カゲの体調の変化がわかるタイプの二宮さん、いいよね~!(から始まった話) 住む世界がちがうヤツ。影浦雅人にとって二宮匡貴という男の第一印象はおおよそそんな感じだった。
ボーダーという共通点がなければ、ボーダーでも互いにここまでの実力がなければ、影浦は二宮の名前すら覚えることができたか危うい。影浦が二宮の存在を認識しているのは二宮がボーダー屈指の実力者であることに他ならない。関わりのない弱い人間を覚えていられるほど、影浦は他人に興味もなければ関心もなかった。
仏頂面だが整った顔をしていて、頭も容量もいい。影浦が頭を抱えた悩みなんて最初から持ち合わせていなかったか、なんでもないように解決してきたのだと思わせる余裕がある。影浦の目にはそのように映った。
影浦の経験上、ああいうタイプの人間は自分のようなタイプの人間を嫌う傾向が多い。そう思っていたが二宮から刺さってくる感情は痛くない。かと言って好意が刺さるわけでもないからそもそも関心が薄いのかもしれない。
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