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    ねこまんま

    @GWT60624633

    GW:T K暁
    ねこが自分の食べたいものを自炊するところ🍙

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    ねこまんま

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    喜怒哀楽の話
    お題ガチャが面白かったのでhttps://twitter.com/GWT60624633/status/1522788898921132032?t=5cjaSn41qYlJS0P2wvI1JQ&s=19

    #K暁

    暁人の表情はくるくるとよく変わる。

    そういえばそんなタイプの人間、周りにいなかったな。
    凛子は常に切れ気味だし、絵梨花がオレに向ける視線には思春期独特の冷ややかさが含まれている。エドとデイルは言わずもがな。
    自分の妻や息子に至ってはすでに記憶の片隅から抜け落ちている。

    「どうかした?」

    忙しそうに動かしていた手を止め、ちょっといたずらっぽくこちらを見つめてきた暁人と目が合った。
    咄嗟に返すべき言葉を探す。

    「…いや、何事もないならいいんだ」

    視線を逸らした先の時計を見て慌てる。しまった、今日は凛子と待ち合わせだ。遅れたら何を言われるかわからない。「ちゃんと戸締まりしておけよ」それだけ言うと待ち合わせ場所へ向かう地図を頭の中に描き玄関を飛び出す。

    ───

    凛子との打ち合わせの後、エドから次の依頼の資料を受け取る。
    資料の中身をざっと確認したところ次の現場はそう遠くはないようだ。思い当たることもあったため、下見を兼ねて普段とは違う駅で降りる。


    ───

    「ただいm…」
    リビングへの扉を開けた瞬間暁人に飛びつかれた。
    「KK、無事でよかった…」安堵の声を漏らす暁人をそのまま抱きかかえながら一旦ソファに座らせる。
    「心配してたんだよ」「出掛ける前の様子がいつもと違ったし、凛子さんと打ち合わせするだけにしては帰りが遅いし」怒っている顔も可愛いだなんて、自分の弁明をするのも忘れて見つめていると今度は今にも泣き出しそうな顔になる。
    「すまなかった」オレのことをここまで心配してくれる人がいるのだと胸の奥がキュッとする。
    「前にお前がこれ食べたいって言ってたの思い出して」

    手渡した紙袋に書かれたロゴを見て暁人の表情がパッと明るくなる。本当にこいつの表情筋はどうなっているんだ。
    「ここすごく並ぶお店じゃん」猫又印のシュークリーム。暁人に抱きつかれた衝撃でちょっと歪んでいるけれど。

    「ありがとう、KK、コーヒー淹れてくる」
    キッチンに向かう暁人を見送るオレの表情は今どうなっているだろう。

    怒った顔も泣いている顔も全部が全部愛おしいけど、やっぱりお前には笑顔が似合うよ。
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    リキュール

    DONE日本ゲーム大賞優秀賞おめでとうございます!(遅刻)
    おめでたいと祝われるK暁です。本編後KK生存if、『黒猫』より少し前。
    愛したくて仕方がないが我慢していたKK×子供扱いされたくない暁人のお話。
    吉事あれば腹の内を晒せ「(おや、ちょうどいいところに)」

    ふわりと浮かぶ猫又が調査帰りの僕たちの元にやってきて尻尾を揺らした。暗い路地裏、夜も遅いこともあって人通りはないため、周囲を気にせずに堂々と触れる。耳元を撫でると、顔を擦り寄せうっとりとした表情でにゃぁんと鳴いた。これを人がいるところでやると虚無を撫でるヤバい人になってしまうので注意しなくてはならない。あれは結構恥ずかしい。

    あの夜が明け、消えていた人たちが帰ってきた。街の活気が戻り再び多くの人が行き交う渋谷になってからというもの、気がついた時には既に猫又たちはコンビニや屋台から姿を消していた。まあ人間がいなくなりこれ幸いと店を乗っ取っていただけなので、人が帰ってきてしまえば返さざるを得ず仕方がないと言えばそれまでで。だからもう会うことは無いのかと寂しく思っていたら、人気のない夜道や路地裏でひょこっと顔を出すようになったのだ。驚いたが、またあの可愛らしい鼻歌が聞けると思うと自然と顔が緩んでしまう。彼らはいつも見つけられるわけではない。気紛れに現れて、たまに撫でさせてくれて、掘り出し物を売買する。この気分屋な感じ、猫はいつだって可愛いのだ。
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    りんご

    DONEまじない、あるいは、のろい (ここまで読みがな)
    K暁デー「スーツ」
    お題的なこともあって結婚と葬送の話をどっちも書きたかっただけです。あっきーがバカ重い感じですが、その環境ゆえにうまく隠すことがうまかっただけで彼の本質はこうだろうなーとか思ったり。いつものごとく二人で喧嘩して、戦って、駆け抜ける話です。
    中の人本当にありがとうございました、お陰で細々と楽しくK暁を追いかけられました。
    呪い短くも長くもない人生を振り返るにあたり、その基準点は節目にある行事がほとんどだろう。かくいうKKも、自らのライフイベントがどうだったかを思い出しながら目の前の光景と類比させる。
    準備が整ったと思って、かつての自分は彼女に小さな箱を差し出した。元号さえ変わった今ではおとぎ話のようなものかもしれないが、それでもあの頃のKKは『給与三ヵ月分』の呪文を信じていたし、実際差し出した相手はうまく魔法にかかってくれたのだ。ここから始めていく。そのために、ここにいる隣の存在をずっと大事にしよう。そうして誓いまで交わして。
    まじないというのは古今東西、例外なく『有限』である。
    呪文の効力は時の流れに飲まれて薄れてゆき、魔法は解け、誓いは破られた。同じくしてまさか、まじないの根本に触れることになるだなんて思わなかった、ところまで回想していた意識を、誰かに強い力で引き戻される。
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