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    りゅうひよこ

    @LOVE_FICTION

    いつもリアクションありがとうございます(^^) 二次創作の小説を書いたり、翻訳をしたり。短いお話が貯まったら、まとめて pixiv にアップしたいです。A Fic writer & Fic translator(ENG/JPN).

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    りゅうひよこ

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    #忘羨
    WangXian
    #忘羨SSまとめ

    魏嬰が女ものの漢服を着てみたので、藍湛にイメージ・プレイしようって言い出す回。「今夜はこの服を着て、芝居風にやろう!」
    早めの寝支度をしていた藍忘機は、魏嬰の言葉に手を止めた。顔をあげると、魏嬰が女人の着るような裙の長い服を身にまとっていた。
    「魏嬰、その服は…」
    「出入りの行商人からちょっとな」
    魏嬰が愉快そうに提案した。
    「こういうのはどうだ? 俺は娼館の娘で、おまえは客だ」
    「きみは女人の役なのか?」
    「まあ、そうだな。せっかく女の服だから」
    藍忘機はうなずいた。
    「おまえは夜狩のついでに、娼館に気晴らしに来たっていう筋書きにしよう」
    「そんなことが気晴らしになるのか?」
    「俺に聞くなよ。今度、行ってるヤツらに聞いとくよ」
    魏嬰に促されて寝台に腰掛けると、彼もその隣に座った。
    静室の窓からの西陽で、襦のうすぎぬが黄金色に透け、魏嬰の体の線があらわになっていた。藍忘機が目のやり場に困ってわずかに目を逸らすと、それも彼なりの演技のひとつだと魏嬰は受け取ったらしい。
    「お客さんみたいなきれいな人は初めて」
    魏嬰がしなを作って肩にもたれかかり、ため息混じりに言った途端、藍忘機は身を硬くした。
    「これまでに、ほかの客を取ったのか?」
    尋ねる声が暗くなる。魏嬰があわてたように立ち上がった。
    「わかった! 今のなし! ほかの筋書きにしよう!」
    藍忘機は困惑気味にうなずいた。なんだかよくわからないけれど、魏嬰の遊びに付き合ってみようということは、ふたりのあいだではよくあった。
    「含光君は仕事で来た町で、ある町娘を気に入って声を掛ける。これならどうだ? できそうか?」
    「うん。きみが読んでいた本で、似たような話があった」
    魏嬰はよく貸本屋から流行りの本を借りていたが、そのなかに恋愛物が混ざっていたのだ。
    藍忘機は立ち上がると、さっと魏嬰の腰を抱いた。
    互いの目があうよう、ほっそりした手首を取って向きを変えさせる。
    低い声が静室に響いた。
    「町で一目きみを見て、心を奪われた。今夜は私と過ごしてくれないか」
    「イヤだ!」魏嬰は突然叫ぶと、腕をバタつかせて抱擁から逃れた。「おまえ、おまえ…そうやって俺に隠れて、町で女の子を引っ掛けてないだろうな!」
    「ない」
    「そうだよ、ないよ! 知ってるよ!」
    魏嬰は大きくため息をつくと、腕組みをしてうーんとうなった。
    次の筋書きを待つあいだ、藍忘機は一歩下がってその姿を眺めることにした。白い襦に、胸の高い位置で腰帯を結び、裙が足首まで広がっている。考えこむ姿は、花の刺繍のほどこされた袖で自分の体をぎゅっと抱きしめているように見えて愛らしい。
    「ならば、こういのはどうだ?」と藍忘機は思いついたことを口に出した。「魏嬰が私のために、美しい服を着てくれた」
    「なるほど! ていうか、そのまんまじゃないか!」
    まあいいか、というふうに魏嬰はくるりと回ってみせた。
    「どうだ? 似合うか?」
    あわい桃色の裾が、藍忘機の目の前ではためいた。
    「うん。きみはそんな服まで似合う」
    真っ直ぐに見つめてそう言うと、魏嬰は照れくさくなったらしく肩をすぼませた。藍忘機は、ひとりでに口もとがゆるむのを感じた。
    「やはり私のために着てくれたのか?」
    「どうかな? おまえを驚かせて、俺が楽しみたかったのかも」
    そう言って笑う唇に、唇を重ねる。触れあったまま、藍忘機が彼を寝台の上へ運んで覆いかぶさると、魏嬰がはっとしたようにその胸を押し返した。
    「待て。このまましたら、きっともう着て楽しめなくなる。脱ぐよ」
    腰帯を解こうとする手を、藍忘機は止めた。
    「このままだ。服行商人にはまた来てもらおう」
    「そ、そうか…」
    「この服の脱がせかたも、これから覚える。自分では脱がないで」
    「……」
    最後の西陽が、雲深不知処の山々のふところへ消えようとしていた。
    藍忘機は愛しいひとの姿がよく見えるよう燭台に火を灯すと、また寝台へ戻った。横たわる魏嬰の顔をのぞきこむと、うるんだ黒い瞳に映ったろうそくの炎が、ゆらゆらと幾重にも揺れていた。
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    りゅうひよこ

    DONE仙門百家cafeボイスで、金子軒が自ら制服を選んでハリキっていたので。金子軒が「厭離と同じ場所で、同じ目標をもって過ごす機会なんて滅多にない!たくさん話して好感度を上げるんだ!」と意気込んでいたものの、雲夢双傑に妨害されて厭離と一言も話せない回(ツイッターに上げたものの保管)
    仙門百家cafeAU 金子軒が江厭離との距離を縮めようとかんばる回~忘羨を添えて初夏の風がさわやかな朝、カフェには仙門を代表する三家から公子公女が集まり、開店の準備に取りかかっていた。
    金家の公子二人も、美しい制服に身を包んで会場に入った。だがカフェのきらびやかな雰囲気とは対照的に、二人はそろって重いため息を吐いた。
    金子軒の当初の目論見では、この行事を通して江厭離と仲良くなるはずだった。だが来る日も来る日も雲夢の憎き弟たちに邪魔をされ、彼女と一言も話せない日もザラだ。
    一方の金光瑤は前の夜、金夫人、つまり金子軒の母から「子軒が厭離と全然話せてないみたいじゃない。あなた、なんのために子軒に付いて参加してるの。なんとかしなさいよ」と無茶な要求をされたのだ。
    金光瑤は金子軒へ声を掛けると、彼のアスコットタイの結び目を整えながら言った。
    2050

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    DONE酔って陽気になって「渙渙」って呼ばれたい兄上(馬鹿力)
    Qにはいつだって夢が詰まってる。
     誰だ。この人に酒を飲ませたのは。
     ……俺だな。
     今まさに自分の身に降りかかっている惨状に溜め息を吐いて、江澄は手にある酒杯を煽った。いっそ自分も酒精に理性を奪われてしまっていれば楽になれただろうに、真後ろに酔っ払いがいる状態では、酔うに酔えない。むしろ酔いもさめた。
     卓の上に散乱した酒壷と元は酒杯だったものの残骸を見つめて眉間にしわを寄せた。途端、後ろから伸びて来た指が、ぐりぐりと眉間の皺を伸ばそうと押してくる。
     痛い。この馬鹿力め。
     怒鳴る気すら失せて、煩わし気に手を払うと、くすくすと楽し気な笑い声が聞こえてくる。
    「おい、藍渙。そろそろ放してくれ」
     椅子に座り、膝の上に自分を乗せて後ろから抱きかかえている藍曦臣に無駄だと分かりながらも声をかけた。顎でも乗せたのか、ずっしりと肩が重くなる。
    「なぜだい? こんなに楽しいのに」
    「そうか。あなたは楽しいか。それはよかった。だが、放しても楽しいと思うぞ」
     俺は楽しくない、という言葉は辛うじて飲み込んだ。
     藍曦臣は酒精を飛ばして水のようにして飲むことができる、と魏無羨から聞いていたため、藍曦臣が珍しく茶ではなく、江澄の酒壷 3901