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    hikagenko

    @hikagenko

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    ひかげ

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    25/01/12 超5次ドリ2025冬

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    hikagenko

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    桜に攫われるビューガ君が見たい!の気持ちでネタをコネコネしたやつ。
    セリフ+αくらいしか書いていません。

    #ズモ

    桜に攫われるビューガの話季節外れに咲き誇る桜の木が現れた。
    人々はその桜を愛でていた。
    それを不思議に思ったリグルガングと海征が、皆に声をかける。


    ダイ、海征、ススム、ライトとそのリキシン達でその桜を見に行く。
    海征「あの木、ゴウリキシンが絡んでいるようなんだが…バッシャはどう思う?」
    バッシャ「人間達を自分の周りに集めることで、神としての力を高めようとしておるようじゃな。人の望む姿や形を維持することで、奴は人間から力を得ておるんじゃ」
    ダイ「季節外れに咲いたから珍しがって人が集まってきて、人が集まってきたから咲き続けられてる…ってこと?」
    バッシャ「あぁ」
    ビューガ「…アレの周りでリキシンの臭いが途切れている。片手で足りる数じゃない。不用意に近付かない方がいい」
    ゴウテツ「途切れる?」
    ビューガ「なにか変な力を持っているようだな」
    バッシャ「その力というのも、人の望んだものかもしれんな。どうじゃ、人は桜にどんな力があると思う? イメージで構わん」
    ダイ「よく分かんないけど、綺麗なイメージはあるかな」
    ススム「春とか、儚いとかかなぁ」
    ライト「死体が埋まっている」
    ダイ「んげっ、なんだよそれ! どんなイメージ?!」
    海征「あぁ…有名な小説だな。俺も冒頭しか知らないが」
    ライト「まあ俺も読んだことはないけどな。桜が綺麗に咲いてるのは、桜の木の近くに埋められた死体の養分を吸い取ってるから…みたいな話だったか?」
    リグルガング「その作品は、かなり知名度が高いようだ。その話があのゴウリキシンに影響している可能性は高いだろう」
    ゴウテツ「…ゴウリキシンを捕まえて、そいつらの力を吸い取って花を咲かせてるのか」
    ススム「あ、攫われる!」
    ダイ「どうした、ススム」
    ススム「最近話題のアイドルがね、『桜に攫われる』ってテーマのミュージックビデオを公開したんだよ!」
    ダイ「あ、それ俺も見た! ちょっとコワイ感じのMVだよな」
    ススム「そう! 結構SNSで話題になってるんだよ」
    海征「あぁ、話題になっていることは聞いたことがあるな」
    ライト「ふーん、俺はそれ知らないや」
    リグルガング「直近のイメージでいえば、『攫われる』というのもかなり強いものがありそうだ。どうだろう、バッシャ」
    バッシャ「ふむ…どちらの力も兼ね揃えている、と考えていた方がいいかもしれんな。攫ったゴウリキシンを埋めて自分の力にして、人を呼び寄せ神としての力を高める…。実に恐ろしいわい」
    ブロードロン「どうするんだ、バッシャ」
    バッシャ「そうじゃのう。ビューガ、あれは人間には害がありそうか?」
    ビューガ「いや。途切れた臭いは全部リキシンのものだ」
    バッシャ「そうか。一旦離れよう。人間に害がないなら、危ないのはワシらじゃ。離れて作戦会議を開くことにしよう」
    途端、強い風が吹いた。
    ビューガは咄嗟に目を閉じた。風が収まったことを感じて目を開けると、そこは先ほどまでの場所ではなかった。
    目の前には大きな桜の木。暗い世界の中で、桜の木だけが怪しく光っている。
    「…お前、あそこで咲いていた桜だな」
    ビューガは桜を睨みつける。


    桜の木は、ゴウリキシンとしての強さを求めていなかった。人に認められ、いつまでも人と共にあることを願っていた。
    「それでこんな季節に咲いて、人を呼び寄せたのか」
    ーーー花が咲かなければ人はまともに寄ってこない。いつでも、いつまでも咲かなければいけない。桜は咲いていなければ桜ではない。そのためには力がいる。神の力を奪って、その力で咲き続ける。ーーー
    「くだらないな」
    ーーー黙れーーー
    「俺はお前の養分になる気はない。お前もゴウリキシンなら戦え」
    ーーー私は戦わない。強さなど求めていない。ただ人に、美しい桜をーーー
    「チッ」
    ビューガは走り出す。一瞬でカミズモードに姿を変え、桜の木の枝を蹴り飛ばす。
    「戦わないならそれでもいいぜ。俺はこの場にある手頃な枝を蹴飛ばして、『修行』するだけだ」
    桜が大きく揺れる。枝がザワリと動く。ビューガは構わず枝を蹴り飛ばし、花びらを散らしていく。
    ーーーやめろ、私は美しい花を守り、人に…!!!!!ーーー
    桜の花びらがビューガの体を裂いていく。しかしそれはかすり傷程度だった。
    「こんな弱弱しい力で、何を変える気だ!」
    ビューガの蹴りで、次から次へと花びらが散っていく。散った花びらがまたビューガの体を裂くが、ビューガは止まらない。
    枝が再生する。
    「あぁ、そういえば埋まっているんだったな」
    ビューガは地面を強く蹴り上げる。地面に穴が開き、ゴウリキシンの姿が見える。木の根に絡み付かれている。根を蹴り、ゴウリキシンと切り離す。
    桜がぐらりと揺れる。
    ーーーやめろ、私は永遠に咲き続ける…ーーー
    ビューガは木の幹を駆け上がり、高く舞う。
    「永遠に咲いたって、人間共には意味がないだろ!」
    桜の花びらが、ビューガを包み込む。しかしビューガの足は、強く強く桜の木を揺らした。
    「あいつらはすぐに死ぬんだからな」


    (桜の回想)
    桜を管理している人間。
    剪定し、こまめに管理していた。満開の桜に笑い、葉桜も愛で、管理を続けていた。
    …あの人間は、どこに行ってしまったのだろう。大きな枝が折れてしまったから? もう花が咲かなくなってしまったから? だから、あの人間はいなくなってしまった?
    (桜の回想)


    (現在の桜視点)
    私は…
    「…お前はゴウリキシンか? それとも、人に愛でられたいだけの木か?」
    私は…
    強い強い桜吹雪。ビューガは目を閉じる。
    (現在の桜視点)


    海征の家に集まっているダイ、海征、ススム、ライトとそのリキシン達。
    海征「…要するに、あの桜の木たちは元は1つの木だったんだ」
    桜に攫われたビューガやリキシン達は、別の桜の木があるところからこちらの世界に戻ってきた。なぜ別の木から戻ってきたのか気になった海征は、岸家の情報網を使って桜の木について調べていた。
    海征「管理している人間があの場を離れなければならなくなった時に、元の桜の一部を運び、ある場所に植えた。それがあの狂い咲いていた桜だ」
    ダイ「ビューガ達を攫っていた桜のゴウリキシンからしたら、どっちも分身みたいなもんだったのかな」
    海征「そうなのかもしれないな。で、大本の桜…ビューガが戻ってきた方だな。そちらの桜はずいぶん前の台風で枝が大きく折れてしまった。残念だが腐ってしまっていて…もう元には戻せないらしい」
    ダイ「そっか…」
    海征「狂い咲いていた方の桜はすっかり散って、元通りだ」
    ダイ「なあビューガ、桜のゴウリキシン…どこに行ったんだ?」
    ビューガ「さあな。アイツはゴウリキシンであることよりも、もっと別の存在になることを望んでいた」
    ダイ「別の存在?」
    ビューガ「永遠に咲き続けたいそうだ。まあ、俺に蹴散らされて姿を留められない程度に弱っていたがな。その後どうしたかは知らん。場所を移してまたおかしな力を使っているか、ただのゴウリキシンとして生きているか…」
    ライト「へぇ、カミサマも永遠を望んだりするんだ。そういうの、短命な生き物の愚かな願望なんだと思ってたぜ」
    ビューガ「さあな、俺も理解できん」
    ダイ「分かんないけどさ、きっとそのゴウリキシンも自分を世話したり、綺麗だ―って見てくれる人間達といるのが、楽しかったんだろうな。だから、自分の綺麗な姿をずっと見てほしかった…のかな」
    海征「そうかもしれないな」
    ゴウテツ「なんか…スッキリしないな。ビューガ、そのゴウリキシンの臭いとかしないのか?」
    ビューガ「分からん。あれの匂いをちゃんと嗅いだのはアイツの作ったおかしな世界でだけだ。ここと勝手が違う」
    ゴウテツ「ウ゛ー…」
    海征「まあ、みんな無事で解決できたのならよかったな」
    ビューガ「根本の解決が出来たかは分からないけどな」
    ダイ「まあ…そいつがまた現れたらさ、まずは話してみようぜ! 話して、仲良くなれば…なにか変わるかもしれないもんな!」
    ゴウテツ「そうだな」


    ビューガはひとりで歩いている時に、また不思議な世界に連れ込まれた。
    目の前にはゴウリキシンがいた。あの桜だと、ビューガはすぐに気付いた。
    『人間は死んでいたよ。ずっと昔にな』
    「そうか」
    『お前の言うとおりだった。人間はあっという間に死ぬ。我らと比べ物にならない』
    「何を言いに来た」
    『…それでも、私は春が来たらまた花を咲かせるよ』
    「はっ、人間のためにか?」
    『いや、私が桜だからだよ』
    「そうか。で、戦わないのか?」
    『今の私に戦う理由はない』
    「そうか」
    『礼を言うよ。私を止めてくれて』
    「例を言われる筋合いはない。戦わないなら俺は用がない」
    『そうか。…私は桜だよ。神もゴウリキシンも関係ない。…お前のおかげだ』


    目を開ける。元の場所に戻っている。
    「ビューガ?」
    後ろから声をかけられる。ライトだ。
    「なんか今いきなり現れなかった?」
    「…まあ、そうかもな」
    「なに、また桜に攫われでもした?」
    「そうだ」
    「へえ。戦った?」
    「いや。戦わないと言われた」
    「そう。つまんないな」
    「あぁ、つまらん」
    「ところで今からダイ達と修行するけど」
    「早く言え! 行くぞ」
    「ははっ、はいはい」




    【設定メモ】
    桜の神:
    ・人に認められるために、美しい花を咲かせ続けたいと思っていた
    (昔よく世話をしてくれていた人間がいた。しかしその人間はある時から来なくなった。その後台風で枝が大きく折れて、どんどん腐り始める。花が咲かせられなくなったから来てくれなくなった? 会いたくなって、遠くに運ばれた自分の枝を探してその桜を狂い咲かせた。美しくあり続ければ、その人が戻ってくると信じて)
    ・人が持っているイメージが力になっている。リキシンや人を攫えるし、根元に植えれば養分に出来る。人はやらないけども(見てもらわないといけないから)
    ・昔世話してくれていた人間がもうこの世にいないことを知って、美しいままでいることはやめた。またただの桜として生きることを選んだ。神という立場は特に気にしない。

    ビューガ:
    ・一瞬の命が、永遠を愛でられるわけがない
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