5/31mfst5月31日の夕方の話「ふわ……」
目が覚めたら、もう夕方だった。
ス魔ホを見たら、5月31日の17時。帰宅したのが10時くらいだったから、かなりがっつり寝てしまった。
「……わ、ほんとにある」
ベッドに寝転んだままス魔ホをスクロールすると、連絡先にも魔インの友達リストにもメフィストさんの名前があった。
どうやら、今朝のことは夢じゃなかったらしい。
ていうか、なにあれ、ほんとに。
昨日の夜から今朝までのことが、まったくピンとこない。メフィストさんに聞いたり、教えてもらったりして、なんとか記憶は繋がったけど……。
少なくとも、バーには行った。それは覚えてる。先輩が野次馬しに行くのを見送って、私はいつものバーのカウンターに座った。座ったとたんに気が抜けて、マスターに気遣われたことは覚えてる。
でも……メフィストさんに愚痴ったのは覚えてないんだよね〜〜。なんで知らない男の人にそんなこと言ったんだろ〜〜。
朝のことを思い出す。
……かっこよかったな。顔も、うん、整ってた。胸板も肩幅もがっしりしてて……腕も太ももも筋肉質で……。
ほんとに、あの悪魔と寝たのかなあ。たぶん、うん……。
考えてたらソワソワしてきて、ベッドから出た。顔を洗って、冷蔵庫をのぞく。あるもので適当につまみながらテレビをつけた。ちょうどワイドショーみたいな番組で、イケメン俳優の話をしてた。
……メフィストさんの方が、正直いい男だよね。……いやいやいや……。
ス魔ホに残ってる名前をあらためて見る。うーん。
『このたび新しくオープンしたショッピングモールでは、13冠メフィスト様が視察においでになり……』
タイミングよく名前が出てきてびっくり。テレビには穏やかに笑うメフィスト様……メフィストさんが大きく映ってた。
今朝ベッドにいたのと、やっぱり同じ顔。
「……ほんとに13冠と寝ちゃったのかぁ……」
頭の中は、まだしばらく整理がつきそうにない。