そんな、反転くんのはなし。ボクの住んでいたオウチにはトモダチが2人いた。
大きいトモダチと小さいトモダチ。
大きいトモダチはよく小さいトモダチをからかっていたけど、多分イジワルじゃなかったんだと思う。
小さいトモダチはボクを大事に大事にしていた。
ただ、マママは2人とは違った。
ボクを気味悪がってゴハンの時に小さいトモダチのそばに座るボクを見ては嫌そうな顔をしていた。それで大きいトモダチに言ったんだ。
あの気味の悪い人形を壊してこい。落書きをしたっていい。とにかく弟が人形と遊びたくなくなるくらいにしてこい、と。
大きいトモダチは、小さいトモダチがボクを大切にしていたのをよく知っていたからすごく悩んだんだと思う。
だけど、結局ママの怖さには敵わなかった。
小さいトモダチが出かけている間に、ボクに何度も何度も「ごめんね、ごめんね。」って言いながら目から雫をこぼした。
雨よりも熱い、雫だった。
大きいトモダチはボクの顔に何かを描いたあと一思いにボクの首を後ろに回した。それから、ポイと僕を投げて部屋から走っていった。
しばらくして、上機嫌の小さいトモダチが部屋に入ってきた。
それからボクに気づいて一言「怖い。」と言った。
「ママっママァ…怖いよ、お人形の首がっ、」
ママは決して大きいトモダチにさせたことだとは言わなかった。
「呪いよ、呪われてるのよ。」とすぐにボクをゴミ袋に突っ込んだ。
それから、ボクは二度と小さいトモダチとも大きいトモダチとも会うことは出来なくなった。
冷たい、冷たい雨の日だった。どこまで来たのかどこから来たのかも分からない。
首が逆になっているから前後もわからない。
ただ一つわかるのは自分の体が自由に動かせるということ。
それから、ずっと願っているのはトモダチのそばにカエリタイということ。