※11/23拷問術はバールくん仕込み「君はどう思う?」
私の斜め前で腰を下ろすメフィスト様がお尋ねになる。そのメフィスト様の前には窃盗団?盗賊団?そういう連中がずらっと跪いている。
そもそも私達がなにをしているかと言えば、メフィスト様の統治下の村落から村が襲われているので助けて欲しいと依頼が入った。正直悪魔は実力社会なので勝てないなら従属しろ、もしくは自力で抗えって感じなのだけど、13冠成りたてだし、顔見せしとこうぜってことでやってきたのだ。
んで、やってきたら40人くらい?の悪魔が村を我が物顔で占領していたので回収してお話していたのでした!回想終わり!
メフィスト様が私に聞いたどう思う?とはどう処理しよっかね?ということである。なので私は賊に対してできるだけ柔らかく微笑んで答えた。
「全員羽をもいで吊るせばいいと思います」
「……手間じゃない?」
「拷問学は得意なんです」
にこーっと微笑むと賊たちの顔が引きつった。まさか自分がヤラれる覚悟もなしにメフィスト様の土地で調子こいたわけでもあるまいに。ちなみに拷問学は別に得意ではない。
「じゃあ任せようかな。俺は村の方で話をしてくるから」
「承知しました。終わりましたらお迎えに上がりますね」
「わかった。……かわいいでしょ、俺の秘書」
メフィスト様が穏やかに賊へと話しかける。賊の顔は引きつりっぱなしだ。
「最期に見る顔がこのかわいい顔だなんて幸せだね」
そしてメフィスト様は立ち去った。メフィスト様を見送り、足音が聞こえなくなってから私は賊に向かって微笑む。
「じゃあ、順番にいきますね」
よいしょーと魔術を発動する。跪いていた賊が全員崩れ落ちた。私は手前にいる悪魔から羽をむしっていく。
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「お待たせしました」
メフィスト様を迎えに上がると、村の入り口で待ち構えていた。
「お疲れさま。帰ったらお風呂に入ろうね」
「そうさせてください。村の方々は大丈夫そうですか?」
「ちょっと腑抜けてるから叱ったけど、今後の対策の話もしてきたから大丈夫」
「お疲れさまでございます」
メフィスト様はよしよしと私の頭を撫でて額にキスをする。汚れは魔術で落としたけど匂いは残っていて申し訳ない。
「メフィスト様、汚れてますので」
「俺がそんなこと気にするとでも?」
「私が気にするんです!」
「じゃあ帰ろう。キレイに洗ってあげるね♡」
羽を広げて飛び立つ。羽をもぐのと、洗われるの、どちらが疲れるかは難しい問題だ。