ゆく年くる年バンエレ後編! 鐘をつきおわった後、本堂の前で甘酒が振る舞われていた。二人はそれを受け取って、かがり火の側に寄った。
「あったかくて甘いわ。こんなお酒なら大好き!」
「エールほどじゃねぇが、悪くねぇな〜♫」
まだ熱い甘酒を、エレインはちびちびすする。炎と甘酒、そして満ち足りたエレインの横顔で、バンは身も心もあたたかく、洗われたような気分になった。
「除夜の鐘、スゲェな♫」
「ね! 手もごーん、ってなったわ。楽しかったね、また来年も来ましょうね!」
「カカッ♪ 気が早えな♫」
バンは笑うが無論、無二の恋人の提案に否やはない。
言われなくたってお前が望むなら、来年も、再来年も、その先も。
「ずっと、二人で……」
「あ!」
その瞬間、最後の鐘の音が夜の空気を揺らして響く。
「あけましておめでとう、バン」
「オウ、おめっとさん♫」
そこかしこで新年の挨拶が交わされて、それとともにかがり火の近くに集まる人々も、もポツポツと帰路につき始める。
「俺等もそろそろ帰るか」
「そうね。ねぇ、バン……」
エレインはバンの手をキュッと握り、少しはにかんだ。
「来年は二人きりじゃないかも、ね?」
今年も宜しくお願い致します!!!!