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    ゆ~け~さんにオススメのキス題。シチュ:教室、表情:「お任せ」、ポイント:「髪に触れる(or触れられる)」、「お互いに同意の上でのキス」です。
    #shindanmaker #kissodai
    https://shindanmaker.com/19329

    後で手直し入れて投稿しなおしたい。タイトルは借り物

    #勇圭
    yong-gyu

    世界は蜜で満たされる(仮)「勇人」
    微動だにしないつむじを見下ろして、圭吾は控えめに声をかけた。日の傾きはじめた下校時間、蜂蜜で満たされたような静かで明るい教室の底に勇人は沈没していた。
    案の定、寝てる。それもぐっすりと。その様子にため息が出てしまうのは癖みたいなものだ。勇人の眠りが深いほど起こす側の苦労も大きくなるし、眠りの浅い勇人なんて滅多に会えるものでもないし。つまり条件反射だ。
    急ぐ予定もないので、夕日の色に照らされながらゆっくり上下する背中をぼんやりと眺めた。折り曲げた腕に額をつけて机に伏せているが、息苦しくないのだろうか。圭吾は息遣いを確かめるついでに腰を曲げ、耳元に顔を寄せる。
    「勇人」
    声が耳殻をくすぐったのと、髪の毛が耳にさらりと落ちたのと、どちらが先だったのか。
    どこをくすぐっても動じない勇人がかすかに呻き、それから、緩慢に、けれども虫でも払うみたいに肘から上を振り上げた。ぱさり。手の甲が長く伸ばした前髪に絡まってなぜだかそのまま毛束を掴まれる。圭吾は微妙な体勢で止まらざるを得なくなってしまった。
    「ゆ、勇人……」
    じり、とつむじが動くと勇人の顔の半分が見えた。
    「…………ぁ?」
    まだ醒めきらない目が圭吾を──いや、勇人をくすぐった何かを探してゆるりと動く。舐めかけの飴みたいなつやのある赤。
    「寝ぼけてるだろ。……そろそろ自主トレ行こう」
    「…………」
    半分以上開かない目をぎゅっとしかめて、勇人はようやく圭吾を認識したらしかった。勇人の薄い唇が微かに開く。今にも名前を呼びそうなかたちのまま、しかし、実際に動いたのは勇人の指先の方だった。圭吾の髪の毛を絡ませたまま頬を滑り、耳の縁を辿られ、首の裏にあてがわれると当たり前のように引き寄せるための力がかかる。
    圭吾はバランスを崩さないように机に手をついてふんばった。
    「ゆうと、ここ、教室、なんだけど」
    「ぁ?」
    このまま従えば距離はゼロになる。そうやって触れ合うことはやぶさかではないけれど、いかんせん、ここは学校だ。誰が見てるかわかったもんじゃない。それは勇人だってわかっているはずだけど。
    「だれもいねえだろ」
    寝起きの少しかすれた低い声が主張する。しかしそれよりも、つやつやと光る赤と、うなじをくすぐる指先の方がずっと雄弁で、強情だった。逸らされる気配のない眼差しに圭吾は結局すぐに折れた。たとえ寝ぼけているだけだとしても、甘えてくる勇人が相手では圭吾はどうにも太刀打ちのできないのだ。
    仕方ないな、とため息を吹き掛ける。首の後ろに回された手の力にしたがって、距離を縮めて、目を閉じる。

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