文武両道、品行方正、おまけに容姿端麗の才色兼備。絵に描いたような優等生で全校生徒のみならず教師陣にも絶大な人気と信用を得ていながら、自身の人気を鼻にかける素振りすら見せずに穏やかな微笑みを浮かべる、我が校自慢の生徒会長は。
放課後の生徒会室でまったく違う顔を見せることを、俺だけが知っている。
「はー涼し……ほんと、この季節だけは生徒会入って良かったって思うんだよなあ」
「普段やりたくもねェ仕事を嫌な顔ひとつしねェで引き受けてやってンだ、これくらい当然の権利だろォが」
「いや、うん、お前に言われちゃあ俺なんかは何も言えなくなると言いますか……」
完全無欠な生徒会長、一方通行。いい子ちゃんの外面を捨て去り、生徒会室に俺しかいないのをいいことに、不遜な態度を隠しもせず言い放つ。言い方はともかく、普段の一方通行が抱えている業務量を側で見ている俺としてもほぼ同意見なので、誤魔化すように相槌を打つしかない。曖昧な返事しかできない俺には目もくれず、一方通行は書類にペンを走らせ続けている。その小気味よい音を聞きながら、そっと一方通行の横顔を盗み見た。
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