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    ムーンストーン

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    ムーンストーン

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    ヒュンケル編です。
    彼が当時地底魔城にいたのかわかりませんが、魔界でなく地上の拠点で多人数が過ごせそうなのがここしか思い浮かびませんでした。
    相変わらず捏造設定多めですのがご容赦下さい。

    #ダイの大冒険
    daiNoDaiboken
    #ヒュンケル
    hewlett-packard
    #アバン
    abundance
    #ミストバーン#バラン

    ヒュンケル〜狼煙剣術の修行中、唐突にミストバーンが視界の隅に現れたが、ヒュンケルは動揺を見せず飽くことなく剣を振るい続けた。

    父バルドスと死に別れ、アバンと共に暮らし、そしてミストバーンに師事して、幾年たっただろうか。

    生年もあやふやな孤児の身だが、確か10歳にはなるはずだ。

    俺はアバンの元にいた時より強くなった。今の強さがあの時あれば父をムザムザと死なせなかったものを、とギリリと奥歯を噛みしめるヒュンケルを見てミストバーンが僅かに左手を上げる。剣術の稽古を終えろ、という合図だ。

    剣を収めて流れ落ちる汗も拭かずに師の元へ歩む。

    次は暗黒闘気の修行だろうか?
    直接指導するのは珍しい、とヒュンケルは無表情のまま師を見る。

    無口で知られたミストバーンだが、流石に修行や学問については直接指示をするか教師役の魔族に指導させていた。

    マントの中の虚ろな光を見つめていると、ドンッと足元から衝撃がはしり、立っていられない程の揺れが続いた。

    地震だろうか? 天井から壁から埃と土塊が舞い落ち視界を暗くした。

    「別命あるまで待機せよ」
    師の言葉にハッとして見上げるが既にミストバーンはその場から消えていた。

    ようやく揺れがおさまると共に地底魔城に魔族たちのざわめきが響いた。

    ヒュンケルはゆっくりと通路を遠回りしながら地上へむかう。

    たかがニンゲンに情報を共有しようという酔狂な魔族はいないので、状況を知りたければ聞き耳をたてるしか無いのだ。

    斥候が次々にヒュンケルを追い抜き、外へ飛び出していく。 

    地底魔城の入口であるすり鉢状の底に辿り着く頃には、地上部分に最初のルーラの着地音が響いた。

    「発生源はパプニカに非ず!」
    「カールまたはアルキード方面を捜索中!」

    慌ただしく駆け抜けながら報告をする斥候の声にヒュンケルは驚きを隠せない。

    ホルキア大陸でない所で起きた出来事が地底魔城まであのような激震をおこしたのか。冷や汗が背中を伝う。

    やっと地上部分に辿り着き、勇者アバンの生まれ故郷であるカールの方角を見つめて目を疑った。

    天まで貫く細い白い柱。その先端は一刻毎に姿を変えている。

    アバンに叩き込まれた世界地図に置き換えると、もしカールで発生したことならば距離から考えると実際の柱の大きさは途方も無い規模になるはずだ。

    「フフッ」
    喉の奥から吐息が漏れ、それは直ぐに哄笑に変わった。

    次々に戻ってきた斥候が、ニンゲンがおかしな鳴き声をたてている、と軽蔑の眼差しで見てくるが全く気にならない。

    アバンよ。貴様が我が父の、地底魔城の魔族やモンスターの死骸をその血潮でこねて作り上げた「平和という砂の城」を突き崩す狼煙が上がったぞ。

    あれだけの徴を貴様が見逃すはずが無い。

    ニンゲンめ、人間め。
    勇者に魔王軍のモンスターや魔族を殺させておいて、自分達は罪が無いと言わんばかりに平和を貪ってきた報いを受ける時がきたのだ。

    うずくまり両手の拳で地を殴りつけながらヒュンケルは哂いつづけた。

    頬を伝う涙が枯れるまで。

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    ムーンストーン

    DONEダイの大冒険 リア連載時から疑問だったバルトスの敵討ちについて書き連ねました。
    以下バルトスファンとヒュンケルファンには申し訳ない話しが続きますが個人の感想なのでお許し下さい。

    ハドラー(造物主)のから信頼より子への愛情を取って責任追及された事をメッセージに残す=ハドラーへ遺恨を残すことになりませんかとか魔物と人間とは騎士道精神は共通なのねとか。
    ダイ大世界は生みの親〈〈〈育ての親なのかも。
    20.審判(ヒュンケル/ランカークス村)〜勇者来来「勇者が来るぞ」
    「勇者に拐われるから魔城の外に出てはならんぞ」
    懐かしい仲間たちと父の声が地底魔城の地下深く、より安全な階層に設えられた子ども部屋に木霊する。
    この世に生をうけ二十年余りの人生で最も満ち足りていた日々。
    ヒュンケルがまだ子どもでいられた時代の思い出だ。


    「暗くなる前に帰んなさい!夜になると魔物がくるよ!」
    黄昏に急かされるようにランカークス村のポップの家へ急いでいた時、ふいに聞こえてきた母親らしい女の声と子供の甘え混じりの悲鳴を聞いてヒュンケルとダイは足を止めた。

    ヒュンケルが声の主はと先を覗うと見当に違わず若い母親と4〜5才の男の子が寄り添っていた。
    半ば開いた扉から暖かな光が漏れ夕食ができているのだろうシチューの旨そうな匂いが漂う。
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    ムーンストーン

    DONEダイの大冒険 ナバラによるアルキード滅亡の日の回想です。
    テランの人口が急減した理由の一つに理不尽すぎる神罰があったのではないかと思います。
    あの世界の殆どの人は結局アルキードが何故滅びなければならなかったのか知らないままだから神の力の理不尽さに信仰が揺らいだ人も多いと思います。
    夢から覚めた日〜ナバラ「あの日」のテランは雲一つない穏やかな陽気だった。

    暑くもなく寒くもなく、洗濯日和と言わんばかりの優しい風が吹きすぎる。
    そんなうららかな日だというのに何時にないむずがりかたをするメルルにナバラは朝から手を焼いていた。

    「いつもお利口さんなのに今日はご機嫌ななめだねぇ」
    女所帯のナバラ達を気にかけて何かと助けてくれる近所の若者、ドノバンがあやしてくれたが更に大声で泣いてメルルは家の中に駆け込んでしまった。 
    「全くだよ。せっかく忙しいお兄さんが遊んでくれたのに」
    悪いねぇと詫びるナバラに、たまにはそんなこともありますよと気の良い笑顔を向け、若者は花と香炉の入った籠を取り上げ竜の礼拝所へ朝の礼拝に向かった。

    「全く信心深い子だよ。テラン人の中でも朝晩欠かさず竜の神殿に詣でるなんてあの子位だ」
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    ムーンストーン

    DONEメガンテを巡るポップとダイの攻防戦。(ダイは籠城戦です。外から友軍が来ないと敗ける…)R-18は念の為。
    ほぼ会話オンリーです。ダイが弱々で、アニメ58話冒頭の戦意喪失ダイにキュンとなって衝動的に(略)
    別の話になる予定だったので後で統合するかもしれません。
    魔法契約設定も含めて捏造だらけですが、ダイ大の「メガンテは魔法が使える人ならだれでも使用可能」設定だと契約なしで使えるかも?と妄想しました。
    The Point of No Return 回帰不能点〜ダイ酒場兼宿屋は夜になってもざわめきが消えない。
    人里離れたデルムリン島育ちのダイが人の気配の濃厚さに気疲れしているのを悟ったポップはダイに先に風呂へ入れと促した。
    カラスの行水ですぐ部屋に戻ったダイと入れ替わりにポップが一階の風呂に行くと、ダイは寝る前の準備として二人の荷物をすぐ持ち出せるようにそれぞれのベット上の足元に置いた。
    それは二人がデルムリン島から冒険の旅にでたときからの習慣だった。

    不思議なことに魔王軍に夜襲をかけられたことはほとんどないが、野生動物や凶暴化したモンスターに襲われたことは何度もある。

    ダイが相手を剣で切り払えば返り血で服や荷物が汚れるし、ポップがうっかり最近出力が上がり続けているメラを放とうものなら山火事になりかねない。
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