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    みしま

    @mshmam323

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    みしま

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    リクエストまとめ⑥
    TF2で「デイビスとドロズのおちゃらけ日常風景」
    おちゃらけ感薄めになってしまいました。ラストリゾートのロゴによせて。※いつもどおり独自設定&解釈過多。独立に至るまでの話。デイビスは元IMC、ドロズは元ミリシアの過去を捏造しています。

    #タイタンフォール2
    titanfall2
    #titanfall2

    「今日のメニュー変更だって」
    「えっ、"仲良し部屋"? 誰がやらかしたんだ」
    「にぎやかしコンビ。デイビスがドロズを殴ったって」
    「どっちの手で?」
    「そりゃ折れてない方の……」
    「違うよ、腕やったのはドロズ。デイビスは脚」
    「やだ、何してんのよ。でドロズは? やり返したの?」
    「おれはドロズが先に手を出したって聞いたぞ。あれ、逆だっけ?」
    「何にせよ、ボスはカンカンだろうな」
    「まあ、今回の件はなあ……」

     そんな話が、6−4の仲間内で交わされていた。
     6−4は傭兵部隊であり、フリーランスのパイロットから成る民間組織だ。組織として最低限の規則を別とすれば、軍規というものはない。従って営倉もない。しかし我の強い傭兵たちのことだ、手狭な艦内で、しかも腕っぷしも強い連中が集まっているとくれば小競り合いはしょっちゅうだった。そこで営倉代わりに使われているのが冷凍室だ。マイナス十八度の密室に、騒ぎを起こした者はそろって放り込まれる。感情的になっているとはいえ、中で暴れようものなら食材を無駄にしたペナルティを――文字通りの意味で――食らうのは自分たちになるとわかっている。そのため始めは悪態をつきながらうろうろと歩き回り、程なくして頭を冷やすどころか体の芯から凍え、やがていがみ合っていたはずの相手と寄り添ってどうにか暖を取ることになるのだ。こうしたことから、冷凍室は〈仲良し部屋〉とも呼ばれていた。
     しかし今回、この仲良し部屋ですら仲をとりなすことのできなかった者たちがいる。話題に上がっていたドロズとデイビスだ。二人は兄弟の如く息の合った間柄として周囲に知られているが、喧嘩するほどなんとやら、を体現するかのように小さな喧嘩もよくしていた。仲良し部屋への出入りもしょっちゅうだ。いつもであれば出てくるときには喧嘩の理由すら忘れているほどだというのに、今回ばかりは効果がなかったらしい。門番も兼ねている食堂のシェフが扉を開けると、まず目に入ったのは床に散乱した食材だった。一部の棚が倒れ、冷凍食品の箱やその中身、ミートフックから落ちた肉塊も転がっている。それらを跨いで出てきたドロズとデイビスは、部屋の惨状に憤慨したシェフも言葉を失うほどの剣幕でそれぞれに立ち去ったという。

     ことの経緯はこうだ。
     デイビスは目が覚めるなり、ベッドサイドにいたドロズの胸ぐらを掴んだ。弾みでテーブルに乗っていた膿盆がけたたましい音を立てて落ちる。医療区画にいたスタッフや他の患者たちは何事かとそちらを振り返った。
    「どうどうどう」ドロズはおどけた仕草で左手だけを挙げた。右腕はギプスに覆われ、スリングで肩から吊っていたからだ。「怒るのもわかるけどさ、大人しくしてろよ。傷に響くぞ」
     そう言ってデイビスの大腿部を顎で示した。砲弾の破片に貫かれて血管が損傷していたため、手術が施された後だ。処置が間に合わなければ失血死するところだった。
     デイビスは鋭く相手を睨みつけ、しかしドロズの右腕を見てとると少しばかり手を緩めた。
    「……負けた」
    「負けはあるもんだ、相棒」とドロズは努めて明るく言った。「今回の状況じゃ仕方ない。それに全滅したんじゃ意味ないだろ」
    「あと少しだったんだ」
    「撤退命令も出てた。命あっての物種ってやつだ、な?」
    「おれのせいだろ!」
     ドロズは肯定も否定もしなかった。同意からではなく、どう答えてもデイビスが納得しないとわかっていたからだ。わかってはいたが、だからと言ってこのようにきつく当たられるいわれはない。
    「あのな、状況を考えろよ。始まる前から負けは見えてただろ」
    「でもハーベスターだって守らなきゃならなかった。おれのタイタンがあそこにいなけりゃあ……」
    「あそこにいなきゃ、もっと戦線が押されてた。民間人の被害が増えてたかもしれない」
    「おまえがあのクソリージョンを止めてりゃ、そうはならなかったろ」
    「おれのせいだってのか?」
    「そんなこと言ってねえよ。おれがトチんなきゃおまえだって――」
    「なら見捨てりゃよかったってのか?」
    「おれはおまえの部下じゃない!」
     その言葉を引き金に、ドロズはデイビスの胸倉を引き寄せて頭突きを食らわせた。あっという間に取っ組み合いが始まり、割って入った医療スタッフにより取り押さえられた。騒ぎを聞きつけた6−4司令官ゲイツは、即時『仲良し部屋』行きの処分を言い渡したというわけだ。

     更にさかのぼって、二人の諍いと、そして新たな戦場を生むきっかけとなったのはIMCによる襲撃だった。デメテルに続きタイフォンの戦いで黒星を経たIMCは、もはや物量で押し切るばかりでは決め手に欠けると判断したのか、残存艦隊を引き連れミリシアの補給線を攻めることにしたらしい。フロンティア各地で燃料採掘を担っている重要設備〈ハーベスター〉の破壊活動を開始したのだ。その最初の標的となったのが、惑星オーピスたった。
     オーピス襲撃時、最も近くを航行中であった6−4分隊が急遽防衛に駆けつけた。だが明らかに数で劣っていた。かと言って増援の到着を待っている余裕はない。そこでゲイツは施設防衛に見切りをつけ、民間人の避難誘導を優先するよう指示を出した。
     そのさなか、デイビスが敵の迫撃砲により脚を負傷した。動けない彼の元へリーパーが迫る。彼のタイタンもハーベスターの足元で敵の猛攻をどうにか抑えていたが、危機に瀕したパイロットの元へ近づくことすらままならない。
     そこへドロズが自機とともに駆けつけ、リーパーとデイビスの間に立ちふさがった。ほぼ同時に火を噴いていた敵タイタンが自爆し、デイビスのタイタンとハーベスターが巻き込まれてしまったのだ。ドロズは衝撃で腕を骨折したものの、どうにかデイビスと危機を脱しそろって帰投することができた。また、民間人の被害者も最小限にとどめられた。
     しかしながら、ハーベスターが破壊された影響は大きい。ミリシア勢のエネルギー供給源の一つが失われ、またオーピスで施設運営を生活基盤としていた入植者らは別の惑星への異動を余儀なくされた。結果だけ見れば、この度の戦闘は敗北に帰したと解釈して相違ない。
     オーピスに続き、ハーベスターへの襲撃はフロンティアのあちこちで起きていた。現状ミリシア軍が主体となって防衛を務めているが、こちらも同タイフォンで戦力を消耗しており、決して万全の備えで迎え撃てているわけではない。6−4の助力があってなお、先が見通せない状況だ。
     ゲイツも芳しくはない状況を十分に把握していた。通常の契約任務からさらに派遣先が増え、管理も難しくなってきている。おまけに主力チームのメンバーである二名が負傷の上に仲たがいをし、彼女の右腕であるベアはため息と眉間の皺を増やし、そして最も気がかりなのは他の部下たちへも不安が伝播していることだ。聞き及ぶところによれば、「まだあいつら仲直りしてないの?」「あんなにおとなしい二人なんて気味が悪い」「ベアの無言の圧力が怖い」「ボスも怖い」「それはいつものこと――」「シッ、これ以上事態を悪化させたいのか!」……などなど。

     タイタンドックにカンカンと固いものを打ち付ける音が響いている。工具や機械の音ではない。松葉杖で手すりを叩く音だ。
    「デイビスうるさいぞ。用がないなら持ち場に戻れ、おれは忙しい……ああ、ありがとう」
     ベアは作業用ロボット〈マーヴィン〉の一体からタブレット端末を受け取り、次の作業へ移るよう指示を出した。マーヴィンは胸のディスプレイにスマイルマークを表示し、敬礼を返して立ち去った。ベアは本人が言うとおり、常に仕事に追われている。組織の副官として、そして工兵として6−4が所有するタイタンや機器の管理を任されているからだ。
     『ワーカホリックめ。おまえもそう思うだろ?』とデイビスはドックに収まっている愛機に胸の内で語りかけた。ベアという男には人間の友人よりも彼を慕うロボットの方が多いのでは、と仲間内では専らの語り草だ。事実、マーヴィンたちの仕事はその多くがベアからの命令が優先され、また彼らのメンテナンスもベア手ずから行われている。
     彼らの邪魔をするつもりはない、が、ベアを煩わせていることはデイビスも自覚していた。でも他に行くところがないのだ。持ち場と言っても、脚が治るまでできることと言えばシムポッドでの自主訓練かデスクワークぐらいだ。特に後者は気が滅入ることこの上ない。前者を選んでも、同じく療養中のドロズと鉢合わせになると容易に予測できた。
    「用ならありますー。愛しのおタイタンちゃんの様子を見に来てるんですー」
    「データ移行はとっくに完了してる。こいつもチームもおまえの復帰待ちだ。おれの整備不良を疑うなら問答無用で蹴り出すぞ」
     そう言われてなお、デイビスはそっぽを向いたまま不機嫌に口を尖らせている。ベアは何度目になるかわからないため息をついた。おれはカウンセラーでも保護者でもないんだぞ。
    「デイビス、いい加減にドロズと仲直りしろ」ベアは単刀直入に言った。「おまえらがいがみ合ってちゃみんな迷惑だ。士気が下がる。ゲイツがキレる。おれの仕事が増える」
    「これ以上どう増やすんだよ」
    「増やされたら困るって言ってるんだ」
    「全部おれが悪いんだろ、わかってる」
    「ガキみたいな物言いはよせ。あの状況じゃどうしようもなかった。自分を責めてるのもドロズを責めてるのも、おまえだけだぞ」
     デイビスはますますぶすくれて、愛機との勝負にならないにらめっこの延長戦に入った。ベアは癖になりかけている眉間の皺を擦り、とうとうタブレットを作業台の上へ手放した。
    「確かに、ドロズが例のリージョンを抑えていたら、ハーベスターは破壊されなかったかもしれん」
    「だよな!」
    「その場は、だ」ようやく振り向いたデイビスに、ベアは釘を刺して言った。「向こうは目的を達成したから追撃してこなかったんだ。もし一旦は守り抜けたとして、増援が来てたらやられていた可能性は十分にある。何より、おまえは死んでただろうな」
    「……」
     沈黙を返すデイビスに、ベアは少し口調を和らげて続けた。
    「デイビス、おまえが入植者たちの居場所を守ることにこだわってるのはわかる。IMCでのことがあるからな。だがあいつにデメテルのことを持ち出したのは悪手だったな、キレられても当然だ。ドロズは誰のことも見捨てない。特におまえのことは。けどそれは、おまえに亡くした部下を重ねてるからじゃない」
     そして慰めに軽くデイビスを小突き、聞かずとも答えなどわかりきっていることをたずねた。
    「立場が逆だったら、おまえはドロズを見捨てたか?」

     食堂は夕食時で賑わっていたが、ドロズが座るテーブルは空いていた。同僚たちは真剣な面持ちでトレーをつつく彼を遠巻きに見やるばかりだ。
     ドロズはシェフ特製のペナルティメニューから、大嫌いなグリーンピースを選り分けていた。だが利き手ではないほうの手でやっているものだから、グリーンピースはフォークに刺さったまま抜けなくなったり、料理の中へ戻ったりトレーから飛び出て行ったりしている。
     そんな彼の向かいに音を立ててトレーが置かれ、デイビスがすとんと腰を下ろした。ドロズは彼を一瞥し、しかし緑のツブツブ退治をやめようとはしなかった。すると一粒のグリーンピースがフォークとトレーの間に弾かれて、テーブルの上をデイビスのほうへと転がっていった。
    「ごめん」
     先に口を開いたのはデイビスだった。
    「ボスに言われてきたのか?」ドロズは低く問うた。「おれは謝らないぞ。おまえを助けたのが悪いなんて思ってないからな」
    「わかってる。あとボスに命令されたんじゃないからな。ベアとは話したけど、ってのは置いといて。デメテルのこと、蒸し返して悪かった。助けてくれてありがとな」
     ドロズは転がったグリーンピースをじっと見つめ、それからやっとデイビスのほうへ顔を上げた。微かな笑みすら浮かべて。
    「見ろよこれ、おまえが棚をひっくり返したからだぜ。シェフは全部の料理にクソ忌々しい虫の卵を入れやがった」
    「あれはお互い様だ。そんな豆粒、抜かなきゃならんほどマズかないだろ。スープが出たときは旨いって食ってたじゃん」
    「おまえだってケチャップは好きだろ」
    「一緒にするな。ケチャップは調味料、トマトは……そう、トマトだ」
     デイビスはフォークを手に取ると、ドロズのグリーンピースを片っ端から自分のトレーへ移し始めた。ドロズはしばし無言でその様子で見ていたが、やがてニヤッと笑い、デイビスの生トマトをさらって口へ放り込んだ。
     いつもの光景が戻ってきた。周りにいた仲間たちは密かに視線を交わし、ほっと胸を撫で下ろした。

     薄暗い部屋の中、ドロズはベッド手前で力尽きている親友をつま先でつついた。
    「デイブ、起きろよ」
     デイビスはうなり声を発したものの、起き上がる気配はない。もともと寝起きが悪いほうだが、昨夜は二人でゲームに興じて夜更ししていたからなおのことだ。ドロズは寝穢い親友の肩を掴んで揺さぶった。
    「おい、マジですぐ起きろって。ボスがお呼びだ」
    「……なんで?」
    「知らねえよ。リストラ宣告じゃないことを祈ろうぜ」
    「ンまっさかあ」
     ゲイツの執務室へ向かった二人が聞かされたのは、その『まさか』に等しい言葉だった。
    「新組織の立ち上げを担ってほしい」
    「新組織?」
     ドロズがオウム返しに問い返す。ゲイツは要項を表示したタブレットをデスクの上に滑らせた。
    「ハーベスター防衛の要となる部隊を新設するの。前々から『いずれは独立したい』って言ってたでしょ」
    「厄介払いですか?」デイビスが硬い口調で問う。
    「仲直りならしたぜ、なあ?」と言うドロズの援護にデイビスは大きくうなずいた。
    「知ってるわよ。それとこれとは関係ない。昨今問題視されていたハーベスター襲撃が、片手間じゃ対処しきれない段階に来ているの」
     ならばどうするか。専門対策チームを作り、防衛を一任させよう、というのがミリシア上層部の考えだった。
     しかしそれに至る手段は一筋縄にはいかない。軍内部から捻出するには人手も時間もかかる。手っ取り早いのは外部組織への委託だ。とは言え選択肢は限られる。フロンティアで有力なPMCと言えばエイペックス・プレデターズだが、彼らが幅を利かせていたのはIMCに雇われていたからなので当然除外。そしてごく自然な流れとして白羽の矢が立ったのは、かねてより共闘してきた組織、6−4であった。
    「今だって方々に派遣してるのに、防衛専門となれば装備も作戦も他とは別物。ならいっそ指揮系統を分けたほうが効率がいい。わたしだって優秀な仲間を手放すのは惜しいわ。でも、状況が許さない」
    「つまり、頼りにしてるってことだよな?」
    「ええ、当たり前じゃない。能力面でもリーダーシップでも、適切だと思えるのはあなたたち二人をおいて他にないわ」
     いつになく率直に褒めるゲイツに、ドロズとデイビスのみならず、脇に立っていたベアすらも目を丸くした。
    「あなたたちについて行くっていう連中もいるの。彼らをこのまま燻らせておくのはもったいない」
     大戦での勝利を経たパイロットたちの中には、新たな場で活躍したいと意気込む熱心な者も少なくない。彼らにとってもいい機会だとゲイツは考えていた。
    「けど正直、経理とか経営とかわからねえし、船は? 旗艦がないんじゃどこにも行けないぜ?」とドロズ。
    「そのあたりは支援する」とベア。「当面はうちでコンサルする。基本的な設備や装備はミリシアが用意してくれるそうだ」
    6−4うちからも餞別は出す。まさに至れり尽くせりね。まったく、うらやましいぐらいよ」
     デイビスとドロズは同時に顔を見合わせ、そして上官二人を振り返ってそろって言った。
    「ありがとうパパ、ママ!」
    「誰がパパだ」「誰がママよ」とベアとゲイツがそれぞれに返す。「これからが大変なのよ」と忠告されたが、二人は堪えなかった。さしあたって彼らの頭を占めていたのは、新たな組織名を何とするかだったからだ。さまざまなアイデアが――馬鹿馬鹿しいものも含めて――次から次へと浮かんでいたが、ロゴマークには共通して付けなければと考えていたものがある。ドロズとデイビス、二人の共通のイニシャルだ。
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    みしま

    DONEiさん(@220_i_284)よりエアスケブ「クーパーからしょっちゅう〝かわいいやつ〟と言われるので自分のことを〝かわいい〟と思っているBT」の話。
    ※いつもどおり独自設定解釈過多。ライフルマンたちの名前はビーコンステージに登場するキャラから拝借。タイトルは海兵隊の『ライフルマンの誓い』より。
    This is my rifle. マテオ・バウティスタ二等ライフルマンは、タイタンが嫌いだ。
     もちろん、その能力や有用性にケチをつける気はないし、頼れる仲間だという認識は揺るがない。ただ、個人的な理由で嫌っているのだ。
     バウティスタの家族はほとんどが軍関係者だ。かつてはいち開拓民であったが、タイタン戦争勃発を期に戦場に立ち、続くフロンティア戦争でもIMCと戦い続けている。尊敬する祖父はタイタンのパイロットとして戦死し、母は厨房で、そのパートナーは医療部門でミリシアへ貢献し続けている。年若い弟もまた、訓練所でしごきを受けている最中だ。それも、パイロットを目指して。
     タイタンはパイロットを得てこそ、戦場でその真価を発揮する。味方であれば士気を上げ、敵となれば恐怖の対象と化す。戦局を変える、デウスエクスマキナにも匹敵する力の象徴。
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    みしま

    DONEiさん(@220_i_284 )のスコーチ&パルスさんを元に書かせていただきました。いつも通り独自設定&解釈多々。『残り火の膚に』https://poipiku.com/4433645/7767604.htmlは前日譚的なものとなります。
    シグナルレッドの装いを 息を吸う。息を吐く。熱が気道を炙り、何かが焦げるようなきつい臭いが鼻を突く。
     死体。揺らめく炎。その炎に、炎よりも鮮烈な赤が照り返す。
     聴覚が不明瞭な音を拾う。いや、音じゃない。声か?

     不意に、漂っていた意識が引っ張られるように急浮上した。白い光が目の前で明滅している。次第に声がはっきりとしてきて、意味の理解できる言葉だと気づく。
    「パイロット・エンバー、聞こえますか?」
     光がそれると、陽性残像のちらつく人物を視覚が捉えた。IMCのロゴマークがついた白衣を着ている。名札に記されているのは『Dr.ジャンセン』。
     周囲にあるのはコンピュータ端末の置かれたデスクと金属製の棚、隅のパーティション、そして自身が寝ているストレッチャー。少ない要素で構成された飾り気のない小部屋だ。四方を囲む白い壁の一片はガラスになっており、ブラインドカーテンの隙間から白衣や作業着姿の人々、作業用ロボットが行き来しているのが垣間見える。
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    みしま

    DONEリクエストまとめ⑥
    TF2で「デイビスとドロズのおちゃらけ日常風景」
    おちゃらけ感薄めになってしまいました。ラストリゾートのロゴによせて。※いつもどおり独自設定&解釈過多。独立に至るまでの話。デイビスは元IMC、ドロズは元ミリシアの過去を捏造しています。
    「今日のメニュー変更だって」
    「えっ、"仲良し部屋"? 誰がやらかしたんだ」
    「にぎやかしコンビ。デイビスがドロズを殴ったって」
    「どっちの手で?」
    「そりゃ折れてない方の……」
    「違うよ、腕やったのはドロズ。デイビスは脚」
    「やだ、何してんのよ。でドロズは? やり返したの?」
    「おれはドロズが先に手を出したって聞いたぞ。あれ、逆だっけ?」
    「何にせよ、ボスはカンカンだろうな」
    「まあ、今回の件はなあ……」

     そんな話が、6−4の仲間内で交わされていた。
     6−4は傭兵部隊であり、フリーランスのパイロットから成る民間組織だ。組織として最低限の規則を別とすれば、軍規というものはない。従って営倉もない。しかし我の強い傭兵たちのことだ、手狭な艦内で、しかも腕っぷしも強い連中が集まっているとくれば小競り合いはしょっちゅうだった。そこで営倉代わりに使われているのが冷凍室だ。マイナス十八度の密室に、騒ぎを起こした者はそろって放り込まれる。感情的になっているとはいえ、中で暴れようものなら食材を無駄にしたペナルティを――文字通りの意味で――食らうのは自分たちになるとわかっている。そのため始めは悪態をつきながらうろうろと歩き回り、程なくして頭を冷やすどころか体の芯から凍え、やがていがみ合っていたはずの相手と寄り添ってどうにか暖を取ることになるのだ。こうしたことから、冷凍室は〈仲良し部屋〉とも呼ばれていた。
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    みしま

    DONEリクエストまとめその11。TF2で「ツンデレの無意識独占欲強めローニン君とパイロットの話」
    いつも通り独自解釈&設定過分。
    オンリーマイアイズ タイタンの中でも、ローニンはピーキーな機体だ、とよく言われる。実際その通りだ。
     身の丈の三分の二以上の長さがあるブロードソード、一度に八発の散弾を放つショットガン、そして軽量化されたシャーシにフェーズダッシュ機能。いずれもヒットアンドランの近接戦に特化した兵装だ。中・遠距離による銃撃戦が主となる近代戦において、強力ながらもリスキーな戦法と言える。
     だがわたしにはその方が合っていた。いや、合うようになった、という方が正しい。自身も同様に、最前線へ飛び出して短射程の銃器とCQCを駆使するようになったのは、目が潰れてからの話だから。
     タイフォンでの作戦行動中、目を焼かれた。記憶が曖昧だが、酷く眩しかったことは覚えている。おそらくテルミットの火だったのだろう。一命はとりとめたものの、軍医からは「視力を取り戻すにはインプラントを入れるか、シミュラクラムで義体化するかだ」と宣告された(三つ目に「軍を辞める」という選択肢をよこさなかった軍医殿はさすがだと思う)。
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    みしま

    DONEリクエストまとめ③「コーポVがコーポのお偉いさんに性接待したあと最悪の気分で目覚めて嘔吐する話」
    ※直接的な表現はないのでR指定はしていませんが注意。
    ルーチンワーク ホロコールの着信に、おれは心身ともにぐちゃぐちゃの有様で目を覚ました。下敷きになっているシーツも可哀想に、せっかくの人工シルクが体液とルーブの染みで台無しだ。高級ホテルのスイートをこんなことに使うなんて、と思わないでもないが、仕事だから仕方がない。
     ホロコールの発信者は上司のジェンキンスだった。通話には応答せず、メッセージで折り返す旨を伝える。
     起き上がると同時にやってきた頭痛、そして視界に入った男の姿に、おれの気分はさらに急降下した。数刻前(だと思う)までおれを散々犯していたクソお偉いさんは、そのまま枕を押し付けて窒息させたいほど安らかな寝顔でまだ夢の中を漂っている。
     意図せず溜息が漏れた。普段に比べて疲労が強いのはアルコールの影響だけじゃないはずだ。酒に興奮剤か何か盛られたに違いない。こういう、いわゆる“枕仕事”をするときは、生化学制御系のウェアをフル稼働させて嫌でもそういう気分を装うのが常だ。ところが今回はその制御を完全に逸脱していた。ろくに覚えちゃいないが、あられもなく喚いておねだりしていたのは所々記憶にある。羞恥心なんかどうでもよくて、油断していた自分に腹が立つ。
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    みしま

    DONEリクエストまとめ⑤「ヴィクターとVがお出掛け(擬似デートのような…)するお話」。前半V、後半ヴィクター視点。
    晴れのち雨、傘はない チップスロットの不具合に、おれはジャッキーとともにヴィクター・ヴェクターの診療所を訪れた。原因ははっきりしている、昨日の仕事のせいだ。
     依頼内容は、依頼人提供の暗号鍵チップを用いて、とある金庫から中に入っているものを盗んで来いというもの。金庫は骨董品かってほど旧世代の代物だったから、目的の中身は権利書とか機密文書とか、相応の人間の手に渡ればヤバいブツぐらいのもんだろうと軽視していた。侵入は簡単だった。一番の障害は金庫自体だった。古すぎるが故のというか、今どきのウェアじゃほとんど対応していない、あまりに原始的なカウンター型デーモンが仕掛けてあったのだ。幸いにしてその矛先はおれではなく、暗号鍵のチップへと向かった。異変に気づいておれはすぐに接続を切り、チップを引っこ抜いた。スロット周りにちょっとした火傷を負いはしたものの、ロースト脳ミソになる事態は避けられた。それで結局その場じゃどうにもならんと判断して、クソ重い金庫ごと目標を担いで現場を後にした。フィクサーを通じて依頼人とどうにか折り合いをつけ、報酬の半分はせしめたから及第点ってところだろう。あれをどうにかしたいなら本職のテッキーを雇うなり物理で押し切るなりする他ないと思う。
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    みしま

    DONEリクエストまとめ⑥
    TF2で「デイビスとドロズのおちゃらけ日常風景」
    おちゃらけ感薄めになってしまいました。ラストリゾートのロゴによせて。※いつもどおり独自設定&解釈過多。独立に至るまでの話。デイビスは元IMC、ドロズは元ミリシアの過去を捏造しています。
    「今日のメニュー変更だって」
    「えっ、"仲良し部屋"? 誰がやらかしたんだ」
    「にぎやかしコンビ。デイビスがドロズを殴ったって」
    「どっちの手で?」
    「そりゃ折れてない方の……」
    「違うよ、腕やったのはドロズ。デイビスは脚」
    「やだ、何してんのよ。でドロズは? やり返したの?」
    「おれはドロズが先に手を出したって聞いたぞ。あれ、逆だっけ?」
    「何にせよ、ボスはカンカンだろうな」
    「まあ、今回の件はなあ……」

     そんな話が、6−4の仲間内で交わされていた。
     6−4は傭兵部隊であり、フリーランスのパイロットから成る民間組織だ。組織として最低限の規則を別とすれば、軍規というものはない。従って営倉もない。しかし我の強い傭兵たちのことだ、手狭な艦内で、しかも腕っぷしも強い連中が集まっているとくれば小競り合いはしょっちゅうだった。そこで営倉代わりに使われているのが冷凍室だ。マイナス十八度の密室に、騒ぎを起こした者はそろって放り込まれる。感情的になっているとはいえ、中で暴れようものなら食材を無駄にしたペナルティを――文字通りの意味で――食らうのは自分たちになるとわかっている。そのため始めは悪態をつきながらうろうろと歩き回り、程なくして頭を冷やすどころか体の芯から凍え、やがていがみ合っていたはずの相手と寄り添ってどうにか暖を取ることになるのだ。こうしたことから、冷凍室は〈仲良し部屋〉とも呼ばれていた。
    6703

    みしま

    DONEリクエストまとめ⑦。Cp2077で死神節制ルート後。ケリーが「そうなると思ってた。Vはまったくしょうがねぇやつだよ」とジョニーを慰める話。
    ※エンディングに関するネタバレあり。なおスタッフロール中のホロコールを見る限りケリーは節制の結果を知らないようですがその辺は無視した内容となっています。
    アンコール インターカムも警備システムも素通りして“彼”が戸口に現れたとき、ケリーは思わずゾッとした。姿を見なくなってしばらく経つ。アラサカタワーの事件はテレビやスクリームシートで嫌というほど目にしてきた。だがその結末は? マスメディアの言うことなど当てにならない。噂では死んだともアングラでうまくやっているのだとも聞いた。けれど真相は誰も知らない。ならばとナイトシティ屈指の情報通、フィクサーでありジョニーの元カノ、ローグにもたずねてみた。返事は一言、「あいつは伝説になったんだ」。金なら出すと言ってはみたが、返されたのは立てた中指の絵文字だけだった。
     Vはいいやつだ。彼のおかげで――奇妙な形ではあったが――ジョニーと再会を果たすことができた。それに人として、ミュージシャンとして立ち直ることができた。もし彼がいなければもう一度、そして今度こそ自らの頭に銃弾をぶち込んでいただろう。大げさに言わずとも命を救われたのだ。だから生きていてほしいと願っていた。一方で、心のどこかでは諦めてもいたのだ。自分とて真面目に生きてきたとは言い難いが、重ねた年月は伊達ではない。起こらないことを奇跡と呼ぶのであって、人がどれほどあっけなく散ってしまうかも目の当たりにしてきた。Vの生き様はエッジー以外の何物でもない。もうそろそろ、読まれることのないメッセージを送るのも、留守番電話へ切り替わるとわかっていて呼び出し音を数えるのもやめにしようかと思っていた。だからその姿を目にしたとき、とうとう耄碌したかと落胆すらしかけた。
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