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    Laugh_armor_mao

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    鬼狐ワンドロワンライ
    お題 『ミルクティー』

    #Foxakuma

    Tea Leaf Reading カップに残った僅かなダージリンを口に含んで、眉間に1本、鼻根に3本の皺を寄せて、舌を出して、お決まりの台詞を吐く。

    「にっが!」
    「だから無理して飲まなくともミスタにはジュースがあるだろう?」
    「ちっげーの」

     誂いを含めたヴォックスの提言に、もにゃもにゃと下を向いて言葉を口の中に閉じ込めて、片肘を付いてそっぽを向いた。
     タンニン、カフェイン、ポリフェノール。健康に良いとされるそれ等も、過剰摂取すればそれは毒となる。
     そして許容量は人それぞれなのだ。特に嗜好品であれば、身体が拒否する物を無理に取り込む必要は無い。

    と、最初は思ったものだ。

     ヴォックスはゆっくりと眼を伏せて、口角をちょっとだけ上げて笑いながら、肘を付いた手に圧迫されて雛鳥の嘴の様にちょん、と突き出た唇をふに。と親指で押さえた。

    「少し、オレンジジュースを分けてくれないか?」
    「お?飲む?」

     すがめていた青翡翠の瞳がぱちりと開き、自分の傍らで揺れるオレンジ色の液体を閉じ込めたグラスをズズっと正対するヴォックスに押しやって、パカリと口を開けて弾ける様な笑顔を見せた。
     摩擦抵抗でコツコツとスキップしながら近づくグラスが倒れる前に指先で掴むと、一気に呷る。

    「味が濃いね。ブランドは変えていないのに」
    「あ、分かる?収穫が終わったから、この時期のが一番旨いって店の人が言ってたンだわ」

     ワシャワシャと手を動かしながら得意気に説明するのをカワイイと思う。
     つまり、同じモノを共有する。というその一点の為に、苦手な食物を口にするのだ。



     花の薫りを有するディンブラ産の茶葉は濃く抽出し、合わせたミルクに負けない重厚さを味わう。再び寒い時期がやって来たと実感する。
     矢張り最後の一口は、丸い手が掠めて持ち去る。ぐっと舌先に広がる味は。

    「…甘い?」
    「同じ薫りを愉しめれば良いだろう?」

     ひと掬いのコンデンスミルクはカップの底で、緩やかに飴色に融け会いながら恋人の唇を待つ。

     細めた眼には、ソレよりも甘い蜂蜜色を乗せて、ヴォックスは微笑った。
     
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    kohan_saniwa

    DONE寝れない🦊と寝かしつけに行く👹の🦊👹
    健全
    ⚠なんでも許せる人向けです⚠
    口調が定まらね〜 特に👹
    ⚠読んだ後の誹謗中傷は受け付けません⚠
    ⚠本人様達とは一切関係の無い二次創作です⚠

    ディスコードって、相手がメッセージ打ってると分かるようになってるんですよね。あれ便利
    今すぐいくね- 今すぐいくね -
    真っ暗な場所は嫌いだけど、真っ暗な自室は、嫌いとは違う感覚がする。
    配信を終えて電気を切った真夜中の部屋はしん、と静まり返っている。ベッドに転がって天井を眺めていると、カーテンの隙間から街頭や車のヘッドライトがちらちらと視界の端を照らしてくれた。ミスタはぼんやりとそれを見ていたが、やがて車の通りもなくなってしまうと、部屋は更に暗闇に包まれる。
    静かな部屋では、自分だけが音源だ。
    呼吸の音、寝返りのシーツの擦れる音、心臓の音
    、頭の中をぐるぐると巡る自分や他人の声。横向きになって、枕をギュッと抱き締める。
    暗い部屋は落ち着かない。落ち着かないから、ミスタはつい部屋の明かりをつけ直した。明るい場所で寝ることがあまり良くないことは勿論理解している。理解しているけれど、やっぱり嫌いなものは嫌いなのだ。明るくなったことで、心臓の音がほんの少しだけ小さくなった。頭にガンガンと響く心拍も、ミスタは嫌いだった。逸る心音を聞いていると、心が落ち着かない。ソワソワして、なんだかそこがなんともないのに怖い場所のように思えてたまらない。一人で部屋にいることを嫌でも理解出来て、どうしようも無い焦燥感に、ますます眠れなくなる。
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