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    残念ながら全て幻覚でした!!!!(小噺only)
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    ホワイトデーのマサ音くん。
    友情出演にヴァンくんと密やかに瑛二くん。ヴァン弁は未知。

    #マサ音

    6823! (マサ音)とあるショッピングモール内。
    たくさんのお店が連なるこの場所の一画で、俺は一人頭を悩ませていた。
    色とりどりのネクタイやワイシャツがディスプレイされているこの店は、レンに教えてもらったスーツ系の専門店。そしてその店の中で二つの細長い箱を手にかれこれ五分近くは居座っている気がする。
    一つは普通にシンプルなデザインの、質感が良さそうなちょっと高めのネクタイ。もう一つは衣装とかでよく着用しているアスコットタイ?とかいうスカーフみたいなやつ。こっちは結び方がたくさんあるらしくて、一枚あるだけで色々遊べるみたい。
    どっちも落ち着いた深い青色をしていて、現在思い浮かべている人物にとても似合いそうで一人マスクの中でニヤけては、はっ!と我に返るのを何回も繰り返していた。
    「(いっそのこと、二本ともプレゼントしちゃう?)」
    単品にするか、セットにするか。個人的にはプレゼントしたものはたくさん使ってほしい欲しかないから、やっぱりこのままセットにしよう!と意気込んでレジへと動こうとした、その時だった。
    「あれ、音ちゃん?」
    背後から聞き覚えのある関西訛りの声に呼ばれる。
    声のする方へ振り向くと、すらりとした長身の男が人懐っこい笑顔と共に手を振りながら近づいてくるのが見えた。
    「あ!‪ ‬ヴァン!」
    「なんや、こないな所で会うなんて珍しいなぁ」
    「たしかに〜そういうヴァンもどうしたの?」
    「ワイは瑛二ちゃんの付き添いやで」
    えいじ、って瑛一の弟だっけ。たしかトキヤとマサが一緒に歌ってたよな……すっごくいい子だって言ってた気がする。
    「そのえいじ本人は?」
    「瑛二ちゃんはすぐそこの店で物色中や」
    通りを挟んだ向かいの店を指差され、ヴァンの背中越しに見れば、そこはたくさんの観葉植物とカラフルな鉢植えやじょうろが並んだ園芸品専門店のようだった。
    「えいじってガーデニングが趣味なの?」
    「せやで。寮のベランダや温室は瑛二ちゃんの領域でな」
    「ははっ、領域って」
    たそがれた様子で言うもんだからおかしくて笑いながら箱を持ったまま腕で目元を拭うと、中身が気になったらしいヴァンがぐいっと覗き込んでくる。
    「お、ええやん、それ。音ちゃんも遂にスーツデビューするん?」
    「ううん、そうじゃないよ。これはマサにあげようと思って」
    「マサ……?‪ ‬ああ、綺羅ちゃんとデュエットしてた子な!」
    「そうそう!‪ ‬今年もバレンタインにたくさんお菓子もらったから、お返しは実用性のある物にしようと思ってさー」
    そう言いながら二つの箱を見てはヴァンに褒めてもらえたことが自信になったのか、自然と表情が弛んでいる気がする。まあ、マスクの下だから見えてないだろうけど……と高を括った矢先、ヴァンから盛大な爆弾をもらった。
    「……そのマサちゃんってのは、音ちゃんのええ人なんやな」
    「なっ⁉︎」
    「ほな、頑張ってな〜」
    えいじが店から出てきたらしく、意味ありげな笑みとともにひらひらと手を振りながら立ち去るヴァンの姿に、マスクの下で耳まで真っ赤になった顔で見送った。遠くでヴァンと合流したえいじが小さく会釈をしてくれたから、それにぎこちなく手を振り返して足早にレジへと直行した。
    なんでヴァンにバレたんだろ……?と頭の中のハテナは膨張していったものの、帰宅して寝たらすっかり忘れてしまっていた。

    そんなこんなで、来たるホワイトデー当日。
    前日までライブイベントだったのもあって昼過ぎから少しだけ入っていた仕事を互いに終え、今回こそマサの部屋にお邪魔して一緒に夕飯を食べる。その後には白を基調にしたマサ特製ホワイトデー仕様のデザートフルコースを二人で堪能して、片付けもひと段落した頃。ソファーに並んで座って一息吐いたところで自分のリュックから一つの小包を取り出した。
    「はい、マサ。ハッピーホワイトデー!」
    先日、悩みに悩んで結局二つセットにして購入したネクタイたち。アスコットタイ用に植物の細工が描かれたタイリングを追加で添えたそれは、鮮やかな青い包装紙に水色のリボンをかけて包まれている。
    「おお、今年も感謝するぞ。中を見ても良いだろうか?」
    「もちろん!‪ ‬気に入ってくれるといいけど」
    内心ドキドキしながら丁寧に包装を剥がすマサの仕草をクッションを抱えながらじっと眺める。いつも俺を優しく撫でてくれる白くてしなやかな細い指が包装紙を這い、中身を今か今かと待ち望む熱い視線が、マサの仕草の全てがすごくキレイで、あと、なんだかちょっと色っぽい。
    「良い色だな」
    「!‪」
    いつの間にか中身を取り出していたマサの声にハッ、と意識を戻す。手元へ注いでいた視線を彼の顔へと向ければ、うれしそうに綻んだ眼差しとかち合い、思わず頬が淡く染まった。
    「一十木が選んでくれたのか?」
    「うん。ずっとマサのこと考えながら、さ」
    「そうか……」
    気に入ってもらえたのなら良かった!と安堵と同時にクッションをぎゅっと抱きしめていると、不意にマサの手が伸びてきてクッションを引き抜かれ、代わりにそっと全身があたたかさに包まれる。
    何が起こったのか分からず数回瞬きをして、ようやくマサに抱きしめられたのだと気づいた。
    「ま、マサ……?」
    「俺も、ずっとお前に熱を上げている」
    艶色を含んだ熱の帯びた声が、耳元に寄せられた唇の感触と共に鼓膜をくすぐる。反射的にぴくっと微かに肩をすくめ、抱きしめ返しつつも突然の告白に頭が追いつかず、思わず「急にどうしたの?」と聞き返せば、マサはうっとりとした眼差しでキレイに笑って。
    「そういう意味で贈ってくれたのだろう?‪ ‬ネクタイを贈るということは、『あなたに首ったけ』という意味ゆえ」
    「⁉︎」
    初めて知った事実にあんぐりと開いた口が塞がらない俺に構うことなく「一十木……」と甘くしっとりとした声が小さく響けば、それと同時にマサの手のひらがゆったりと俺の背筋を伝う。
    甘く熱い温もりを感じながら頭の片隅で『あ、だからあの時ヴァンにバレたんだ』と理解した意識は、すぐさま快楽の彼方へと飛んでいくことになる。
    今度はちゃんと意味を調べてから選ぼう。そう決意したのは翌朝のことだった。
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    DONE22年3月のリハビリリクエスト企画にて頂きました。リクエストくださった方とは縁が切れたので非公開でも良いのですが、他の方が書いたSSを漫画に書き起こしてストーリー構成などの原作は己だと自作発言をして盗作なさるような方なので一応保険のため残してあります。
    年長の二人の関係性に対して解釈が不明瞭・不慣れな部分が多いため所々関係性があやふやです。すまない。
    微睡みの星灯り。 (那レン)長い長い一日が終わる。
    今日の仕事はスケジュールがタイトだったこともあり、それもなかなか骨が折れる内容ばかりで気が付けば夜も更けていた。家に辿り着いた頃には日付けも変わっていて誰もいない部屋に重たい足取りで帰宅して、適当に荷物を廊下に置いてからそのままバスルームへと足を運ぶ。パウダールームで乱雑に衣類を籠に落として浴室へと移動しシャワーを頭から浴びれば、この身に溜まった疲労による怠さも全てが水滴に溶けて流れていくような気がして、一つゆっくりと息を吐いてからコックを捻りシャワーを止めた。
    時間も時間だからと軽めに入浴を済ませてからバスルームを後にして、途中で置き去りにした荷物からスマホを取り出し通知チェックをしながら髪を拭う。ある程度返信等を返してからテーブルに置き、軽くバスローブを纏ったまま明日のオフは何をしようか、などと返信を行いながら注いだ水の入ったグラスを片手に思案していると軽快な音楽が鳴り始めた。それと共にブブ、とテーブルの上で響く小さなバイブレーションの音に腕を伸ばし手にしたスマホの画面を見れば、まさかの人物からの電話に急いで通話をタップする。
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    MOURNING『No More Reason』の杜夜が好み過ぎて是が非でも真斗くんと絡ませたかっただけの書き途中。
    気が向いたらまた続き書くやも。
    ー・*・ー・*・ー・*・ー
    2022.2.18、続編おめでとうございます!真斗くんは『青鳳組 マコト』役となりましたが、こちらはマコトさんのそっくりさんが営む地元のマスター(パロディ)です。
    ※ドラマCD発売前に書いたのでCDにて判明した相関は含みません。
    (未完成)俺には想い人がいる。
    その人は至極物静かでこの国の人間にしては珍しく堅物な性格をしている。されど清廉な空気を身に纏い、それでいてどこかあたたかな雰囲気も持っていて。一言で表現するなれば玻璃細工のような「美しい人」。
    硝子張りの少し古びた小さなバールのカウンター内でただ一人静かに佇み、注文を受ければその背後に設置された旧式と思われる機械を操作して芳醇に甘く香る一杯のあたたかいエスプレッソを淹れてくれる。普通の珈琲とは違い、デミタスと呼ばれる小さなカップにたっぷりの砂糖を入れよくかき混ぜたそれはチョコレートのような風味ととろりとした飲み口が特徴的で、本国ではお目に掛かれない不思議な味だ。だが、イヤな甘さは欠片もなく、彼のあたたかな人格を表したような味わいに「美味しい」と一言告げれば、フッと小さく満足そうに口元が上がるのがどこか愛らしい。
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