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    よーでる

    推敲に超時間かかるタチなので即興文でストレス解消してます。
    友人とやってる一次創作もここで載せることにしました。

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    よーでる

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    世界観説明、魔物編。今更ですが語り部は人に物を教えるときは相手に敬意を持てと命じられているので敬語と素の語りが混在しています。
    龍とか魔物の具体例は個別に話で出したいのでひとまずは概要の覚書…

    ##龍のうたった祭り歌
    #龍のうたった祭り歌
    festivalSongsSungByDragons

    魂から生える魔物について さて、ゆらぎによって万物が構成された今の世界。
     ゆらぎは【霊力】と呼称され、様々な現象を引き起こす原動力となっています。精霊がこの世界を維持し運営しているのもそうですね。この世界は湖面の波紋で出来た虚像と言えるかもしれません。
     はいはい、怖がらないで。肝心なのは、この場合の万物が文字通りの万物……物質のみならず概念や精神にまで及んでいることです。

     生き物が死ぬと、その亡骸は大地と大気に還ります。時間はかかるけどね。水分は蒸発し、肉は腐り、虫たちの餌となって……え? さっきと別の意味で怖い? ぁ、やば。幼年期の人間にグロいこと言うのダメだったっけ。怒られる……今のないしょね?
     えーと話を戻して、霊力も同じだよ。生き物が死ぬと、その体と心を構成していた霊力は拡散して世界に、即ち精霊に還っていく。時間はかかるけどね。
     そう。この時間が問題だ。拡散と還元は緩やかで、特に生き物の末期が辛く苦しい思念で占められていると、その霊力……わかりやすく魂と呼ぼうか。魂は精霊に還るのを拒み、長く残留する。

     ここではっきりさせておきたいのは、肉体との結びつきが切れた魂は不安定な状態だってこと。記憶を蓄え引き出す脳を失い、世界を感じ取る感覚器官もなく、世界に触れる手足もない。ただ霊力だけが精霊と触れ合っている、そんな状態だ。
     遺っているのは末期の思念だけ。記憶はこぼれていき、思い出は薄れていく。ほとんどの魂は生前の精神……人間で言えば人格を保てません。保つ事例もなくはないけど極めて例外なので考えなくていいです。

     そんな不安定な魂が現世に長く留まるとどうなるか。答えは簡単。魔法を使い、己の未練を晴らそうとし始める。
     うん? 魔法を使えるのは王様だけじゃないのかって? よく覚えてたね。そう、この世界は精霊という意志があるから、旧い世界のように魔法で言いなりにはならない。
     でも、自分自身は例外だ。だって精霊じゃないからね。生き物の肉体は精霊の法則下にあるけれど、肉体を失った魂なら自分の霊力から魔法が使える。
     魂が未練を晴らそうと生やした、己の手足となる肉体。それが【魔物(モンスター)】。死者の無念から湧き出る害獣です。

     うん。魔物は死者そのものじゃない。あくまでその祟りが実体化したものという理解のほうが正しい。魂自体が生前とはかけ離れてるしね。
     ここ大事なんだよねー。精霊と語り合える龍王国はともかく、龍王国の係累じゃない文化圏だと魔物の発生源になった人の遺族が迫害されたとこもあったし。

     そう、魔物は存在するだけで大地を腐らせ、大気を蝕み、生き物を害する。
     精霊の敷いた「死者は甦らない」という原則を拒む魔法だから、精霊の創った世界の毒になってしまうんだ。

     とりあえずはこんなところかな? じゃあ、明日は今の世界の魔法の話。精霊の力を借りる魔法と、自分の力を使う魔法。
     世界を動かすようになった祈りの話をしよう。
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    よーでる

    PROGRESS完!! うおおお、十数年間ずっと頭の中にあったのでスッキリしたぁ。
    こういうカイムとマナが見たかったなー!!という妄執でした。あとどうしてカイムの最期解釈。
    またちょっと推敲してぷらいべったーにでもまとめます。
    罪の終わり、贖いの果て(7) 自分を呼ぶ声に揺すられ、マナはいっとき、目を覚ました。ほんのいっとき。
     すぐにまた目を閉ざして、うずくまる。だが呼ぶ声は絶えてくれない。求める声が離れてくれない。

    (やめて。起こさないで。眠らせていて。誰なの? あなたは)

     呼び声は聞き覚えがある気がしたが、マナは思い出すのをやめた。思い出したくない。考えたくない。これ以上、何もかも。だって、カイムは死んだのだから。
     結局思考はそこに行き着き、マナは顔を覆った。心のなかで、幼子のように身を丸める。耳を覆う。思考を塞ぐ。考えたくない。思い出したくない。思い出したく、なかった。

     わからない。カイムがどうしてわたしを許してくれたのか。考えたくない。どうしてカイムがわたしに優しくしてくれたのか。知りたくない。わたしのしたことが、どれだけ彼を傷つけ、蝕んだのか。取り返しがつかない。償いようがない。だって、カイムは、死んでしまったのだから。
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    よーでる

    DOODLE公主は本来プリンセスという意味ですが、祭り歌では公国の代表という意味の言葉になってます。アデラさんは武闘家系ギャルです。
    ほんとは東西南北それぞれの話するやるつもりだったけど西と南はちょっとド鬱なのでまたの機会にします。子どもに無配慮に聞かせたら怒られるやつ……
    一通りの世界観の説明が終わったので、明日からはこの世界観で単発話を量産する予定です。
    公国の興り(2)凍てず熔けぬ鋼の銀嶺 道行く花に光を灯しながら、アデラティア公子一行は海に臨む丘にたどり着きました。丘に咲く白い菫を見渡して、公子は軽やかに宣言します。

    「ここにわたしたちの都を作りましょう」

     こうして光る菫の咲き誇る白き都コノラノスは作られました。号は公国。龍王国最後の公子が興した国です。
     公子は精霊の声を聴く神官を集め、神殿を築きました。血ではなく徳と信仰で精霊に耳を澄ませ、精霊の祈りを叶え、世に平穏をもたらし人心を守る組織です。
     国の運営は神殿の信任を受けた議会が行います。アデラは神殿の代表たる公主を名乗り、花龍ペスタリスノの光る花【霊菫(たますみれ)】を国に広めました。

     霊菫は花龍の息吹。花の光が照らす場所に魔物は近寄らず、死者の魂は慰められ、地に還ります。公国が花の国と呼ばれる由縁です。
    3002

    よーでる

    DOODLEどんどん敬語が剥げてますが語りじゃなく講義だからということで……
    あと大まかな国の特徴語ったらひとまず単発ネタ書き散らす作業に入れるかなぁ。
    ぶっちゃけお話の途中で世界観説明しようとすると毎回語りすぎたりアドリブで知らん設定出たりするのでその事前発散が狙い……
    巫術と法術について 今の世界の魔法は大きく分けて2種類あります。1つは精霊に語りかけて世界を変えてもらう魔法。王族が使っていたのがコレだね。
     精霊……王祖の末裔じゃなくても、精霊の声を聞きその力を借りれる人は増えています。それが龍王国衰退の遠因になったわけだけど、今はいいか。
     この方法は【巫術】と呼ばれています。長所は知識がなくても複雑な事象が起こせること。細かい演算は精霊任せにできるからね。代表的なのが治癒。肉体の状態や傷病の症状を把握するに越したことはないけど、してなくても力尽くで「健康な状態に戻す」ことができます。
     欠点は精霊を感知する素養がないと使えないこと。だから使い手は少ない。それと精霊の許しが出ない事象は起こせない。代表的なのが殺傷。自衛や狩りは認められてるけど、一方的で大規模な殺戮は巫術でやろうとしてもキャンセルされるし、最悪精霊と交感する資格を剥奪されます。
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    よーでる

    DOODLEどんどん敬語が剥げてますが語りじゃなく講義だからということで……
    あと大まかな国の特徴語ったらひとまず単発ネタ書き散らす作業に入れるかなぁ。
    ぶっちゃけお話の途中で世界観説明しようとすると毎回語りすぎたりアドリブで知らん設定出たりするのでその事前発散が狙い……
    巫術と法術について 今の世界の魔法は大きく分けて2種類あります。1つは精霊に語りかけて世界を変えてもらう魔法。王族が使っていたのがコレだね。
     精霊……王祖の末裔じゃなくても、精霊の声を聞きその力を借りれる人は増えています。それが龍王国衰退の遠因になったわけだけど、今はいいか。
     この方法は【巫術】と呼ばれています。長所は知識がなくても複雑な事象が起こせること。細かい演算は精霊任せにできるからね。代表的なのが治癒。肉体の状態や傷病の症状を把握するに越したことはないけど、してなくても力尽くで「健康な状態に戻す」ことができます。
     欠点は精霊を感知する素養がないと使えないこと。だから使い手は少ない。それと精霊の許しが出ない事象は起こせない。代表的なのが殺傷。自衛や狩りは認められてるけど、一方的で大規模な殺戮は巫術でやろうとしてもキャンセルされるし、最悪精霊と交感する資格を剥奪されます。
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    よーでる

    DOODLE公主は本来プリンセスという意味ですが、祭り歌では公国の代表という意味の言葉になってます。アデラさんは武闘家系ギャルです。
    ほんとは東西南北それぞれの話するやるつもりだったけど西と南はちょっとド鬱なのでまたの機会にします。子どもに無配慮に聞かせたら怒られるやつ……
    一通りの世界観の説明が終わったので、明日からはこの世界観で単発話を量産する予定です。
    公国の興り(2)凍てず熔けぬ鋼の銀嶺 道行く花に光を灯しながら、アデラティア公子一行は海に臨む丘にたどり着きました。丘に咲く白い菫を見渡して、公子は軽やかに宣言します。

    「ここにわたしたちの都を作りましょう」

     こうして光る菫の咲き誇る白き都コノラノスは作られました。号は公国。龍王国最後の公子が興した国です。
     公子は精霊の声を聴く神官を集め、神殿を築きました。血ではなく徳と信仰で精霊に耳を澄ませ、精霊の祈りを叶え、世に平穏をもたらし人心を守る組織です。
     国の運営は神殿の信任を受けた議会が行います。アデラは神殿の代表たる公主を名乗り、花龍ペスタリスノの光る花【霊菫(たますみれ)】を国に広めました。

     霊菫は花龍の息吹。花の光が照らす場所に魔物は近寄らず、死者の魂は慰められ、地に還ります。公国が花の国と呼ばれる由縁です。
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