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    nappa_fake

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    #mirm夢
    #mirmプラス
    #メフィスト(魔入間)

    11/25貴方とのお出かけなら呼び方はなんでもいいんだ「デートをしよう。ちなみにデートというのは男女でお出かけをすることだそうです。イルマくんに教えてもらいました」
     ある日の昼。メフィスト様に昼食をお出ししていると呼び止められた。デート。学校の生徒会の子たちからは特別な見回りだと聞いているけど、意味が複数あるのだろうか。
    「承知しました。直近で空いているのは来週の頭ですが……」
    「もうちょっとかわいく言って」
     なに言ってんのかな、この主は。たぶん私はおもくそ面倒臭そうな顔をしている。メフィスト様が嬉しそうに私のほっぺたを捏ねているから間違いない。
    「13冠になって、めちゃくちゃ忙しいから、たまにはゆっくり出かけたい! できれば君といちゃいちゃのんびりお出かけしたい! のだけど」
    「……来週頭なら空いているので、それまで頑張ってお仕事してください」
    「うん♡」
     手が離れたので下がらせてもらう。厨房に戻ったら予定を確認して、 そこまでに片付けないといけない仕事をピックアップして……。いや、先に食事だ。メフィスト様の要望で食事は一緒にすることになっている。
    「失礼します」
     自分の分の食事を持って食堂に戻るとメフィスト様は食事に手を着けずに待っていた。
    「いただきます」
    「召し上がれ」
     待たなくていいし、一緒に食べなくてもいいと思うけど、主がそうしたいのであれば従う。けどそれを言うとツンデレだと言われた。そんなことないんだからね!!
    「どこか行きたいところ、ある?」
    「デートですか? 悪魔学校の生徒だとマジカルストリートが鉄板みたいですけど」
    「じゃあそこにしよう」
    「え」
    「牽制」
    「……そんな必要ないと思いますけど」
    「あるんだよ」
     言い出したら聞かない主なのは重々承知なのでまあいいかと頷いておく。
    「承知しました。なにか行かれたいお店のご希望はありますか?」
    「シェアできる食べ物があるとこがいいな。あと写真撮るとこあるんでしょ? あとはー」
     思ったよりかわいい要望がたくさんあって、笑ってしまう。そのすべてをメモしたのであとで場所を確認しよう。
    「君は行きたいところある?」
    「特には。メフィスト様とご一緒させていただけるのならどこでも構いません」
    「もうちょっとかわいく言って」
     ……そればっかだなあ。サラダをもしゃもしゃ頬張りながら考える。
    「メフィスト様が手をつないでくださるなら、どこへでもご一緒します」
    「もう一声」
    「……えー、別にお出かけとかしなくても、メフィスト様と一緒なら一日中ベッドでごろごろでもいいんですけど」
    「午後はベッドに行」
    「行かないです。仕事をしてください」
     メフィスト様はニコーっと笑った。なんか言わされた気がする。まあいいんだ。午後はスケジュールの見直しやお出かけ……デートに向けて、仕事を片付けないといけない。たぶんメフィスト様が思うより、私はデートとやらを楽しみにしている。
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    gohan_oic_chan

    PAST行マリ
    卒業後同棲設定
    なんか色々最悪です
    証明 朝日を浴びた埃がチカチカと光りながら喜ぶように宙に舞うさまを、彼はじっと見つめていた。朝、目が覚めてから暫くの間、掛け布団の端を掴み、抱きしめるような体勢のまま動かずに、アラームが鳴り始めるのを待っていた。
     ティリリリ、ティリリリ、と弱弱しい音と共に、スマートホンが振動し始める。ゆっくりと手だけを布団の中から伸ばし、アラームを止める。何度か吸って吐いてを繰り返してから、俄かに体を起こす。よしっ、と勢いをつけて発した声は掠れており、埃の隙間を縫うように霧散していった。
     廊下に出る。シンクの中に溜まった食器の中、割りばしや冷凍食品も入り混じっているのを見つけると、つまみあげ、近くに落ちていたビニール袋に入れていく。それからトースターの中で黒くなったまま放置されていた食パンを、軽く手を洗ってから取り出して、直接口に咥えた。リビングに入ると、ウォーターサーバーが三台と、開いた形跡のない数社分の新聞紙、それから積み上げられたままの洗濯物に囲まれたまま、電気もつけずに彼女はペンを走らせていた。小さく折り曲げられた背が、猫を思わせるしなやかな曲線を描いていた。
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