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    なりひさ

    @Narihisa99

    二次創作の小説倉庫

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    なりひさ

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    オクノマワンドロ参加作。お題「世界の終わり」

    #オクノマ
    okunoma

    世界の終わり「もし明日世界が終わるなら何がしたい?」
     ノーマンの言葉にオットーは彼を見返した。ノーマンは芝生に寝転がってドーナツを食べている。スーツを着なくなったノーマンは昔に戻ったように見えた。
    「世界が終わるだって?」
    「もし、だよ。もし明日世界が終わるなら、君は何がしたい?」
     昼間の公園では場違いの会話のように思えて、オットーは顔を顰めた。
    「なぜ世界が終わるのかな。隕石でも落ちるのか、それとも紫色のエイリアンが指を鳴らすのか」
    「うちの世界にはいないことを願うよ」
     ノーマンは穏やかな表情で公園を見渡していた。広い公園なので様々な人が思い思いに過ごしている。ノーマンの中にいたゴブリンは本当に消えてしまったのか、最近のノーマンはすっかり大人しかった。
    「理由はなんだっていい。とにかく滅ぶとしたら」
    「理由がわからないと困る。どうやって滅ぶのを阻止したらいいんだ」
     オットーの言葉にノーマンは目を見開いた。オットーを見つめて、まるで新しい何かを発見したかのように瞳を輝かせた。
    「世界を救うつもりか?」
    「そうしないと世界が滅ぶのだろう」
     オットーは真面目に答えたのだがノーマンは目を細めた。目尻に寄った皺がなければその表情は昔のようだった。友として過ごした僅かだが美しい日々の残像が過ぎっていく。
    「私はどうやって最後の一日を楽しもうかと考えていたよ」
     懺悔のようにノーマンは苦笑した。ノーマンらしいと思ったが、ノーマンはばつが悪そうにドーナツを口に押し込んでいる。
    「やっぱり君は善良な人間だよ。私とは違う」
    「自分を卑下したいなら止めないが、私は違う意見だ」
    「と言うと?」
    「私もヴィランとして活躍しただろう。制御を失ってね。しかもチップが壊れる前からそうだった。欲にかられて正しいことが出来なかった」
    「私は見ていないからなんとも言えないが、我が友のオットーはやはり善人だと思うよ」
     見ればノーマンの口の端には白い粉がついている。砂糖をまぶしたドーナツを食べたせいだろう。オットーは手を伸ばしてその砂糖を拭った。
    「ほら、やはり君は良い人だ」
    「それとも砂糖を舐めたかったのかも」
     オットーは親指についた砂糖を舐めた。甘い味が舌先に残る。
    「まだあるけど君も食べるかい」
     ノーマンはピンクの箱をオットーに差し出す。そこにはぎっしりとドーナツが詰まっていた。
    「パサついたドーナツは好みでなくてね」
     ノーマンは蓋を開けると今度はチョコレートがけのものを取り出した。昔から甘いものが好きだったが、それに拍車がかかっているように思える。細い体のどこにそれほどの食べ物が入るのだろうか。
    「……それで、君は最後の一日をどう過ごすって?」
     それを言いたかったのだろうとオットーが言えば、ノーマンはドーナツを飲み込んで小さく笑った。
    「まずドーナツ屋に寄って好きなだけドーナツを買うだろう。それとコーヒーも一緒に」
     そう言ってノーマンは冷めたコーヒーに口をつける。
    「それから友人の家を訪ねて、散歩に行こうと誘うんだ。友人が寝不足で不機嫌そうでも気にせずね」
     傲慢なノーマンらしい。そうしてオットーは今朝の自分が同じように散歩に誘われたことに思い至る。オットーも寝不足だった。装置の改良は思うように進んでいない。
    「それで公園にでも行って、のんびりと過ごす。ドーナツを食べながら、友人とお喋りしてね」
    「それではまるっきり今日と同じじゃないか」
     ふふ、とノーマンは笑った。ノーマンは座っているオットーにもたれると、食べかけのドーナツを差し出した。せめて新しいものを出せばいいものを、この男はどうして食べかけを人に向けるのか。
    「もっと有意義な過ごし方があると思うが」
    「君と過ごす以上に有意義なことが?」
     オットーが食べないでいると、ノーマンは残ったドーナツを一口で食べた。口いっぱいにドーナツを頬張っている姿は、オズコープ社にいた頃とはかけ離れている。
     ノーマンは腹をさすると息をついた。流石に満腹らしい。鳥の群れが飛んでいく影が地面を横切っていった。
     オットーは指にノーマンの髪を絡めた。日の光を浴びてきらめくそれを美しく思う。オットーはノーマンに身を寄せた。
    「この世界の終わりに聞くのは、銃声ではなく君の囁きがいい」


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    kisaragi_hotaru

    MAIKINGガンマトとハドポプが混在している世界線のお話の続きです。マトポプは師弟愛です。ひたすらしゃべってるだけです。
    ダイ大原作と獄炎のネタバレを含んでおりますので、閲覧の際には十分にご注意くださいませ。
    捏造と妄想がかなり激しいです。いわゆる、何でも許せる人向け、となっております。
    このシリーズは一旦ここで完結という形を取らせていただこうと思います。続きを待ってくれておりましたなら申し訳ないです……。
    大魔道士のカミングアウト 5 「――ハドラー様は10年前の大戦にて亡くなられたと聞き及んでいたのだが」

     本日二度目のガラスの割れる音を聞いた後、ガンガディアから至って冷静に尋ねられたポップは一瞬逡巡して、ゆっくりと頷いた。

     「ああ、死んだよ。跡形もなく消えちまった」

     さすがにこのまま放置しておくのは危ないからと、二人が割ってしまったコップの残骸を箒で一箇所に掻き集めたポップは片方の指先にメラを、もう片方の指先にヒャドを作り出し、ちょんと両方を突き合わせた。途端にスパークしたそれは眩い閃光を放ち、ガラスの残骸は一瞬で消滅した。

     「そうか……ハドラー様は君のメドローアで……」

     なんともいえない顔でガンガディアはそう言ったが、ポップは「は?」と怪訝な顔をして振り返った。
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