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    ao_lake

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    94おひるねこがかわいすぎて書いた猫半ロナ&猫ドちゃん&ヒナイチちゃんのお話

    「ちん!クッキー!」
    クッキーの匂いに、いつものように床下から飛び出たヒナイチを迎えたのはテーブルに載せられた山盛りのクッキーだった。しかし、それを置いたであろうはずのドラルクの姿はどこにもない。
    「……?クッキーをもらうぞ?」
    ひと口かじればバターがたっぷりと使われたクッキーは上品な甘さで文字通り無限に食べれそうだ。
    「しかし、ロナルドもドラルクもどこへ行ったのだ。事務所は営業中だろう」
    ひとりごちながらサクサクとクッキーを胃に収めていると、テーブルの下からなにやら黒い影が這い出てきた。
    「ちん!?」
    「にゃあ」
    「なんだ猫か。うーん?なんだかドラルクに似ているな…新しい使い魔か?」
    小さな黒目をsドラルクに似た耳の大きな黒猫の頭の上には、小さなマジロまで乗っている。
    「ヌン!ヌヌヌヌヌン!ヌヌヌン!」
    「小さいけど…ジョンなのか?」
    「ヌン!」
    小さなジョンはヒナイチの問いに必死な様子でうなずいた。
    ドラルクに似た猫は猫にしては少し不器用にソファーの上に上ると、ヒナイチの隣で香箱座りになった。
    「うにゃああ」
    「みゃぎゃっ」
    突然激しい猫の鳴き声のあとに開けっぱなしになっていたドアの向こう、居住スペースから二匹の猫が飛び出てきた。
    追いかけられている一匹はふわふわの毛並みが真っ白な猫、追いかけている方は鋭い金目の黒猫だ。ヒナイチの隣に座っている痩せた黒猫と違って、こっちは黒豹をちっちゃくしたような体格をしている。
    その白と黒の二匹が大騒ぎしながら大運動会を繰り広げるものだから、落ち着いてクッキーに集中することもできない。
    目まぐるしく駆け回る二匹が虎だったらバターになってしまっただろう。白と黒だからミルクチョコレートになればいいのに。
    そんなことを思いながら、皿に載った最後の一枚を平らげると、隣の黒猫がにゃあにゃあ言いながら前足でちょいちょいと膝をつついてきた。
    「ちーん…ねこ語が分からない…」
    せっかくなので人差し指でぷにぷにの肉球をつついてみる。
    「みゃお!にゃあ!」
    「ヌヌヌンヌン!ヌヌヌーン!」
    にゃあにゃあヌンヌン鳴き続ける黒猫とマジロに、ヒナイチは首をかしげる。
    「ドラルクと似ている…ねこ…吸血鬼…ねこ…吸血鬼ねこの奴隷!!?お前!ドラルクなのか!?」
    「にゃあ!」
    「ヌン!」
    「じゃあ、あの二匹は……半田とロナルド!?」
    さっきまで追いかけっこをしていた二匹は、いつのまにかロナルドの事務机の上の横になっていた。追いかけられていた白い猫を黒猫はジッと見つめながら前足でつついていたかと思うと、ペロペロと相手の毛づくろいを始めた。すっかり寝入っているらしい白猫は気持ちよさそうに喉をゴロゴロ鳴らしている。
    「……なんだかこのままでいい気がするな」
    ヒナイチの言葉に猫の姿のドラルクは同意するようににゃあと鳴いた。
    「でも!ドラルクがこのままなのは困るぞ!!!クッキーを焼くひとがいなくなってしまう!!!大変だ!!!そうだVRCならなにか分かるかもしれない!行くぞドラルク!!!」
    痩せた黒猫を小脇に抱えてドアを勢いよく開けてヒナイチは事務所を出ていく。あとに残されたのは驚いた猫の悲鳴に近い大きな鳴き声とバタンとドアの閉まる音。
    それを見ていたもう一匹の黒猫は大きな牙の目立つ口でふわあとあくびをして、それからふわふわの白猫に身体を寄せて目を閉じた。
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    TRAININGぐだマンワンドロワンライ
    お題「天使の囁き/ダイヤモンドダスト」
    はぁ、と吐き出した息が白く凍っていく。黒い癖毛を揺らしながら雪を踏みしめ歩く少年が鼻先を赤く染めながらもう一度大きく息を吐いた。はぁ。唇から放たれた熱が白く煙り、大気へと散らばっていく。その様子を数歩離れたところから眺めていた思慮深げな曇り空色の瞳をした青年が、口元に手をやり大きく息を吸い込んだかと思うと、
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    h‘|ッЛ

    DONE #しん風版深夜の60分一本勝負
    お題「放課後」

    遅刻!ワンライ+20分!

    何度書いてもくっつく話は良いよねぇ...
    しん風しか勝たん...マジで...

    ※誤字に気づいて途中修正入るかもかもです。

    ⚠️アテンション
    高校生未来パロ。
    同じ学校通ってる。
    最初付き合ってない。

    3 2 1 どぞ
    しん風ワンライ『放課後の告白』

    ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

    西陽の射す窓。教室から溢れ出る紅に染る廊下。笑い声や掛け声が重なり心地よく耳を掠めていく。
    一般生徒の最終下校のチャイムまであとわずか。

    委員会の集まりが長引き、担当教員に頼まれて資料室に資料を置きに行った。ついでに整理まで行った所までは予定通りだった。そこから更に社会科教師に捕まり、今日提出だった課題を社会科教室前の箱から持ってくることを頼まれ、更にそれを名簿に纏めあげた。あろうことか最後に教頭に捕まって長話に付き合わされてしまった。

    今日もしんのすけと帰る予定だった。社会科教師に捕まった時点でしんのすけには先に帰っていいと連絡した。本当はしんのすけと帰れたのに。きっとしんのすけはモテるから、そこらのJKに絡まれて流されて一緒に帰ってしまったんだろう。

    アイツの隣は僕のものなのに――

    鞄は教室に置いてきた。しんのすけとは教室で待ち合わせていた。明日アイツに彼女が出来てたら、僕はどんな顔をするだろう。泣くか怒るかそれとも笑うか。こんな思いをするなら先に帰っていいなんて言わなきゃ良かったんだ。僕の心はなんて狭く 2725

    r0und94

    INFO【アンソロ寄稿のお知らせ(サンプル付)】
    2022/12/11 半ロナオンリーにて半ロナ学生アンソロジー「放課後の運命論」に参加させていただきました!
    ◯は夏を担当させていただいております〜。高1の頃のまだ距離感が掴めきれてない半ロナだよ! 全年齢で初々しい感じの二人だよ!!
    よろしくお願いいたします〜
    おれたちの夏はこれからだ!!(冒頭サンプル)「お前らはもう高校生になったんだから分かってるだろうが、休み中は羽目を外しすぎるなよー。ああそれと、期末で補習になった奴は特別課題を出すから職員室に各自取りに行くように」
     今日はここまで、と担任が話を切り上げたのを合図に教室から一斉に同級生たちが引き上げていく。明日からの予定について騒ぎ立てる声は、一夏を謳歌する蝉時雨にどこか似ていた。
    (どいつもこいつも、何でこんなに夏が好きなんだ?)
     級友たちがはしゃぎ回るのを、半田は窓際の席に座ったまま他人事の様に眺めていた。
     昔から夏は得意になれない。体質のせいで日に焼けると肌が火傷したみたいに痛むし、夏場の剣道の稽古は道着のせいで軽い地獄だ。それに、夜が短くなるせいで母と過ごす時間が少なくなってしまう。嫌いとまでは言わないが、好きになれる要素が少ないからどうしても気が重たくなる季節だ。
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