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    nappa_fake

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    #アミィ・アザミ
    #mirm夢
    #mirmプラス

    並んで撮って、今も、これからも その日の仕事を終えて、寮の食堂に行くと、同期とその先輩が盛り上がっていた。
    「何見てるの?」
     トレーを持って同期の隣に座り、覗き込むとアルバムだった。
    「これ、実家から送ってきたんだ。バビルスにいたときのアルバム」
     そこには制服姿の先輩が笑顔で写っている。同期が一枚の写真を指差す。
    「これ、何してるんですか?」
    「一年の時の収穫祭だね」
    「収穫祭?」
     同期はレビアロン卒だから、バビルスの行事が珍しいみたい。ごはんを食べながら一緒に見ていると、見覚えのある顔を見つけた。
    「……これって」
    「あ、気づいた? アミィ大佐。学年が二つ上なんだよね」
     アザミくんの写真は何枚かある。たくさんの女の子に囲まれているものがほとんど。一枚だけ一人で写っているのもある。……これ、本人の許可取ってなさそう。
     つい見入っていると先輩も気づいたのか苦笑する。
    「これは新聞部から買ったやつ。アミィ大佐、女子からすっごい人気でさあ。当時の新聞部の収入源だよね」
    「うわぁ……」
    「アミィ大佐には秘密で」
    「言えないですよ、さすがに」
     あははと笑って、言わない約束をする。それからまた、アザミくんの写真を見る。……あたしの知らない、学生のときのアザミくん。今より幼くて、やっぱりきれいな顔で、たくさんの女の子に囲まれている。
     あたしとアザミくんは、なんだかんだ在学期間が重なってない。アザミくんが一年生のときのバトラパーティには会いに行ったけど、女の子に囲まれててショックだった。
     そこまでじゃないけど、モヤモヤして、どうしたら晴らせるのか分からない。泣きたくなる前に目を逸らして、ごはんを終わらせて部屋に戻った。

     週末の金曜日。あの写真が気になったわけじゃないけど、バビルスの制服に似たプリーツスカートを履いて寮の入り口でアザミくんを待つ。
     アザミくんはすぐに来て、不思議そうな顔をした。
    「どこか、出かける予定だったか?」
    「ううん。アザミくんの家に行くだけだよ」
     うまく説明できないまま、不貞腐れた気持ちでアザミくんの手を引いて歩き出す。
     アザミくんの家に付くなり、鍵を閉める背中にしがみつく。
    「どうした?」
    「どうもしない」
     アザミくんは何も言わず、あたしをくっつけたまま部屋に入り、ジャケットを脱ぎ、ネクタイを解く。
     あたしはアザミくんの背中から離れられない。たぶん今の顔、かわいくないから見られたくない。
    「風呂と食事はどちらを先にするんだ?」
    「……」
    「風呂に行くぞ」
    「……うん」
     肩を落としたまま、アザミくんにくっついていく。顔を上げられずに、頭と体を洗って一緒に湯舟に沈む。
     最初は後ろから抱えられていたけど、寂しくなって振り向き、見上げた。
    「アザミくん……抱きついて、いい?」
    「今まで聞いたことがあったか?」
     体ごと向き直って抱きつき、首元に顔を埋める。背中をそっと抱きしめられた。
    「……で?」
     耳元に息がかかってゾクッとした。
    「何があったんだ」
    「……笑わないでね」
    「私が、お前の話を笑ったことなんてあったか?」
    「あのね……」
     あたしはぼそぼそとアルバムの話をする。
    「アザミくんは、あたしのなのに」
    「……」
    「だから……アザミくんと、写真撮りたいの」
    「今か?」
    「……それは、恥ずかしいかな」
     頬に手が添えられて、上を向かされる。アザミくんはいつもどおり無表情だけど、触れる手は温かくて、重なる唇も優しい。
     あたしはいつも、子供みたいに駄々をこねているのにアザミくんは呆れもせずに、あたしのことを甘やかす。
     嬉しいのか情けないのか、よくわからない気持ちで胸がいっぱいになって、涙がこぼれた。アザミくんの唇が目元に触れる。たまらなくなって、こどもみたいに泣いてしまった。

     翌朝、アザミくんの腕の中でうとうとしていたら、いきなり起き上がった。
    「写真なら、実家にあるだろう」
    「え……?」
    「私とお前が写った写真だ。少し待て」
     あたしが意味を飲み込む前に、アザミくんはス魔ホを取り出して電話をかけた。すぐに終えると、またス魔ホを放り出して、あたしを抱え直す。
    「午後、実家に行く」
    「……写真、探しに?」
    「ああ。しかし探すほどのこともない。お前が産まれた後から私がバビルスに入学するまでのアルバムには、おそらくほとんどの写真に二人で写っているはずだ」
    「えっ、そんなに……?」
    「お前の家のアルバムにも私の写真が多くあるはずだ。確認しろ」
     言われたとおりに母に魔インを送ると、あたしの写真の半分はアザミくんと一緒だったと、すぐに返ってきた。……確認する間でもなく、そうだってことだよね。そっか……。
    「アザミくん」
    「なんだ」
    「ごめんね」
     アザミくんは返事をせずに、あたしの鼻の頭をかじる。顔のあちこちにキスを落としながら、あたしに覆いかぶさる。喉を吸われて、肩を噛まれる。そこかしこに跡が残る。
     最後にふくらはぎに噛み跡をつけて、アザミくんは満足そうにあたしにのしかかる。
    「望むなら、写真くらいいつでも撮るから、そのくらいでメソメソするんじゃない」
    「ごめんなさい。でも、今は撮らないで!?」
    「いい眺めだが?」
    「そういう問題じゃないから!!」
     バタバタ暴れるけど、アザミくんはビクともしない。観念して手を伸ばす。
    「ねえ、アザミくんの家にバビルスの制服って取ってある?」
    「……ない」
    「……ほんとに?」
    「ない!」
     口を塞がれた。アザミくんの家に行ったら、アザミくんのママに聞いてみよう。あたしも着るからって言えば、着てくれるかもしれない。
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