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    Laugh_armor_mao

    @Laugh_armor_mao

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    #鬼狐ワンドロワンライ
    時間無い!
    🦊👹 お題『指輪』

    皆さん凄いので、ハッシュタグから是非飛んで欲しい。

    #Foxakuma

    赤縄繋足 外気に輪郭が融けて、思考が拡散してゆく。細かな細かな粒子になって、俺の存在は大気に四散する。
     カチリ。
     悲しみと恐怖に握り込んだ手の中で、小さく悲鳴を上げた金属音がここに居ると叫んで自分を取り戻す。

     目一杯開けてもだらだらと固まり落ちる水流のシャワーを浴びて、ミスタ・リアスは汗と悪夢を洗い流した。

     グレイッシュピンクの柔らかな髪を乱雑にタオルで擦って、シャツを羽織ると認識票の付いたチョーカーを締める。
     指輪と、最近入手した艶光りするオニキスのブレスレットを付けて、俺を固定する。
     アクセサリーの緩い拘束感が好きだ。

     挨拶をする為にボイス・チャットに繋いだリストに、アイツが居ない。

    「おっはよーぉ!」

     皆に挨拶しながら、無意識にブレスレットを噛んでいた。

     毎日やる事が明確化されて、俺のコミュニティや、大事な友人と会話する充実した日々。
     いつの間にか忘れていた夢を久し振りに見た理由は、恐らくアイツのせい。

     お前はココに居て良いなんて、優しい言葉を掛けるから。危なっかしいと度々見守ったりするから。温かい手で抱き締めるから。
     少し見えないだけで不安になってしまうんだ。

    「おはよう?」

     後ろから伸びた手がマイクをミュートにしながら、スピーカーから鳴るのを期待していた重低音が俺の耳元に響いた。

    「はぁ?は?はぁぁぁあ?」

     予期しない出来事に思考が停止して、言葉さえ出て来ない。

    「用事が片付いたから、カワイイ恋人に会いに飛んで来た私に、ご褒美は無いのか?」

     笑顔の黒髪の美丈夫は、そっと俺の手に自分の手を重ねると、薬指に唇を載せた。
     今朝、俺を呼び戻したのは、サンドブラスト加工も美しい白金の上品に光るリングだった。

     ムズムズする喜びが、ずっと続きます様に。

    「ヴォックス、いらっしゃい」

     俺の存在を認めてくれてありがとう。
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    💞😭❤😭😭❤🇱🇴🇻🇪
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    iori_uziyama

    DONE勢いで書いた。
    🦊😈🦊、🧡❤🧡
    置いていかれたヴォと置いていってしまったミの話。死ネタ。
    いっそ愛さなければよかったなんて鬼の生は長くて、今まで何度も人を愛したし、見送ったし、それでも時間が傷を癒やして、また人を愛せたし。だからミスタを愛したときも、彼の人生いっぱいいっぱいまで最大限の愛を注ごうと決めていた。そこに悲観はなかった。それは本当だったのに。彼を抱きしめて寝るのが好きだった。彼の体温が好きだった。彼の声が好きだった。彼の笑顔が好きだった。あぁ、忘れていた。そうだった。愛するものを失うのは心が引きちぎれるほど悲しくて、過ぎ去ることはわかっていてもその時間が果てしなく長く感じる。彼のことをずっと覚えて抱えていたいのに、あまりにも辛すぎて今すぐ忘れてしまいたくもなる。あと何年で忘れてしまうのだろう。あと何年で忘れられるのだろう。この傷が愛おしいのに辛くて堪らない。日本では49日で魂があの世へ行くらしいけれど、私の心にはミスタが染み付いて離れない。死んでしまいそうなくらいギュウギュウと締め付けてくるのに、決して殺しはしてくれない。ミスタに会いに行かせてくれない。鬼の身体を呪うしかない。焦がれて、力の制御もうまく行かずに引っ掻いたシーツが引き裂かれても、もがくことをやめられない。ああ、いっそ愛さなければよかったのにと思ってしまうほど、苦しくてつらい。楽しい思い出が輝くほどに、彼を思い出すほどに、憎くなる。なぜ私を置いていく。頼むから、置いていかないでくれ。泣き叫んで、縋り付いたっていい、どんなに情けない姿になってでも、ずっと側にいてくれるならそれでいい。たのむ、みすた、一人にしないでくれ。金色の瞳からポロポロと涙が溢れる。牙のある口から嗚咽が溢れて、雨の日も、雪の日も、晴れの日も風の日も、嵐の日も、昼も、夜も、朝も、ひたすら墓にすがりついていた。一ヶ月が経ってもニヶ月が経っても三ヶ月が経っても、半年が過ぎても、四季が巡ろうとも、涙は止まらなかった。両手の指を超える年を経ても未だに夢に思い、起きては絶望した。取り繕う余裕もなく、余りにも変わらず居るものだから、街中の話題になっても、国中の話題になっても世界中の話題になっても、頭の中にはミスタしか居なかった。ひとりぽっちになってしまった鬼が、いまだにわんわん泣いている。
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