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    pk_3630

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    平安時代AUの曦×澄♀ ①
    他の方々が書かれていた平安時代AUの曦澄が素晴らしくて心があれでそれなことになって書きました
    帝(曦臣)に見初められた女官(江澄♀)の話です
    なお平安時代の知識はあんまりないのでその辺はお目こぼしください

    平安時代AU夢のような御殿、天上の如き世界、花の宮。
    様々な呼び名を持つこの場所が今日から江澄の居場所となる。

    江澄は江家の末の姫だ。江家は貴族の中でも有力な家で、その家の姫ともなればとっくに貴公子と結婚していい年頃だったし、そうでなければ女御として入内することもできた身分だった。
    しかし、あくまで宮仕えという形で入宮したのには訳がある。

    江澄も年頃となれば、様々な貴公子から文をもらった。何度か文のやり取りとしていく中で身分や評判の良い者の中から父母が結婚相手を選び、会ったこともない殿方との婚姻話はとんとん拍子に進んでいった。
    左大臣家の嫡男と幼馴染で恋愛結婚をした姉が異例だっただけで、結婚とはこんなものだろうと思っていたので特に何の抵抗もなかった。相手も熱心に文を送ってきたので、後は婚姻の日を待つだけだった。
    しかし事件は起きた。相手が直前になって江澄との婚約を破断にしたのだ。江澄に不手際があったわけではない。参加した貴族の歌合の会で魏無羨の作った歌が評判になった。そのことで婚約相手は無羨に心惹かれてしまい、江澄との婚約を一方的に破断にしたのだ。
    「あんなどうしようもない男に江澄がとられなくて良かった。江澄は何も悪くないんだから気落ちなんてするんじゃない。」
    義姉は不実な男に怒りながら江澄を励まし、姉も優しい励ましの文を何通も送ってくれた。傷つけられた矜持も二人がいればどうにか癒されつつあったのだが、魏無羨が突然結婚したことで再び心は安定さをなくしていった。
    無羨の結婚相手は時の帝の弟だった。それも容貌や教養等全てにおいて秀でており、帝とともに当代一と称えられ都中の女が憧れている親王だった。もとは江家の拾われ子だった中の姫が親王に見初められて結婚した美談は世の女性の憧れの的となった。

    幸せそうに忘機に嫁いでいく無羨を見送ったが、その後の江家での生活はまさに針の筵だった。
    左大臣家の嫡男と結婚した一の姫、親王と結婚した中の姫、比べて婚約を破断にされた末の姫。すっかり江澄の評判は落ちてしまい貴族からの文はこなくなった。婚期を逃しつつある現実に母からは怒られ、父は目に入れたくもないとばかりにため息をつかれた。
    (何とかしなければ。結婚が無理なら宮仕えをして江家に貢献しよう)
    父に宮仕えをしたい旨を申し出たところ、どうでもいいとばかりにすんなり許可が出た。入宮の準備もそこそこに送り出され、もはや帰る場所はないだのと実家を後にしたのだった。

    「今日から主上によくお仕えするように。」
    ともに入宮した女官達とともに御簾のあちら側にいる帝に挨拶をする。
    帝は一言も話さず、全て側に控えた女官が取り仕切っているため、本当にあの御簾の内に帝がいるのかもわからず、正直実感がわかない。
    挨拶をすませると与えられた部屋に向かった。外れのほうにある部屋だったが、人通りも少なく落ち着いた雰囲気で、実家にいるよりも余程快適だと新たな居場所を気に入っていた。
    この日から江澄は一生懸命に宮仕えの仕事をしていった。もともと真面目で覚えるのも早い江澄は、すぐに宮中の儀式の手伝いを任されたりと中々に充実した日々を送っていた。


    ある宮中での儀式の後のことだった。江澄は後始末が終わり暗くなってから部屋に戻ろうとしたところ、場所がわからなくなってしまった。入宮してから日も浅く、迷路のような宮中にまだ慣れていなかったのだ。
    「どうしよう、ここはどこ?」
    実家からついて来てくれた侍女もおらず、道を聞けそうな女官ともすれ違うことがない。暗い宮中の廊下を途方に暮れたままうろうろと彷徨うしかなかった。
    「おや」
    その様を夜風にあたりにこっそりと寝所を抜け出していた帝が偶然目にとめた。
    来た道を引き返したりしているので迷ってしまったのだろうが、宮仕えとはいえ女官の姿を直視し彼女に恥をかかせてはいけないしどうするべきかと迷っていたところ、前方から男達の声が聞こえてきた。
    儀式で振舞われた酒で酔っているのだろう。このままでは彼女と男達が鉢合わせてしまうと思い、咄嗟に廊下を彷徨っていた彼女の手を掴み部屋の中に引き入れた。
    「ひっ!誰っ?」
    「静かに。男達がここを通り過ぎるまでこのままで」
    逃げようとする女官を後ろから抱きしめ手でそっと口をふさぐ。
    「おい、今何か声が聴こえなかったか!」
    「誰かいるのか」
    「女官かもしれぬ。もしくはどこぞの姫が迷い込んだのかも!」
    騒がしい男達の声が近づいてくる。誰ともわからない殿方に抱きしめられている姿を見られたらどうしようと、江澄はかたかたと震えがとまらなかった。
    「大丈夫。私に身体をあずけて」
    後ろからぎゅっと抱きしめられていることが信じられなかった。父以外の男性には直接顔を見せたことすらなかったのに、それが今やこんなことになっている。しかし、戸惑ってはいたが不思議と嫌悪感はなかった。美しい声色としっとりと落ち着いた白檀の香のせいだろうか。

    「行ったようだね、驚かせてしまってすまなかった。迷っているなら、私が途中まで送ろう」
    固まっている女官の手を引き廊下に出ると、ちょうど月明かりが差し込んだ。向き合った二人の顔が照らされ、お互いの顔がはっきりとわかった。
    「あなたは…つい先日入宮した女官かな」
    目の前の殿方の美しさに一瞬我を忘れて見入ってしまったが、すぐに袖で顔を隠そうとした。
    「隠さないで。ああ、やはりあなただね…月明かりに照らされた姿も麗しい」
    「もう手を離してください…、どうか」
    「怖がらないで。大丈夫、これ以上の無礼は働かない。」
    優しく頬を撫でながら囁き、その後は人と出会わないように部屋の近くまで送ってくれた。
    「このことは誰にも言わないから安心なさい。気を付けて部屋まで戻るんだよ。」

    部屋で一人になると力が抜けたようにその場に伏してしまった。怖ろしく心乱される出来事だったがひどく美しい夢をみていたような、そんな初めての体験に江澄は一人胸が高鳴るのを感じていた。
    「美しくて、いい香りを纏って…、私のような者にも優しく接してくれた。あぁ、お礼も言わず、名まで聞きそびれてしまった…」
    婚約が破断となり、無羨が去ってから初めて人の温かさと優しさに接した気がする。
    江澄は侍女以外に宮中で親しい者はなく、仕事以外では一人でいることが多かった。そんな中で久々にふれた情は江澄の心に小さな灯をともした
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