最近の検索
    ログインすると作者をこっそりフォローできます
    持っているアカウントではじめる

    きって

    @kitto13

    @kitto13
    いかがわしかったり、暗かったりする
    タビヴェン🧦🐣

    ☆こそフォロ 絵文字で応援する 💖 👍 🎉 😍
    ポイポイ 27

    きって

    ☆こそフォロ

    ヴェンタビ 朝チュン 会話ばっかり

    #ヴェンタビ

    朝起きるとヴェントルーは隣にいなかった。耳をそばだてると台所の方から遠慮がちな水音が聞こえてくる。 ゆっくりと身を起こすと素肌にシーツが流れる感触と下腹部の気だるげな倦怠感が頭をもたげてきて昨日の晩を思い起こさせた。もう少し寝ていたいが空腹が限界だ。ちょうどおいしそうな匂いも漂ってきて、ベッドの下に落ちていたパンツとルームワンピースを拾って身につける。
    リビングの扉を開くとヴェントルーがおはようと声をかけてきた。
    「オムレツを焼くが何を入れたい?」
    「パセリ刻んだやつ」
    「パセリか…今切らしてるからチーズでいいか?」
    「ああ」
    用意された皿にはルッコラと焼いたベーコン、小鉢にはヨーグルトとブルーベリーが入っていてどこから見ても完璧な朝食だ。
    食卓に着くと紅茶とコーヒーどちらがいい?と聞かれたので紅茶と答える。手を合わせてからオムレツにスプーンをいれると溶けたチーズがはみだし、口に入れると解けていった。
    「前から思ってたんだが」
    「なんだ?」
    「何でやった後の朝は洋食なんだ?」
    紅茶を口に含んでいたヴェントルーが吹き出す。
    「朝から何の話をしている??!」
    「朝だからだろう?!」
    「そうだが、そうじゃない!」
    「いつも朝は和食だろ?前やった時はパンケーキがでてきた」
    「別に、ただの偶然だ。気まぐれだ」
    「そうか?その前はピザトーストで、その前はサンドイッチで、その前は…」
    「もうよい!それ以上言うな!」
    わなわなと震えだしたヴェントルーを見てさすがにやり過ぎたと反省する。顔を覆うヴェントルーに「オムレツおいしいぞ!」と声をかけるが反応がない。
    「…少し浮かれるのも許されんのか」
    ヴェントルーはぽつりと呟く。
    「お前浮かれてたのか?」
    「うるさい!」
    「浮かれると洋食になるのか?」
    無言で皿を下げようとするので断固拒否する。
    「…浮かれるとはまた違うのかもしれない」
    取り上げられる前に食べてしまおうと口いっぱいに頬張ったままヴェントルーを見上げる。
    「ただ、いつもの朝と違う朝にしたかっただけなのだ」
    「ほお」
    「にやにやするんじゃない」
    「ヴェントルーのごはんはいつもおいしいぞ」
    「当たり前だ」
    「ただパンだと力が出ないから米にしてくれるとありがたい」
    「よかろう」
    「あともう少し乱暴にしてほしい」
    「何の話だ?!?」
    「夜の話だ」
    「」
    「丁重に扱いすぎなんだお前は。あと料理と同じぐらいレパートリーを増やせ」
    「…次から朝は茶漬けでいいか?」
    「よかろう!」
    「皮肉が通じんやつだな!あと下着をつけろ!食事の時に話す話題を選べ!」
    次から朝食はオムレツとおにぎりになった。
    タップで全画面無断転載禁止
    🌠🌠🌠🌠🌠🌠🌠🌠🌠🌠☺👍🌠🌠🌠🌠🙏🙏🙏☺☺☺☺☺☺☺🙏🙏🙏🙏🙏🙏🌠
    リアクションをたくさん送って応援しよう!
    作者からのリプライ

    きって

    供養初夜失敗

    前半はTwitterに載せてた内容と同じなので読み飛ばしてください。
    えろくもないしほぼ会話文。
    リビングへと続くドアは細く開いたままになっている。開けっ放しはやめろと何度諌めても「どうせまた開けるんだからいいだろ?」と素っ頓狂な顔でタビコが言うものだからヴェントルーはその悪癖を直すことをとっくの昔に諦めていた。それでも開いたままのドアが目に入る度にその隙間を無くしてはいたものの、今日は全くその気になれない。
    タビコは今シャワーを浴びているはずだ。湯浴みが終わればあのドアからこの寝室に入ってくる。その事が恐ろしいのと待ち遠しいのとでヴェントルーの緊張は最骨頂に達していた。なんの前触れもなく寝室に入ってこられるよりかはドアの隙間からタビコの気配が伺えた方がいい。そう思って敢えて視界の端でリビングの様子を見てはいるが、結局はざわつく胸が抑えられず最終的には壁の一点を見詰めるのに留まった。ヴェントルーは落ち着きを取り戻そうとベッド脇に置いたルームライトに目を向けた。家電量販店で急遽手に入れた小ぶりなライトはリラックス効果だとかムード演出だとかそんな謳い文句が箱に書かれていて、ヴェントルーはむずむずとした心地でそれを手にしてレジへと向かった。アロマフューザーにも手を伸ばしかけたが、それはやり過ぎだろうとやめにした。今はそれを仇かのように睨み、ヴェントルーはベッドに正座する。
    2691

    同じタグの作品

    おすすめ作品

    tsugu_tsugu1123

    かきかけ逆転ドラロナの甘いだけの話を書きたいなぁと思って・・・。ページ数すげーーーー少ないかもしれませんができたら本にしたい・・・書き上げられればの話ですが(弱気)年齢制限ありにするかなしにするかまだ迷っている。
    タイトルは以前やった診断メーカー様より。
    https://twitter.com/tsugu_tsugu1123/status/1382685882910662662?s=19
    はちみつよりも少し甘い 吹き抜ける夜風に目を細めて、ロナルドは乱れた銀髪を撫で付けた。
     眼下に広がるビルの谷間に視線を這わせ、「どこだ……?」と、呟く。
     夜と同じ色の漆黒のマントを風にはためかせながら地上を見渡し、目を凝らした。月明かりも人工の明かりも届かない暗闇に向かって、その隅々まで見逃すまいと気配を探っていると、ある路地の奥に蠢く影を見つけ、青い瞳がきらりと輝く。
     「いた!」
     一声叫ぶと同時にトン、と軽くビルの屋上を蹴って宙に身を投げ出す。ひゅうひゅうと風を切り裂いて落下しながら、四肢にざわざわと銀色の獣毛が生え、肉体の形が変形して行く。口元の牙はますます大きく尖り、頭には獣の耳が生え、腰からにょっきりと尻尾がつき出す。地面に降りるまでの一瞬の間に、ロナルドは一匹の狼に変身していた。
    1565

    shakota_sangatu

    メモΔドラロナのメモ
    メモなんかやばい🧛‍♂️の敵と戦わなきゃいけなくなって、最後立っているのがΔドラとΔロナ君になった時に。Δロナが心臓抉られてしまう。もちろん生きてるけど弱ってしまって。Δドラが良かれと思ってΔロナに自分の血を飲ませたけど、勝利の後、Δロナくんの様子がおかしくて、だんだん指先から黒化していくみたいな奴。実はΔのドラとロナの血を混ぜたらアカンやつで
    【真に赤い血】と対になる【昏き竜の血】だったよ、みたいな。二つが混じると、嘘世界に繋がる門が開いちゃう的なやつ。
    黒化していくΔロナを中心に、世界が夜に飲み込まれていって、いろんなものが黒い闇に呑まれていくなかで。心臓を還せば闇が止まることがわかって。Δドラは影に食われながらも必死になって、その中心にいるΔロナに近づいて。心臓を押し込んで。利用してごめんね、とか、やだよ死なないで、とか、帰ってきてって気持ちを込めて名前を呼ぼうとしたけど意識が遠のいてぱったりと倒れたまま、闇に蝕まれていく身体を、意識を取り戻したロナがぐいっと引き上げるやつ。このままドラの血を吸えば世界諸共ではあるけど死ねるのがわかっていながらも、ドラを救うために「お前がくれたもんを返すぜ」って言って、人工呼吸したら、ドラの身体に色彩が戻ってきて息を取り戻し激しく咳き込みながら覚醒。
    649