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    hikagenko

    @hikagenko

    HN:
    ひかげ

    サークル名:
    Hello,world!

    ジャンル:
    ド!、ズモなど

    イベント参加予定:
    24/06/01~02 景丹webオンリー
    24/07/28 5次ドリ10
    25/01/12 超5次ドリ2025冬

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    hikagenko

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    🔦&🐺の出会い捏造話。書きかけを放置していたやつ。

    #ズモ

    出会いと別れビューガが足を止めたのは、小学校の前だった。

    「…ここか」

    ビューガの視線の先には、窓が半分開いた教室があった。そこからピアノの音が聞こえてくる。



    子どもがピアノに向かっている。ビューガに背中を向ける形だ。
    子どもはビューガに気付いているのかいないのか、演奏を続けている。ゆったりとした曲調が、激しい曲調に変わった。
    別の曲になったのだろうか。ビューガには分からない。
    激しい音。足元が不確かな気持ちになる。

    子どもの手が、鍵盤から離れて膝に置かれる。それから、子どもは振り返った。

    「…なんか用?」

    驚きもしない。ビューガは窓から離れ、ピアノに近づく。

    「もう一度聞かせてくれ。最初からちゃんと聞きたい。今のは…何曲か続けて弾いていたのか?」
    「はは、1つの曲だよ。構わないぜ。座るんならその辺の椅子出しなよ」
    「いや、いい」

    子どもはまたピアノを弾き始める。
    ゆっくりした曲調、激しい曲調、ゆっくりした曲調。これは一体、どういう感情が込められた曲なんだろうか。その曲を、この人間はどんな気持ちを込めて演奏しているんだろう。
    ビューガは疑問に思うが、答えなど見つかるはずもなかった。
    ただ、先ほども感じた足元がなくなったような感覚は、落ち着かないが嫌いではなかった。
    子供の手が鍵盤から離れ、膝に戻る。

    「これで1曲。満足か?」
    「あぁ。お前は今まで俺が聞いたどの人間の音よりも、強くて激しいな」
    「まぁそういう曲だし」
    「お前の性質の話だ」
    「はぁ、そう」
    「俺はビューガ。スパイクの神だ」
    「永遠井ライトだ。スパイクの神様なら、校庭を走り回る方が好きそうだけどな」
    「神とはそういうものだ。音楽とは神を…いや、それはいい。ライト、最強に興味はないか?」
    「何、なんかの勧誘?」
    「俺は最強の神になる。ライトの力があれば、俺は最強になれる。協力してくれ」
    「…前向きに検討してやるよ。とりあえずここ閉めなきゃいけないからさ、帰りながら、詳しく聞かせてくれよ」
    「分かった」

    鍵盤の蓋をしめるライト。

    「あ、窓閉めて鍵かけといて」

    大人しく従うビューガ。

    「あれ、俺今神様のこと顎で使った?」
    「顎で使われた覚えはない」



    「さっきの曲は、なんという曲だ」
    「エチュード集第3番」
    「…エチュードとはどういう意味だ」
    「練習曲のことだよ」
    「…簡単な曲ということか?」
    「さぁ、どうだろうな。エチュードは2種類あって、技術習得の意味でそう呼ばれてる曲と、曲として完成された…ははっ、ビューガには最強って言った方が分かりやすいか? 曲として最強だからそう呼ばれてる曲がある。第3番は最強の方。で、何。気に入ったのか、あの曲」

    ビューガは首をかしげる。

    「…ライトが弾いていたからじゃないか?」
    「随分ストレートに褒めるな」
    「別に賛辞のつもりはない。俺もよく分からんが…とりあえずライトの力がすごいことは確かだ」
    「はぁ、そりゃ光栄だ。…あ」
    「どうした」
    「はは、思い出した。エチュード集第3番って、多分違う呼び方の方が一般的なんだ」
    「そうか」
    「『別れの曲』」

    ライトは楽しそうに笑った。

    「はは、『別れ』で寄ってきた神様か。なんかいいな」
    「全く分からん」
    「あれ、面白くない? 『別れ』で出会うの」
    「…人間の感覚は分からん」
    「そう」

    日が沈む。昼と夜の真ん中で、ライトは笑っていた。ビューガは隣に並んで歩き、ようやくカミズモウの説明を始めた。
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