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    Tofu_funya2

    @Tofu_funya2

    己の欲望を吐き出すだけです。

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    Tofu_funya2

    DONE愛を伝える術は言葉だけに非ず。
    面倒なことから逃げることをやめた杉下が、桜に対してどのような考えを巡らせているのか。
    愛を言葉にしたいけれどできない、桜の方へ一歩踏み出したいのに尻込みしてしまう。そんな杉下の笑えてしまうほどに不器用な恋模様を見届けてやってください。
    言葉足らず、分かち愛 杉下京太郎は悩んでいた。
     梅宮さんの畑の苗が上手く育たないこと?違う。小テストの結果が見るも無残で、どう祖父母に言い訳をするかということ?違う。
     悩みというのはそう、桜遥との関係性に悩んでいた。
     桜とは少し前に想いを通じ合った仲……要はお付き合いをしている状態ではあるが、如何せん二人とも恋愛初心者なので何も発展がない。いつも通り言い合いをして、小突き合いなんかもして周りに宥められての繰り返し。何も変わらない、付き合う前と変わらぬ日常を過ごしている。これで良いのだろうか?と思うのだが、従来の口下手が邪魔をして何を伝えられる訳でもない。愛の言葉なんて以ての外だ。逆も然りで、桜から何か囁かれるわけでもない。もちろん、喧嘩以外で触れ合うこともない。そんな状態で時間だけが無情にも流れるのだ。そうして今日もただこうして、桜が周りの友人らと楽しげにしている様子を一人離れて眺めていることしかできない。
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    Tofu_funya2

    DONEお誕生日おめでとう、🌲

    ⚠️🌲の祖父が出てきます
    ⚠️勝手に🌲の赤子の頃の思い出を語っています
    ⚠️ほんのり香る程度の🌲🌸
    藤黄色の祝福を 夏のあの嫌になるくらいの蒸し暑さは何処へやら。
     空は澄み渡り、空気がカラッとしている。所謂、秋晴れというやつだ。緑の多かった木々たちはその多くが色褪せており、はらはらと葉を落とし始めている。
     そんな中、老人はとある神社へ来ていた。腕の中には藍白のおくるみに包まれたまだ生まれて間もない赤子。老人の腕の中がよっぽど心地好いのか、ぐずりもせず朗らかな顔を見せている。老人はそんな赤子の鼻を指先でちょん、と一つ触れてやる。赤子はふにゃりと笑った。
     ざっざっ、と神社の砂利を踏みしめながらとある場所へ向かう。少しばかり歩いた所、あまり人気の無いところにソレはあった。
     それはそれは立派なイチョウの木である。
     見上げれば鮮やかな黄色が空を彩っている。一つ、二つと落ちるイチョウの葉がまるで赤子を祝福しているかのように思えた。老人が赤子の顔を見遣ると、赤子は舞い落ちるイチョウの葉が気になるのか目をいっぱいに見開いている。老人の目と同じ色をした瞳は陽の光を受けきらきらと輝き、まるで宝石のようだ。ふ、と老人は笑みを零しながら赤子を抱え直す。イチョウの木の周りをゆっくりと歩きながら赤子へ声を掛けた。
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