※11/22かわいいこの娘の進路は俺の腕の中 俺のかわいいかわいい秘書は悪魔学校の6年生なので月に一回くらい学校に行って、進路相談や師団への顔出しなんかをしている(らしい)。
ある晩、作ってもらったごはんを2人で食べながら(頼んで一緒に食べてもらっている)、学校で何をしているのか聞いてみた。
「師匠と手合わせしてます」
「師匠?」
「はい。担任のイフリート先生なんですけど、SD講座で護身とか護衛とか教わってたんですよ。2年生のときから見てもらってます。前は歯が立たなかったんですけど、最近ちょっと保つようになりました」
「どれくらい?」
「調子が良ければ1時間、悪いと30分ってとこですね」
それがすごいのかどうかはわからないけど、悪魔学校の戦闘担当の教師と小一時間やりあえるならなかなかなんだろう。俺の秘書が。
「進路相談って月一で話すことある?」
特にこの娘は進路は確定してるわけだし。え、してるよね???
「あんまりないです。一応研修中の身ですので、守秘義務に違反しない程度でどんなことしてるか報告をして、進路の予定に変更があるか確認して終わりです」
「変更、ある?」
「ないです」
俺が出来るだけさり気なく、不安を出さないように聞くと、彼女はそんな不安なんて吹き飛ばすようにきっぱりと言った。だから俺はこの娘が好きだ。どれだけ不安に思っても、真っ直ぐに俺といることを選んでくれる。
「良かった」
「いろいろ選択肢はあるかもですけど、私はメフィスト様といるのが一番楽しいので」
「いろいろ???」
「こないだイフリート先生に言われたのは学校の教師と、あとメフィスト様のSDですね」
顔も知らないイフリート氏の顔をぶち抜きたい衝動に駆られる。けど彼女は特に何も思ってなさそうに、自分で焼いた肉をもちゃもちゃ食べている。今日のソースが美味く出来たと満足そうでかわいい。すごくかわいい。
「教師って簡単になれるものなの?」
「さあ? 私は魔歴とSD講座の成績が良かったから希望すれば推薦出してくれるみたいです」
「ふうん」
たしかに俺が13冠になるにあたって、ドクフェル様が引退したあとからデルキラが行方不明になるまでの歴史は全て彼女から教わっている。まったくその期間の歴史を知らない俺がすんなり飲み込めるくらいには彼女の説明はわかりやすかった。子供たちに教えるのはまた違うのだろうけど、きっと彼女ならできるのだろう。
させないけど。
渡さないし、離さないけど。
「ごちそうさまでした」
「お粗末様でした。お風呂行かれます?」
「ちょっと仕事が残ってるから、それが終わってからかな」
「承知しました。コーヒーをお持ちしますね」
「ありがと」
皿を片付ける彼女を掴まえてキスをする。嬉しそうにするから、仕事を放り出してベッドに連れて行きたいけど怒られるから(前科がある)、ぐっと堪えて書斎に向かった。