抱擁働き方を見直す、そのしわ寄せは必ずやってくる。
労働時間を短縮したところで、業務内容は変わらない、加えて全国的な人員不足。だが、だからといって全社員を残業させるわけにはいかず、役職がこうしてほぼサービス的な超過勤務をせざるを得ない。一昔前では考えられない状態がこの世の中には広がっている。部下たちに不満があるわけではないが。
「リヴァイ課長」
「勝手に降格させるな」
「・・・リヴァイ部長」
「なんだ」
共に残業を始めて4日目、部下のひとり、ミカサ・アッカーマン主任。親族じゃねぇが、たまたま俺と姓が一緒で、そのため、俺とミカサは必ず名の方で呼ばれる。ミカサが俺の部署に配属されたとき課長だったためか、はたまたバカにしているのか、ミカサはうっかりと課長と呼ぶことがある。
1929