんだ引き戸を開けると、少しだけ消毒液のにおいがした。何だか緊張する。
    保健室に来る時は大抵怪我をしているか、ミスって呪われた時か、捕獲した呪霊を実験台にする時ぐらいで、何の用事もなく来る場所じゃない。最近の任務は単純なものばかりで暇なので、特殊事例の聴収もないはずだ。
    それなのに、家入さんが?俺を呼んでるって?







    「めぐみぃ、来た?」

    保健室の中から聞こえた声は、予想していたものではなかった。
    その声に咄嗟に口を尖らせる。
    家入さんじゃないということは別にいい。その声が、聞きなれた男の声だというのが面倒くさい。また碌でもないことを始めたか。
    間延びした声で俺を呼ぶ人は、背が高 3510

    kyou99999

    DONE #勝手に伏五ワンドロワンライ に参加させていただきました。
    お題「チョコレート」
    「おっっっそい!」
    「え~、4分しか遅れてないしまだ開店前じゃん~。僕にしては頑張った方だよ?」
    「確かに先週よりはマシだけど、これは戦争なのよ。開店前到着は当たり前でしょ」

    五条悟と釘崎野薔薇はデパートの入り口に居た。まだ開店前であるにも関わらず、既に何人もの人間が集まっている。多くは女性で、ただでさえ目立つ五条が飛び抜けて人目をひいていた。
    世はバレンタインデー直前。気になるあの人に、恋人に、パートナーに、と甘い思い出を求めてチョコレートを買い求める人はもちろん、友人に渡す友チョコ買いに来る人もいる。しかし近年ではますます自分用に高級チョコレートを買い求める若い女性の需要が増え、それに則した商品を売り出す企業も多く存在する。
    今日2人がこの場所を訪れた理由も、この数日間だけ数量限定で販売されるチョコレートを自分用に入手するためだった。
    五条と釘崎は1月末から休みが合った日は毎回必ず東京近郊のデパートに繰り出している。釘崎は熱心に調べ物をし、各店の特徴や販売個数、販売時期などを調べることは苦にならなかったし、五条は荷物持ちや混雑した通路を切り開くことに長けていた。利害の一致である。 1401

    kikhimeqmoq

    DONE2021/01/31 ワンライお題 大人/秘密/夢(の中) 670字。 小三の恵。モブ視点。五条出てこない。短いしただのネタです…。「大人になったら何になりたいか、自分の夢を書きましょう」
    黒板の前でニコニコと笑う先生が言うと、クラス中がざわざわと落ち着きなく喋りはじめた。
    まだ三年生の私たちが、黙ったまま夢を紙に書くなんてできやしない。「どうする?」「俺、なんもねえわ」「テレビ出たい」「やだーなれるわけないじゃん」。
    騒がしい教室で、隣の彼を覗いてみると、黙って何か書いていた。伏黒くんは口数が少なく、ノリもあんまりいい方じゃない。落ち着いた大人っぽい雰囲気が格好いいと密かに女子には人気があったが、ウチらを馬鹿にしていると怒る子も多かった。授業中は寝てるんじゃないかな、と思うぐらい静かな時が多い。そして自分のことをあまり教えてくれない。秘密主義だ。
    今日はでも、いつも通り無口ではあったけど、紙に何か一生懸命書いている。秘密の多い伏黒くんが、何と書いているのか凄くすごく気になって、彼の手元を覗いてしまう。

    「ちょ、おまえ見るなよ」
    「なにそれ?」
    「うるせえ」

    伏黒くんが書いた紙を見たくて堪らない私は、乗り出しすぎたみたいで、彼は私が覗いていることにすぐに気がついた。そして書いていた文字を消しゴムで力一杯消してし 670

    kikhimeqmoq

    DONE2021/01/23 2300字 恵が高専1年で、伏五は付き合ってます。五条の家で迎えた夏の朝の描写。あんまり何も起きないです。山の群青が濃くなったかと思うと、すぐに稜線が金色に光り、あっという間に空が黒から青になる。夏は夜のうちから気の狂った蝉が鳴いているが、朝になれば本格的に合唱が始まる。ここにいると煩いし暑いしそろそろ移動しないとな、と思いつつ二本目に火をつけた。
    「朝っぱらから人んちのベランダで何してんのこの不良は」
    「ベランダが駄目なら部屋で吸ってもいいんですか」
    「それは嫌」
    じゃあ仕方ないでしょ、と言って煙を吐くと彼が長い腕を伸ばして咥えていたものを取り上げた。高専に入ってから禁煙したが、事後はどうしても吸いたくなることを最近知った。現実逃避にちょうどいいのだ。何も考えずに火をつけてボンヤリすると、夜あった出来事が煙と一緒に消えていくような気がする。自分がどれだけ必死だったかとかそういうことが。
    「寝てないの?」
    まだ長かった煙草を柵に押し付けながら、彼はだらだらと話し始める。頭を緩く振ると「あ、そう」といって面白くなさそうに口だけで笑った。
    「やると早起きだよね。恵は。何にも無いと授業も平気で遅刻してくるぐらい寝坊助なのに」
    朝からデリカシーのない声が蝉の合唱に混じって霞む。彼は話し続けるが、何 2310

    kikhimeqmoq

    DONE2020/01/21 慶長禪五(伏五)。ご先祖の御前試合の話。あまり伏五関係ないです。タグつけてすみません。禪院が年上で26歳、五条が年下で13歳。生きる方の話です。全速力で宙を駆け、後ろから大股で近づいてくる魔虚羅を引き付ける。
    巨体の向こうでは大勢の者が慌てふためき、恐れ、怒り、逃げ惑っていた。
    喚き叫ぶ声の中から、ひときわ大きな力強い声で「主上をお守りせよ」と命じる声が聞こえた。あの側近は仕事ができる。帝は無事だろう。

    「もうやるか?」

    やかましい風の音に混ざり、背後から緊張した五条の声が聞こえた。

    「まだだ。もっと山までおびき寄せてから」

    急く若者を制しながら鵺を呼び出した。速やかに現れ、主を待つためゆるく飛ぶ式神の背に向け、先に五条を投げた。ばふんと勢いのある音がしたが、回転して受け身をとった五条は背中の中央に膝立ちになっている。それを確認した禪院は、すぐに自分も飛び乗った。

    「このまま山の頂上まで飛ぶ。五条、そこでおまえが一気に片付けろ」

    いいか、魔虚羅に同じ攻撃はできん。一度きりだ。頼んだぞ。

    背を叩くとバシンと中身の詰まった音がした。叩いた指が痛い。このところ手合わせするたびに大きくなっていると感じていたが、ここまでとは。
    禪院が頼むまでもなく、六眼と五条家相伝の術式を得たこいつは、神を落とそうとしたとて仕損じることは 3800

    kikhimeqmoq

    DONE2020/01/21 慶長禪五(伏五)。ご先祖の御前試合の話なので、ほんのり匂わせ伏五です。禪院が年上で28歳、五条が年下で15歳。しぬ方の話です。こんな風に笑うことがあるのだと初めて知った。

    五条の知る禪院は薄い唇をムッツリと閉じ、切れ長の目を剣呑に光らせていた。笑顔といえば薄笑いか嘲笑いがせいぜいで、口を開けて笑うところなど、15歳のこの日まで一度も見たことは無かった。

    今はどうだ。五条が新しい術式をもって打ちつけるたび、新しい玩具を手にした子供のように目も口も丸くして喜んでいる。

    会えば喧嘩ばかりしていた。お互い御三家嫡男として幼い頃から関わりがある。しかも自分は禪院よりも十も年下で、物心がついて気がつけば既にそこにいる者として存在していた。いつ会っても目障りな存在として。

    幼少であろうが年が離れていようが年上なはずの禪院は若い五条を煽り、手合わせだといって打ちのめした。五条が成長し、いつか禪院を超えるのだと鍛錬しても、こいつはこいつで式神や術を増やした。

    お互い長じて嫡男となり、家と家との都合で顔を合わせれば、容赦のない突っ込みばかり。口数こそ多くはないが、五条の隙を見つけてはロクでもない意見を披露した。五条が怒りで顔を赤くすれば、禪院は涼しい顔で薄く笑う。かなり腹が立った。が、その流し目は美しいと思っていること 4260