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    倉庫です

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    ☆quiet follow

    「何でお前がここにいんだよ」

    「何でお前がここにいんだよ」
    「彼に呼ばれたからに決まっているだろう」
    「そうかい」
    家に帰ってたらあいつがソファでくつろいでいた。
    「それで用はなんだ?」
    「詳しくは彼に聞いてくれ」
    「暁人」
    「麻人のことでちょっとね~」
    暁人は麦茶を用意しながらそう言った。
    「麻人か・・・」
    暁人は麦茶の入ったカップを目の前に置いて、俺たちはソファに座った。
    「麻人のことでなんでこいつ呼んだ?」
    「前に麻人が木札持ち出して傀儡作ったの覚えてる?」
    「絵梨佳のトラウマ抉ったやつか」
    「そのことで呼んだわけ。作り方を詳しく知りたいからね」
    「ったく・・・あっつ!!」
    麦茶を飲もうとしてカップに手を触れたらお湯みたいに熱く、飛び上がった。
    「ぬるかったかなーって思ってチンした」
    「馬鹿野郎」
    「ぶっちゃけ全部した」
    「おい!」
    「通りで熱いと思ったら」
    あいつは熱いということに気づいていたにも関わらず、そのまま飲んでいた。
    「なんのさわぎ・・・」
    俺の声に反応したのか、麻人がリビングにやって来る。昼寝の最中だったのか、気だるげな感じだ。
    「あ、起こしちゃった?」
    「うーん・・・」
    「でもおじさん来てるよ?」
    「んー?」
    麻人は暁人の言葉に眠い目を擦りながらこちらを見る。
    「ママ・・・」
    一瞬だけこっちを向いて、暁人に引っ付いってしまった。
    「あらー」
    「子供を世話はちゃんとできているようだな、私のように間違った道を歩んでいなくて安心した」
    「これが安心したって言えるか?」
    暁人はというとくっついた麻人を抱え上げて、俺の方に差し出してくる。
    「はいパパだよ~」
    そして笑顔を作って俺に抱っこを求めてくるので、俺も諦めて受け取ることにした
    「ちゃんと父親としての役目を果たしているようだな」
    「俺がまた家族を持てるか不安だった時もあったがな」
    「だが、そうやって子供に安心感を与えていたのだろう?」
    「そうかもな。まあ子供が皆がいい親に恵まれているとは限らないからな」
    「仮にいい親だとしてもいい子供になるとは限らないこともあるけどな」
    「麻人、この馬鹿を蹴れば夕飯は中華料理屋にするぞ」
    麻人を床に降ろすと、躊躇無くあいつに蹴りを噛ました。しかも、ジャンプしてからの回し蹴りだった。多分頭の中の天秤の針が炒飯に向いたのだろう。
    「一寸の迷いもなく蹴るとは」
    「へへっ」
    麻人が誇らしげな顔でこっちを見てくる。
    「パパかっこいい?」
    「いや全然」
    麻人ががっくりとうなだれる。
    「そもそもあの傀儡の件はまだ許してないからな」
    「だってためしたかったもん!」
    「こいつ・・・」
    反省のはの字もない麻人に呆れた。
    「話を戻すがそもそもあの傀儡をどうやって作ったのかだ」
    「そういえば、忘れてた」
    「麻人、何した?」
    「くろいミミズいっぱいだした」
    そう言うとシャツの袖口を引っ張ると、滝のように黒いミミズが流れ出てきた。
    ****
    「まさか麻人のケツをまたどつく羽目になるとわ」
    ズボンを脱がされ尻をつき出した状態でソファに倒れ伏している麻人の頭にはたんこぶができ、尻は赤く腫れていた。俺は黒いミミズのような生き物を見たせいで吐き気がしてきた。
    「暁人、麻人の尻にこれ塗っとけ」
    俺は塗り薬を暁人に渡して、ソファに座る。そして麻人の頭を撫でてやる。
    「パパごめんなさい・・・」
    「お前がやったことは簡単に許されるものじゃないけど反省しているならいい」
    「今回は被害が出る前だからいいけどさ」
    暁人は赤く腫れた手をひらひらさせながら、塗り薬を受け取って麻人の尻に塗っていく。それと同時に姿を女へと変化させる。
    「いつになったら落ち着いてくれるのか・・・。ズル賢いしいたずらっ子だし前に大量の蛾を家の中に侵入させた時はキレてマレビトの群れにぶん投げたけど無傷で帰ってきたし」
    「あれはひどかった、俺のトラウマが刺激される」
    暁人は薬を塗り終えると、麻人の前に椅子を移動させて座った。
    「麻人、『力』を使わないって約束できる?」
    「できない」
    「ダメだこの子」
    暁人は膝から崩れ落ち、四つん這いになった。麻人が不思議そうに見ていたので頭を撫でながら説明することにする。
    「麻人、この『力』をあまり人に使っちゃ駄目だ」
    「なんで?」
    「多くの人が危ない目に合うからだ。ママとパパは悲しんじゃうし、麻人もママが危ない目に合ったら悲しいだろ」
    「うん・・・」
    「だから、もし『力』を使いたければ誰かにちゃんと言うんだ。分かったか?」
    「・・・わかった」
    「偉いぞ、さすがママとパパの子だ」
    麻人の頭や頬を撫でて誉めてやる。
    「パパもママを守ってくれるか?」
    「ああ、約束する」
    そして俺は暁人に聞こえないように耳元で囁く。
    「だからお前も守れよ」
    その言葉を聞いた瞬間、暁人は顔を赤く染め、プシューという音が聞こえてきそうなぐらいに煙が出そうな勢いで赤くなった。
    「どうしたんだ?」
    「ママどうしたのー」



















































































    の一方で
    私は一体何を見せられているんだ?親子の愛か?それとも夫婦の愛か?見ているだけで胃もたれを起こしそうな甘ったるいやりとりを見せられ私は心の中でこう叫んだ。末長く爆発しろ!!と。
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    32honeymoon

    DONE◇#毎月25日はK暁デー ◇お題:匂い
    ・久しぶりのあまいちゃ糖度120ぱーせんとなので苦手な方は要注意!
    ・KKと暁人くんが同棲してる世界のおはなし
    ・相変わらずKKが暁人くん大好きマン

    長編をあげた後だったので、今回は短くさらっと。
    豪雨つづくここ最近、太陽が恋しくなって書いた作品です。
    台風の余波で大変な思いをしている皆さまの地域に、
    はやく気持ちいい秋晴れが届きますように。
    おひさまのにおいはしあわせの匂い。ーそれは秋晴れがさわやかな、とても良い天気のとある一日のおはなし。


    「KKー、布団下ろすの手伝ってー」
    「お?ああ、分かった」

    ソファでくつろいでいた休日のとある夕方。ベランダから聞こえてきた柔らかな声に、KKはよっこらせ、と立ち上がる。

    「布団、干してたのか。いつの間に・・・」
    「そうだよ。気づかなかった?」
    「・・・気づかなかった」

    少しだけばつが悪そうに目をそらす姿にはにかみながら、
    「だって今日はお日様の機嫌が良い一日だったからね。あやからなきゃ」と暁人が言う。

    「お日様の機嫌ねえ・・・また随分と可愛い事言うじゃねえか、」
    オレにしてみりゃただの暑い日って感じだったがな、と続けようとしたのを、KKが済んでの所で飲み込む。
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