依存性 これが依存症というものなのだろうか。
コーヒーは好きだ。香りも、味も、その効能による覚醒効果も。最近ではインスタントコーヒーというものが登場してしまったからに、店に行かずとも自分で手軽にコーヒーを淹れることができるようになった。朝、日中、夜勤の日は特に手放せない。寝る時以外は、気づけば1日中コーヒーの匂いと共に過ごしている。
そのせいだろうか、たった1日コーヒーを飲まなかっただけで、寝ぼけたような頭の曇りが消えてくれない。嗜好品であったはずのコーヒーは、今や私の生活の必需品となってしまったのだ。しかし、その依存性よりも憂う点が1つあった。
「肺から腐った匂いがする、気がする」
「開口一番それ?」
早朝のカジノの裏口、夜勤明けにはそこで煙草を吸うのが常となっているが、この時はシフトの入れ替わりですれ違ったスモーキーもまた、出勤前に煙草を吸いに居合わせたのだった。煙草が煙草を吸ってどうなるというのか、未だ見当もつかないが。
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